『物語数学史』(ちくま学芸文庫)と雑誌『星雲』のこと

ちくま学芸文庫から『物語数学史』(小堀憲)という一般向けの数学の通史が出ています。2月頭に出た本なのですが、ばたばたしていて告知していませんでした。

http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480095107/Link

僕が解説を書いています。
この本、もともとはだいぶ以前に新潮選書から出たものです。そのため、古いところもあると思いますが、一般向けの通史は意外に少ないと思うので、よろしければ手に取ってみてください(解説は印税ではないので、売れても僕が儲かるわけではありません)

実は、この文庫化は僕が企画を提案しました。その際、新潮選書版にはない付録として、小文『エヴァリスト・ガロア』を収録してもらいました。この小文は日本初のSF雑誌と言われる(だけど、一号しか出なかった)雑誌『星雲』に掲載されたものです。『星雲』の文章がそのままどこかに再録されるのは珍しいのではないかと思います。内容はガロアの伝記ですから、SFでもなんでもないんですが、『星雲』を見たことがないかたも多いでしょうし、その意味でも面白いのではないかなあ(という狙いで付録にしました)

おなじくちくま学芸文庫から出た同著者の『大数学者』と合わせてお読みいただければ
なお、著者との関係や『星雲』のことは『大数学者』についてブログ記事を書いたときに触れました。今回の解説にはこの文章も使っています

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270200239Link

― posted by きくち at 07:17 pm commentComment [7] pingTrackBack [0]

だってホーガンだもの

Dropboxを眺めてたら「ほーがん.txt」という2010/10/4付けのファイルがあった。
あんまり覚えがなかったんだけど、SFマガジンのホーガン追悼特集のために書いたのではないかと思う。まったく褒めてないのもどうかと思うものの、面白いので公開します。「星を継ぐもの」に驚き呆れたことを懐かしく思い出しました

............................

だってホーガンだもの

 実は、特に理由もなく『揺籃の星』をしばらく読みそびれていて、読んだのはそろそろ続編の翻訳も出ようかという頃で、しかも必要に迫られて読んだのだった。今どきヴェリコフスキー・ネタでSFを書くなんて、よほど勇気がなきゃできない話だから、それはすごいと飛びついて読んでいてもよかったはずなんだけど、今さらホーガンかという気分が先に立ったのかもしれない。ごめんなさい。
 で、読んでやっぱりびっくりした。ヴェリコフスキー説がどう扱われているのかと思ったら、そのまんま話のど真ん中に据えられているのだもの。しかも、巻末解説では金子隆一さんがそのトンデモ具合を貶していたから、これまたびっくり。でも、物語としては充分に面白いんだから、そうけちょんけちょんに言わなくてもいいと思う。この作品、確かにトンデモかもしれないけど、ある意味とてもホーガンらしい。
 創元から『星を継ぐもの』の日本語訳が出たとき、僕はまだ大学生だった。とにかく翻訳前から「すごい」という評判があって、待ち兼ねて読んだ記憶がある。いや、もしかするとそういう順序じゃなかったかもしれない。なにしろ30年も前だ。
『星を継ぐもの』は本当に「大技一本でほかには何もありません」みたいな作品だった。絶対にSFでしか書けない壮大な謎と後先考えない思い切りのいい謎解きに、僕たちはまず唖然とさせられて、それから喝采を贈った。正直、かなり無茶な設定なんだけど、SFとミステリーを融合するならこれくらいのことはしてくれなくちゃ、これならうるさいことは言わずに許しちゃおう、と思わせられるそんな迫力があった。恐いもの知らずというか蛮勇というか、それがこの作品の魅力だ。ホーガンの作品からどれか一作選べと言われたら、今でもこれを選ぶ。たぶん僕以外にもそういう人は多いに違いない。作家としては、そういう評価はあまりうれしくないかもしれないけど。
 次に出た『創世記機械』がばりばりのハードSFだったので、ホーガンはハードSF作家扱いになった。こちらも大技一本で通した蛮勇の作品だけど、僕はあまり感心しなかった。たぶん、物語の風呂敷をあまりにも広げてしまって、なんでもありになり過ぎていたんだと思う。ありていに言えば、ハードSF作家としては筋が悪いし、科学の素養もかなり怪しい。でも、このなんでもありってところに惹かれたファンも多かったはずだ。
 もちろん、ホーガンはちゃんとした傑作SFだっていくつも書いている。でも、将来僕たちがホーガンと聞いて思い出すのは、たぶん『星を継ぐもの』に代表される、後先考えない蛮勇の作品群に違いない。なぜなら、僕たちSFファンはそういう怖いもの知らずの思い切りのよさが大好きだからだ。それでいいのだ。R.I.P.

― posted by きくち at 07:31 pm commentComment [7] pingTrackBack [0]

論文: Frustration-induced protein intrinsic disorder

PDの松下君がやった研究の論文が出ました
科研費の「天然変性タンパク質の分子認識機構と機能発現」
http://www.tsurumi.yokohama-cu.ac.jp/IDP/Link
での研究です
興味があれば、松下君をセミナーなどに呼んでください

Frustration-induced protein intrinsic disorder
Katsuyoshi Matsushita and Macoto Kikuchi

J. Chem. Phys. 138, 105101 (2013)
http://dx.doi.org/10.1063/1.4794781Link

abstract:
Spontaneous folding into a specific native structure is the most important property of protein to perform their biological functions within organisms. Spontaneous folding is understood on the basis of an energy landscape picture based on the minimum frustration principle. Therefore, frustration seemingly only leads to protein functional disorder. However, frustration has recently been suggested to have a function in allosteric regulation. Functional frustration has the possibility to be a key to our deeper understanding of protein function. To explore another functional frustration, we theoretically examined structural frustration, which is designed to induce intrinsic disorder of a protein and its function through the coupled folding and binding. We extended the Wako-Saitô-Muñoz-Eaton model to take into account a frustration effect. With the model, we analyzed the binding part of neuron-restrictive silencer factor and showed that designed structural frustration in it induces intrinsic disorder. Furthermore, we showed that the folding and the binding are cooperative in interacting with a target protein. The cooperativity enables an intrinsically disordered protein to exhibit a sharp switch-like folding response to binding chemical potential change. Through this switch-like response, the structural frustration may contribute to the regulation function of interprotein interaction of the intrinsically disordered protein.

― posted by きくち at 09:02 pm commentComment [11] pingTrackBack [0]

放射線は粒々が飛んでくることさえイメージできれば、線源に近づけばいくらでも放射線が強くなるという誤解はしないと思う

話としてはもう新しくない(はずはないのに「新しくない」と言わなきゃならないほど、ネットでの情報の移り変わりは激しく、とてもついていけませんが)のだけど、これを材料にちょっとした誤解を解くための文章を書こうと思う。
以下では(いつもそうなのだけど)、「何乗」を^で表す。10^2は10の2乗(つまり100)、10^-2は10の-2乗(つまり0.01)

問題になったのは、以下のブログ

http://blog.livedoor.jp/medicalsolutions/Link

に書かれている矢ケ崎克馬さんの(ものだという)文章。これの原文がどこにあるのか、僕にはわからない。
これは2/2づけで朝日アピタルの掲載された坪倉正治さんの『それは内部被曝じゃなかった』という文章

http://apital.asahi.com/article/fukushima/2013020100003.htmlLink

への批判として書かれたもの。

坪倉さんのは、WBCで測ったらCs134と137の合計が3000Bq/bodyの人がいたが実は内部被曝ではなくて服が汚染されていたという話。これに関して坪倉さんは
.......................
理論上、この外部被曝の影響を考える必要はありません。たとえば、1000Bqのセシウム137の(非常に小さい)固まりがあったとして、1mの距離での空間線量は6.2x10^-5(0.000062)μSv/hほど上がる計算になります。3000Bqの服を身にまとったとして、その体の中の空間線量の増加分は0.002μSv/h程度(注: 元の文では"0.001μSv/h程度の桁にすらならない"だったが、田崎さんの計算を受けて訂正されている。でも田崎さんの計算は1000Bqの服だから、3倍しなくてはならないのではないかな)と計算されます
................
と書いている。

これに対して矢ケ崎さんの反論とされるのは、ちょっと長いけど一部引用すると

.................
坪倉氏のモデルとしている点線源の場合だけでも6ケタもの過少評価につながります。なぜなら、点線源から発射される放射線量は単位時間について一定で放射状に発射されるので、計算しようとする「点線源を中心とする球の表面」上でどの場所でも同じ強さになり、単位面積当たりの被曝線量が計算できるのです。ところで衣服が汚染されているのですから衣服上の一つの点線源は、身体までの距離が1mm程度です。点線源から考えている点までの距離の二乗がそこに描いた球面の面積に比例しますので、この場合半径1mと1mmの距離の比率は1000倍違います。表面積はその二乗に比例しますから100万倍大きさの程度が違います。すなわち6ケタ違います。坪倉さんのどこかの文献で見つけ出してきた線量を100万倍したら、皮膚に密着した場合の線量の目安となります。坪倉さんの出している数値0.000062μSv/hの100万倍は62μSv/hになります。巨大な被曝線量です。
.................

これは物理学者にはちょっとありえない誤解だと思うのだけど、一般の人には少なくない誤解のようにも思うので、考えてみたい。ちなみに、まじめな計算は田崎さんがされているので、そちらを参照。ここではどうしてこういう誤解が起きるのかを考えて、誤解しないために知っておくべき簡単なことをまとめて、ついでにすごく大雑把な計算で何が言えるかを書く。

γ線源が小さな点だとすると、そこから出るγ線の強度は「距離の2乗に反比例」すると言われる。これは間違いではないが、正しくもない。たとえば、福島大学の教員有志が作ったパンフレット「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本」の初版

https://www.ad.ipc.fukushima-u.ac.jp/~a067/SRR/FukushimaUniv_RadiationText_PDF.pdfLink

には「被ばくと距離の関係」という項目があり

........
放射線の強さは距離の2乗に反比例します。例えば,放射性物質までの距離が2m から 4m へ 2倍になった場合は,放射線の強さは4分の1になります。このことから, 被ばく影響を少なくするには放射性物質からできるだけ遠ざかることが必要す。
また,放射線の強さが距離2乗に反比例するというこは,逆に近づいた場合には,距離の2乗で強くなる ことを意味します 。例えば,体外 1cm (1×10^-2m)の距離にある放射性物質を吸い込んで内部被ばくした場合,体内で放射性物質から 1μm(1×10^ -6m)の距離にある細胞が受ける放射線は,吸い込む前に皮膚が受ける放射線と比べて,100,000,000(1×10^8)倍の強さになります
.....

と書かれている。これはいくらなんでもひどい誤りなので(理由は以下で説明します)批判が集まり、第二版で削除されている。誤解としては上の矢ケ崎さんの説と同じで、大学教員でもこれをやってしまうものだということなのだが、誤解の理由としては「放射線は粒が飛んでくるものだ」というイメージができていないからなのだと思う(だから、物理学者の矢ケ崎さんが本当にこんな間違いをしたとは信じがたい)

「γ線強度が点線源から距離の2乗に反比例する」は正しい場合もあるし正しくない場合もある。つまり、厳密には正しくないものの、「距離の2乗に反比例」とみなしていい範囲があるということ。それはこの「逆2乗則」の由来を具体的なイメージで考えてみればわかる。ここでは具体的なイメージを持つのが重要だということを強調しておきたい。それは「放射線の実体は粒々が飛んでくるものだ」というイメージだ。

α線の正体はヘリウムの原子核だし、β線の正体は電子で、どちらも粒だ。問題はγ線で、これは「強い光」と言われるので、粒ではなくて何か連続した「線」や「波」のイメージで捉えている人も少なくないかもしれない。実は光は波としての性質と粒としての性質を兼ね備えている(きりがないので深入りしないが、アインシュタインの光量子説というのはこれ)のだが、γ線の場合には、決まったエネルギーを持った光の粒(光子)が飛び出してくるものと捉えるほうがいい。γ線は「ひと粒、ふた粒」と数えられるものだ。結局、放射線はボールが飛んでくるようなイメージで捉えておいてかまわない。というより、そう捉えないから、「逆2乗則」に関する誤解があとを絶たないのだと僕は考えている。

これでベクレルという単位の意味がはっきりする。たとえば、1ベクレルのCs137の塊があるとしよう。すると、そこからは毎秒(平均して)1個のβ線と1個のγ線、つまり電子1個と光子1個が飛び出してくる(細かいことを言うと、数はそれよりちょっと少ない。この件は以前の記事に書いた)。1000ベクレルのかたまりなら、毎秒1000個のβ線と1000個のγ線が飛び出す。エネルギーも決まっていて、β線が約0.5MeVでγ線が約0.7MeV(ここでは細かい数字は必要ないので、精度は一桁で。また、β線のエネルギーはニュートリノと分け合うので確定していないが、最大が約0.5MeV)。それがかたまりから四方八方に飛び出してくる。

1000ベクレルのかたまりから四方八方に飛び出した光子は、それぞれまっすぐに飛んでいく。もし、そのかたまりを片手で完全に包んでしまえば、1秒間に出た1000個の光子すべてが手を通る(たいていの光子はなにごともなく手を突き抜けてしまうだろうが、一部の光子は細胞の中の原子に当たってそれが何か悪さをするかもしれない)。では、手をだんだん遠ざけていくとどうなるか。かたまりを包み込めないくらい遠ざかると、1000個の光子のうち、手を通らないものが出てくる。もっと遠ざかると、手を通らない光子のほうが多くなる。たとえば、かたまりから1mの距離で手を広げたとすると、1000個の光子のうち何個が手を通るだろう。それは「手の面積÷半径1mの球の表面積」だ。かたまりから半径1mの距離に1秒間に1000個の光子が到達する。光子は四方八方に飛んでいるので、もしそれをすべてつかまえたいと思うなら、半径1mの球で包んでやらなくてはならない。手はそれよりずっと小さいから、手を通る光子の数はそれだけ少なくなる。かたまりから10mの距離なら、すべてつかまえるには半径10mの球が必要だ。球の半径が10倍になると表面積は100倍になるので、逆に、手を通る光子の数はそれだけ減って1/100になる。10倍離れると100分の1になるというのがまさに「逆2乗則」なのだが、あくまでも光子の「数」がそれだけ減るのだということを忘れてはならない。

では、逆に手をかたまりに近づけていくとどうなるか。上で紹介した福島大学有志のパンフレットや矢ケ崎さんの話では、かたまりからの距離を1/10に縮めると手が受ける放射線の強さは100倍になり、近づけば近づくほど放射線は強くなると言っている。しかし、ここで強調したように放射線は粒々だ。1秒間に1000個のγ線が出ているのなら、どれほど近づこうと、手を通る光子の数は最大で毎秒1000個だ。つまり、かたまりを完全に包み込んでしまえば、それ以上どれほど近づこうと1秒間に手が受ける光子の数は変わらない。γ線の数は毎秒1000個で頭打ちとなる。粒々だということさえイメージできれば、これは当然のことだとわかるだろう。もちろん、「手で完全に包む」というのは極端な設定で、掌に当てるだけなら、半分は手と反対側に飛んでいくだろうから、手を通るのは半分の毎秒500個になる。いずれにしても、毎秒1000個が最大であることにかわりはない。つまり、放射線源が点だとしても「逆2乗則」は線源に近いところでは成立しない(点線源で、かつ放射線を受ける側も点とみなせるほど小さく、かつ放射線が毎秒無数に飛び出してくるという非現実的な条件なら成立するが、そんなものを考えても意味はない)。ちなみに、γ線は飛ぶにつれて空気に吸収されて数が減るので、遠方でもやはり(別の理由で)「逆2乗則」は成立しない(ただし、吸収による減衰は10mごとに90%になるくらい)。ちなみに、β線は電気を帯びているため、空気中の原子で散乱されて曲がりやすいので、逆2乗則はそもそも考えないほうがよい。もちろん、β線の場合も線源から出てくる個数以上のものが手に当たるはずはないので、1000個のCs137から受けるβ線の総数は毎秒1000個以内になる。

話としてはこれで終わりで、要は「粒々が飛んでくる」ことさえイメージできれば妙な誤解は減るはずだということなのだが、念のために体の表面に1000ベクレルのCs137が付いているときの被曝量について簡単な計算をしておきたい。皮膚の表面付近ならβ線も届くのでβ線も考える。Cs137が一ヶ所にかたまっているか広がっているかは、これからの話には関係ない。どちらでもかまわない。

皮膚表面に着いた1000ベクレルのCs137からは、毎秒1000個のβ線と1000個のγ線が飛び出してくる。おおざっぱにはその半分が体の外に向かって飛び、半分が体の中にはいるから、体にはいるのは毎秒500個のβ線と500個のγ線と思えばいいだろう。そのエネルギーは合計すると(0.5MeV+0.7MeV)×500個=600MeVになる(ここでもβ線についてはエネルギーの最大値を使う)。エネルギーの単位をJ(ジュール)に直すには、1MeVは1.6×10^-13(10のマイナス13乗、あるいは"10の13乗"分の1)Jなので、これを掛けて9.6×10^-11J、つまり約10^-10(100億分の1)Jとなる。これが全エネルギーだ。どれほど極端な状況を想定しようと、1000ベクレルのCs137から体が受けるエネルギーは毎秒100億分の1ジュール以上にはならない。仮にそのすべてを体が吸収するものとするなら、これをグレイ(Gy=J/kg)に直すには体重で割ればよい。計算が簡単になるように50kgの人の場合を考えると、50で割って2×10^-12Gy。これは1秒あたりなので、空間線量率と比較しやすいように1時間になおすと3600掛けて約7×10^-9Gy/h。外部被曝の場合は1Gyと1Svはだいたい同じだと思っていいので、結局、7nSv/h (7ナノシーベルト毎時)が結果となる。マイクロシーベルト毎時にすると0.007μSv/hだ。

これは何を計算したのかというと、1000ベクレルのCs137が出したβ線とγ線のエネルギーの半分を体が吸収したときの1時間当たりの被曝量なのだが、もちろん実際の被曝量に対しては過大評価になっている。つまり、何があろうと体表に付いた1000ベクレルのCs137からは0.007μSv/hの線量を受けないという「最大値」を求めたことになる。Cs134の場合はもう少し大きくなるにしても、桁が変わることはない。つまり、矢ケ崎さんが計算したという62μSv/hは、どんなに控えめに見ても9000倍ほど過大評価になっているわけだ。坪倉さんの記事では3000Bqだったから、それによる線量は何が起ころうと0.021μSv/hを超えることはない。
ちなみにここで計算した数字は

http://togetter.com/li/452430Link

の最後のほうにある僕のツイートと違っている。少しずつ計算条件が違うからなのだけど、要するにその程度の違いは気にしないくらいの大雑把な計算をしているということ。

もちろん、実際に体に吸収されるγ線は体にはいったγ線の一部なので、実際の被曝量はもっと少ない(β線のエネルギーもニュートリノと分け合う分だけ少なくなる)。田崎さんのまじめな計算

http://t.co/uOWG44x2Link

によると、1000BqのCs137で汚染された服を着た60kgの人の被曝量(線量率)は約0.002 μSv/hなので(僕も何通りかの適当な計算でだいたいそのくらいになることは確認した)、上の最大値と比べると(体重が少し違うことも含め)約1/3になっている。桁は同じだから、ひどく違うわけでもない。当然ながら、こんなに大雑把な計算でいいのは、この服を着ていることによる被曝量はどのみち小さいからだ。ここで2倍や3倍違っていても、大勢に影響はない。ただし、ここで言いたいのは、まじめに計算しなくても簡単に見積もれる最大値の9000倍も過大評価してしまうのは、いくらなんでもまずいのではないかということだ。

繰り返しになるけれども、放射線の正体は高速で飛び出す粒だ。粒は数えられる。それさえイメージできれば、妙な誤解はしないはずだと思う
そして、もうひとつ(同じことなのだけど)、線源にどれほど近づこうと、「線源から出ている全エネルギー」以上のエネルギーをからだが受けることは絶対にない。あたりまえのことのはずなのに、それを忘れた話をときどき見る。でも、それは永久機関ができると主張するのと同じことだ

[追記](2013/2/19)
3000Bqの計算だか1000Bqの計算だか混乱していたので、数字を3倍間違えたところがあり、直した。具体的には矢ケ崎さんの過大評価は3000倍ではなく9000倍だと思う。これくらい違うと、どちらでもいいんだけど。
そのほか、足りないと思われる説明を少し補足した。β線のエネルギーはニュートリノと分け合うので最大値だけが決まっているというのも補足した
それから、僕の勉強会資料にも書いてあるのだけど、それこそ「雨樋の下や側溝に放射性セシウムが溜まっていた」ような場合は、「線量率は距離の二乗に反比例して小さくなる」という説明でよいと思う。つまり、均一に広がっている場合の空間線量率と違ってこういう場合には線源から離れれば急激に弱くなるのだということを説明すればいいので、これでかまわない。10m程度の距離での話なら、空気による減衰も考えなくてよい。実際、放射線源を管理するという話のときには逆二乗で考えるのだと思う(僕が読んだ放射線のテキストでは逆二乗で評価していた)

― posted by きくち at 09:09 pm commentComment [72] pingTrackBack [0]

勉強会の感想など

小規模な勉強会をやっているのですが、ときどき勉強会について発表する機会(たとえば科学コミュニケーション研究会で話しました)があったりするので、参加したかたの感想を集めています。
よろしければコメントください。非公開コメントでも結構です。
どこかで使うときは(男性、会社員)とか、その程度の紹介にしますので

ちなみに発表するのにはいくつかの理由があって、ひとつはもっとたくさんの人が勉強会をやったらいいのじゃないかと思うのでその参考になるかなということ、もうひとつはいちおう「発表業績」にしておくと今後なにかとやりやすいだろうということ、などなどです

― posted by きくち at 08:32 pm commentComment [9] pingTrackBack [0]

ぼちぼちと(EMとか、ひどいよね)

期待されたようなことはあまり書いていないと思いますが、ぼちぼちとね

EMによる放射性物質の除染というのは、まあ常識で考えてありえないし、比嘉さんの言ってることはでたらめばかりなのに、信じる(というより、信じようとする)かたがたがおられることが、悲しくてたまりません。
比嘉さんは無責任を超えて、もはや完全に害悪の領域だと思いますし、それを推進するEM機構なども同じでしょう。
たったひとりの妄想にここまで振り回される人たちがいるというのは、ただただ悲しい話ですよ。
繰り返しますが、比嘉さんが言っていることの多くはただの妄想です。特に、EMが放射性物質を無力化(半減期を変えるとか)するかのような話はまったくのでたらめで、これを「ありえない」と断言できない科学者はだめだと思います

― posted by きくち at 11:54 am commentComment [82] pingTrackBack [1]

被曝量を表すいろいろな線量

被曝量を表現するいろいろな線量の違いについて質問されたので、僕が知っている範囲でのメモを書いていたら、ずいぶんと長くなってしまいました。せっかくなので、ここに載せます。間違いとか不適切な点とかあれば、ご指摘ください。「吸収線量」と書いてしまったところは、専門家のかたには怒られるかもしれません

1. いろいろな線量

 放射線被曝が健康にどのような影響を与えるかは、どの程度たくさん被曝したかによって違いますし、どの程度の期間で被曝したかによっても違います。もし、短期間に大量に被曝してしまうと、最悪の場合は死ぬし、そうでなくても不妊になるなどの影響があることが知られています。あるいは、妊娠中に大量被曝すると、生まれた子どもの先天性異常のリスクが増えます。ただし、これらはあくまでも大量被曝の場合です。
 それに対し、今回の放射能汚染では、汚染がひどい場所でも、そういった影響があるとは考えられない「低線量被曝」にあたります。
 低線量被曝による健康への影響は、ほぼ発ガンのリスクだけで、被曝量が多いほどそのリスクは大きくなると考えられています。長期間の被曝では、被曝量を足していった総被曝量で発ガンリスクは決まるというのが今の一般的な見かたです。
 では、被曝量はどのようにして決められるのか。

 被曝量に関係するものとしては、吸収線量、等価線量、実効線量、預託実効線量などがあって、目的に応じて使い分けられています。単位は吸収線量がグレイ(Gy)で、ほかはすべてシーベルト(Sv)。違うものが同じ単位なので、よく混乱を招いています。

(1)吸収線量
 放射線が物質に吸収されたときに、1kgの物質がどれだけのエネルギーを受け取ったか。これはただのエネルギーなので物理的に測れます。

(2)等価線量
 体に与えるダメージの大きさは放射線の種類によって違っていて、同じエネルギーならα線はβ線やγ線よりも体へのダメージが大きいことがわかっています。そこで、α線はエネルギーはβ線やγ線の20倍大きいとしてしまいましょう、というのがこれ。

(3)実効線量
 等価線量が同じでも、体の臓器ごとにガンになりやすさが違うので、それを考慮して「体全体への影響」を表すようにしたもの。

(4)預託実効線量
 これは内部被曝を問題にするときに使う被曝量です。食べたり吸い込んだりした放射性物質が排泄されるまでの被曝量の総量です。

 それぞれの意味と計算のしかたはICRPの勧告(最新のものは2007年勧告)に書かれていて、日本でもICRP勧告に従って求めることになっています(ただし、福島第一原発事故当時はまだ2007年勧告が日本の法律に取り入れられておらず、ひとつ古い勧告が生きていたために、混乱がありました。まだ混乱していると思います)
特に実効線量と預託実効線量はめんどくさいので、以下で詳しく説明します。報道では実効線量と預託実効線量がよく出てきますが、きちんと「これは実効線量」「これは預託実効線量」と言ってくれないことが多くて困ります。

2. 等価線量(Sv)

 α線は外から当たったとしても皮膚の表面で止まってしまい、体にダメージを与えませんが、内部被曝では、同じエネルギーでもβ線やγ線よりも体に大きなダメージを与えます。つまり、吸収線量では体へのダメージの大きさを適切に表せません。そこで、α線はエネルギーが20倍大きいとしておきましょう、というのが「等価線量」です。吸収線量(Gy)との違いは、α線のエネルギーを20倍していることだけで、1kgあたりに換算するのは変わりません。
この等価線量を使えば、放射線の種類の違いを気にせずにダメージの大きさを比較できます。普通はこれを各臓器ごとに考えます。報道に出てくる等価線量は、九分九厘、甲状腺等価線量です。

○注(なぜ甲状腺等価線量を問題にするか)

 チェルノブイリ事故では放射能汚染のひどかった地域で事故の数年後から子ども(事故当時子どもだった人たち)の甲状腺ガンが増え始め、これまでに6000人くらいが発症しています(ただし、死者は20人弱)。
これは事故初期に放射性ヨウ素に汚染されたミルクを飲んだことによる内部被曝が原因とわかりました。チェルノブイリ事故でも他のガンはほとんど増えなかったので、放射能事故では甲状腺ガンが特に注目されます。
 甲状腺にはヨウ素が集まる性質があって、放射性ヨウ素も甲状腺に集まります。これが甲状腺ガンの原因になる一方、他の臓器にはほとんど溜まらないので、放射性ヨウ素の影響は甲状腺だけを考えればいいことになります。そこで、甲状腺がどれだけ内部被曝したかを表すものとして、甲状腺等価線量が使われるわけです。ただし、等価線量はあくまでも重さ1kg当たりで考えるものです。本当は20gしかない甲状腺でも、それが1kgあるものとして等価線量を求めるので、時としてびっくりするほど大きな数になります。びっくりするのは実効線量と比べてしまうからで、甲状腺等価線量はあくまでも甲状腺等価線量同士を比較するようにして、実効線量とごっちゃにしないように注意が必要です。

3. 実効線量

 これは臓器ごとではなく、体全体への被曝の影響を表すためのもので、報道で見るシーベルトはほとんどまちがいなくこの実効線量です。
 各臓器が受けた放射線の量(吸収線量)がわかって、それから各臓器の等価線量がわかれば、それをすべての臓器について平均したものは「体全体の被曝」の目安になるはずです。平均するといっても、大きな臓器も小さな臓器もあるので、体重に占める各臓器の重さの割合をそれぞれの等価線量に掛けて、全部の臓器のものを足します。要するに、同じくらいの放射線を受けたら、大きな臓器ほど被害が出やすいはずだということです。
 といっても、甲状腺の例でもわかるように、放射線の影響で癌になりやすいかどうかは臓器ごとに違います。甲状腺は小さいけど放射線でガンになりやすい臓器です。
 そこで、等価線量が同じでも、癌になりやすい臓器の被曝は大きく見積もり、そうでもない臓器は小さく見積もることにしておくほうが、全身への被曝の影響をよりよく表現するだろうと考えて作られたのが実効線量です。
 たとえば、甲状腺は体重の1/3000しかないから、臓器の大きさだけで言えば、影響は1/3000にすればよさそうだけど、ガンになりやすいので、全身に対する甲状腺の割合を1/25だとします。つまり、甲状腺については等価線量よりも100倍くらい被曝が多いと考えることになります。
 このように、さまざまな臓器の等価線量に「重み付け」をして、体全体での影響の大きさを表そうというのが実効線量です。


○参考: 組織荷重係数
 実効線量を計算するための各臓器の割合はICRP勧告に出ています。これは勧告ごとに改訂されていて、2007年勧告では

生殖腺 0.08
赤色骨髄、肺 各 0.12
結腸、胃 各 0.12
乳房 0.12
甲状腺 0.04
肝臓、食道、膀胱 各 0.04
骨表面 0.01
皮膚 0.01
唾液腺、脳 各 0.01
残りの組織・臓器 0.12

となっています。
 これはもともとは「ガンによる死亡リスク」を表していたものですが、今は「損害の大きさ」を表すとされています。基本的には死亡リスクですが、甲状腺のようにめったに死なないガンでもガンになるだけで「生活の質」が下がるので、そういう場合も「損害」を考慮しておこうということです。その意味で、すべてを医学的に決めたものではなく、社会状況も勘案して決められています。
1990年勧告と比べると2007年勧告では生殖腺の割合が小さくなって、乳房の割合が大きくなっています。これは乳がんによる死亡リスクが大きくなったというよりは、乳がんになったときの「損失」を重視するようになったということのようです。

4. 外部被曝の実効線量

 外部被曝では、周囲の放射線源から全身に放射線が飛んできます。飛んでいる放射線(外部被曝ではγ線だけ考えればよい)の量を測定して、それが体の中にはいって各臓器にどれだけの放射線が当たるかを計算し、それから各臓器の等価線量を出します。等価線量がわかれば、上に書いた手順で実効線量が計算できます。実際には多くの測定器にその計算があらかじめ組み込まれていて、測定すると実効線量を表示してくれます。

○注: 本当は何を表示しているか
 放射線量の測定器がGyを表示しているときは、実際にはからだへの吸収線量ではなく、空気カーマ率というものを表示しています。Sv表示なら、実効線量ではなく、1cm線量当量といって体表から1cmの深さでの放射線量に当たるもの(きちんとした定義があります)を表示しているはずです。どちらも実効線量より何割か大きい数字になると考えられています。
 こうする理由は、実効線量は放射線がどの方向からからだに当たるかで変わるなど、きちんとは決めづらいからです。実効線量は事実上「測れない量」です(興味があるかたはATOMICAなどで、実用量と防護量について調べてみてください)。放射性セシウムのγ線の場合、1cm線量当量は状況によっては実効線量より50%近く大きい可能性があります。
 どの線量を表示しているかとか、空気カーマ率からの換算のしかたとかが明記されていない場合もあって、混乱させられることも。ただ、ひどくおかしなことをしていないかぎり、予想される実効線量よりはいくぶんか大きな数値を表示しているはずです。

5. 内部被曝の預託実効線量

 内部被曝のときは、放射性物質の種類によって、体の中のどの臓器に集まりやすいかが違うので、被曝のしかたも違います。前に書いたようにヨウ素は甲状腺に集中するし、ストロンチウムは骨に集まり、セシウムは全身の筋肉に分布します。
 ICRP勧告では、種類による違いを考慮するために、食べたり吸ったりした放射性物質が体の中でどう移動してどこにどう集まるか理論的に求めています。それを使うと、放射性物質の種類ごとに、どの臓器がどれくらい被曝するかがわかり、臓器ごとの等価線量が求められます。臓器ごとの等価線量がわかれば、実効線量も計算できます。
 実効線量は外部被曝も内部被曝も同じ方式で計算されているので、いったん実効線量が求められてしまえば、内部被曝か外部被曝かとか、放射性物質の種類は何かとかを気にせずに、ただ足すだけで総被曝量になります。
 ところが、食べたり吸ったりした放射性物質は排泄されるまで体内に留まっているので、そのあいだも体内にある放射性物質から放射線が出ています。セシウムなら、食べた量の半分が排泄されるのに、おとなで100日程度かかります(生物学的半減期が100日程度)。排泄されてだんだん減っていきはするけれども、体内に残っている放射性物質による被曝は続くことになります。
 排泄で体内量が減っていく速さがわかっているので、実は、食べたものが排泄されきるまでに全部でどれだけ被曝するか(実効線量)も実は計算できます。全部排泄されるまで何十年もかかる物質もあるので、排泄されきるまでではなく、食べてから50年間(子どもは70歳まで)の総被曝量をあらかじめ計算してしまいましょう、というのが預託実効線量です。内部被曝については、放射性物質が体にはいった時点で預託実効線量分の被曝をしたものとみなして、総被曝量を計算することになっています。
 食品に含まれる放射性物質による被曝量として報道に出てくるのはこの預託実効線量です。その食品を食べたとしたら、排泄されるまでの総被曝量がそれだけになるよという意味です。
 預託実効線量は、食べてしまった以上は避けようのない将来にわたる被曝をあらかじめ足してしまったものですから、被曝量をこれで考えるというのはいわば「将来にわたる被曝を先取り」したことになります。買い物をして月賦で払うのだけど、どのみち全額支払わなくてはならないので、買った日の家計簿に全額を計上するようなものです。
 セシウムなら3年もすればほとんど排泄されるので、3年分程度の先取りになるだけですが、ストロンチウム90は排泄が遅いので数十年分の被曝を先取りしたことになっています。いっぽう、「50年間分の被曝量」というのを強調しすぎると、セシウムなら実はたかだか3年程度で預託分を実際に被曝してしまうということがわからなくなるので、注意が必要です。セシウムについては、預託実効線量は実被曝量そのものだと考えておくくらいでいいのではないかと思います
 預託を使うのは、防護の観点からは先取りにしておいたほうがより安全に被曝量を管理できることと、食べたものを食べたときに勘定に入れないと大変だというふたつの理由なのだろうと思います。

― posted by きくち at 10:31 am commentComment [213]

γ線だけ測っても(β線を含めた)実効線量は出せるということ

ブログに書くことではないような気もするのですが、ツイッターで質問されたので、ちょっとメモ

ホールボディカウンターであれ食品中の放射性物質量の計測であれ、シンチレーション・カウンターでγ線を測るので、Sr90のようにβ線しか出さない核種は検出できません。それはいいのだけど、「だからCs137やCs134もγ線の影響しかわからない」という誤解があるようで、ちょっとその件について、原理的な話だけ書きます。僕は原理以上のことは知りません。

たとえば、Cs137は94.4%が最大0.51MeVのβ線を出して(最大というのは、β崩壊ではβ線とニュートリノが出るため、ニュートリノがどれだけのエネルギーかによって、その分だけβ線のエネルギーが減るから) Ba137m(mは安定な状態じゃないよという意味)になり、Ba137mは即座に(半減期2.5分)0.66MeVのγ線を出して安定なBa137になります。ただし、Ba137mの10%はγ線を出すかわりに原子内の電子を叩き出す(内部転換。これはβ線ではなくて、原子核の外にもともとあった電子が叩き出される)ので、実際に0.66MeVのγ線を出すのはBa137mの90%です。Cs137の残りの5.6%は最大1.18MeVのβ線を出して直接Ba137になり、γ線を出しません。つまり、Cs137が崩壊すると、その85%がγ線を出すことになります。シンチレーションカウンターが検出するのは、このBa137mが出す0.66MeVのγ線。

いっぽう、ベクレルという単位は「そこにある放射性物質は1秒間に何個が崩壊するか」を表すものなので、核の種類と量によります。同じ核種でも量が二倍ならベクレルも二倍。たとえば、「ここにある肉には何ベクレルのCs137が含まれるか」というようなことを知りたいわけです。ベクレルはあくまでも崩壊する数なので、それがγ線を出す崩壊か出さない崩壊かは関係ありません。したがって、1ベクレルのCs137があれば、1秒間にβ線1個(エネルギーは2種類)とγ線0.85個と原子内からたたき出された電子0.1個弱を出すわけです。

逆に、一秒間に0.66MeVのγ線が何個出てるかが測定できたとすると、γ線を出さなかったCs137が15%あるので、その分だけ増やせば、もとのCs137が何ベクレルあるかわかります。ベクレルが求められれば、どれだけのエネルギーのβ線とγ線が出るかがわかります。

ところで、シンチレーションカウンターはγ線を検出するのだけど、γ線は物質を透過しやすいので、検出されるのはカウンターにはいったγ線の一部です。また、検出器内ではγ線のエネルギーを全部ひとつの電子に与える光電効果(0.66MeVのエネルギーが検出される)のほかに、エネルギーの一部だけを電子に与えるコンプトン散乱もあるので、0.66MeVより低いエネルギーも検出されます。要するに、検出器にはいったγ線が全部0.66MeVで検出されるのではなく、γ線の一部だけが0.66MeVで検出されるというわけ。どれだけが検出されるかは検出器の特性なので、「この機械で0.66MeVが何個検出されたら、それはγ線が何個カウンターにはいったことに対応するか」というのを線量のわかった線源を使って測ってあらかじめ知っておけば、カウンターを使って検出器を通過したγ線の数がわかります。食品を測る装置だと、検出器と検体の配置が決まっているので、さらに「一定時間内に検出器内をγ線が何個通過したから、そのあいだに検体から出たγ線は何個で、だから検体に含まれるCs137は何ベクレル」とか換算できます(本当は検体自身による遮蔽とかも考えるのかもしれません。よく知りません)。ホールボディカウンターなら、人体を模したファントムという人形に量のわかってるCs137を仕込んで、測定値と比較することにより、検出されるγ線の数と体内のベクレルの関係を求めておきます。早野さんたちががんばってやってるのはこれです

というわけで、γ線だけを検出しても、それからCs137が何ベクレルあるかがわかり、そこからβ線とγ線が毎秒どれだけ出るかわかります。なぜかというと、Cs137が崩壊するときに何%がγ線を出すかがはっきりわかっているからです。原理的な話としてはそういうこと。実際にはいろいろあるんだと思いますが

いっぽう、実効線量係数はベクレルを預託実効線量に換算するもので、そこにはγ線の効果もβ線の効果も含まれています。カウンターでγ線を何個検出したかではなく、あくまでも「何ベクレルあるか」から預託実効線量を出すものなので。つまり、測定されたγ線の個数からベクレルを求め、ベクレルから預託実効線量を求めるわけ。
Sr90はβ線しか出さないから、シンチレーションカウンターとは違う方法でベクレルを求めなくてはならず、それが大変なわけですね。でも、Cs137だって、ベクレルを求めるのはシンチレーションカウンターでない別の方法でもよくて、どうやってベクレルを出そうが、それに実効線量係数をかければ、γ線もβ線も含めた預託実効線量が求められます。

話としてはそういうことでいいと思うのだけど、何か間違ってるかもしれない

― posted by きくち at 05:08 pm commentComment [8] pingTrackBack [0]

いろいろなこと

しばらくブログを閉じていました
まとまったことを書く気力がなかったというかな

この間にやったこと
八谷さんの呼びかけで、福島と郡山のみなさんとGCMをやりました
http://gcm-gcm.blogspot.jp/Link
その後に行われた「振り返る会」のustreamが見られます
http://www.ustream.tv/channel/gcm-fukushimaLink

放射線について、不安とか誤解とかデマとかいろいろあるんですが(もちろん、不安はあって当然なんですが)、その一部は放射線そのものがあまりよくわかっていないことに起因するのではないかと考えて、小さな勉強会を何度かやりました
研究室でやったある回の録画を公開しています
http://www.ustream.tv/recorded/22524661Link
から始まる全5本、5時間あります
まあ、いささか不適切な説明とかもしていると思います
資料は
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/texts/Radiation_Benkyokai.pdfLink
不適切なところもあるので、改訂します
勉強会したいというかたは声をかけてください。こんなんでもよければ、ですが

いくつかの雑誌にインタビューされました
理由はよくわからないし、僕が出るのがどうかとも思ったのですが、言えることは言おうかなと思いました
週刊プレイボーイ(タイトルはちょっとどうかと思いました)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120703-00000292-playboyz-sociLink
SIGHT
http://ro69.jp/product/magazine/detail/69588Link

ほかにもなんかあった気はしますが、それはおいおい

― posted by きくち at 09:53 pm commentComment [25]

円城塔 芥川賞

おめでとう!

― posted by きくち at 12:54 pm commentComment [6]

放射線測定器についてひとつだけ

個人的に郡山市に行って友人宅の放射線測定をする機会があったのですが、そのときにふたつの線量測定器を使うことができました。ひとつはHORIBA RADI PA1000でもうひとつはメディキタスCK-3。どちらもガイガーカウンターではなくシンチレーションカウンターでγ線だけを測ります。前者がCsI(Tl)で後者はCsI(TI)+シリコンフォトダイオードとなっています。RADIは友人の知人からお借りしたもので、CK-3のほうは郡山のTSUTAYAで借りました。なんとTSUTAYAで放射線測定器を貸しているのですね。

で、問題は二つの測定器がまったく違う数値を出すことでした。ほとんどの場合にCK-3の値がPA1000よりかなり高い。家の中や庭のいろいろな場所を二台で測ってみたのですが、その傾向は一貫していました。帰宅後にそのデータをグラフに描いてみたのが、この図です

TwoCounters


横軸にPA1000の値、縦軸に同じ場所でのCK-3の値を取って、測定点をプロットしました。まあだいたい、CK-3が0.6μSv/h程度の下駄を履いているということでいいようです。どちらが正しいか、本当は言えないのですが、これまでに測定されている値を考え、また同時に測った宇都宮ガイガーカウンターの数値も考慮して判断すると、まあPA1000は正しそうです。

このCK-3がなぜ高い値を出すのかはわかりません。嵩上げなので、機械内部が汚染されているのかもしれません。レンタル品なので、これまで誰がどう使ってきたかわかりませんから。たとえば、裸で地面に直置きした人が何人もいたかもしれません。
CK-3という機種が悪いのではなく、この個体が悪いのでしょう

この話はこれだけなんですが、要するに、結構すごい数値を出しちゃう測定器もあるから注意しようね、ということです。

なお、ここでの測定値は室内も室外もごちゃまぜです。高いのは庭の土の部分でした。震災以降、ほぼ手付かずだったようで、そのせいか、地上高1mでも高いところは高い。
測定時のビデオがあるので、いずれ公開します

― posted by きくち at 01:01 pm commentComment [45] pingTrackBack [0]

ノーモアヒロシマズについて

原爆の悲劇を「ヒロシマ」や「ナガサキ」というかたかなで表す習慣は、ノーモアヒロシマというスローガンから来ていると思われます。これには英語の原文があり、日本語表記がかたかななのは元が英語だからなのでしょう。このスローガンから、やがてヒロシマという単語だけが切り出され、また長崎も同様だとしてかたかなになったものと思われます。

しかし、No more Hiroshimaは英語としておかしいという指摘があります。で、僕は以前のブログ記事にコメントとして、原文はNo more Hiroshima's.という所有(広島の悲劇のような)らしいと書いたのですが、これは大きな思い違いでした。

中国新聞社の「10代がつくる新聞」というサイトの記事に出典が書かれていて

http://www.chugoku-np.co.jp/hiroshima-koku/exploration/index_20081111.htmlLink

これによると、元はPacific Stars and Stipesの記事だそうです。元が英語なので、これをスローガンにする際「ノーモアヒロシマズ」とカタカナにしたのでしょう。そこからいつのまにか「ズ」が取れてしまったのですが、英語としてはこれはおかしい

twitterで紹介していただいたブログ

http://aczog.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-9de2.htmlLink

にはマーク・ピーターセンさんが、「ここは複数にしないと英語としておかしいよ」と言っていると書かれています。ちなみに、このブログで紹介されているピーターセンさんの『日本人が誤解する英語』は持ってます。ピーターセンさんの本はたぶん三冊持ってる。身についてませんね

というわけで、Pacific Stars and Stripesの1948年3月6日号から(「10代がつくる」には3/5の記事と書かれていますが、3/6の新聞です)、Rutherford Poats記者の"Rev. Tanimoto Arrives To Launch Campaign"という記事です($4.95払って記事アーカイブへの一日アクセス権を買いました)。歴史的な記事なので、全文引用してもいいかなあという気もしますが、問題の文が出てくる冒頭第一パラグラフのみ

........................
The Rev Kiyoshi Tanimoto, American-educated hero of John Hersey's "Hiroshima,'" arrived here yesterday to launch his campaign to set August 6 as World Peace Day, commemorating the anniversary of the first use of the atom bomb and expressing the worlds hope that there will be no more Hiroshimas.
......................

最後のところ、"expressing the worlds hope that there will be no more Hiroshimas."が、No more Hiroshimasというスローガンの原典なのでしょう。

複数形のHiroshimasは「広島のような悲劇」という意味で使われていますが、この複数の使い方はいささか難しいというか、僕の英語力では言われないとわからないという感じです。

いずれにしても、英語の原文があり、そこから英語のスローガンが作られ、それがかたかなで表されるようになった。しかも、実はもともとHiroshimasだったものがいつのまにかヒロシマになったという歴史のようです

― posted by きくち at 06:13 pm commentComment [18] pingTrackBack [0]

フクシマとは書かないし、311は原発事故のことじゃない

「フクシマとは書かない」と以前書いた。
フクシマと書く人たちがいったい何を考えているのか僕は知らないけれど、この書き方はそこに現に人々が生活しているという事実をどこかに捨てて、ひどく抽象化した何かを表しているように感じる。
福島には人々が暮らしているが、フクシマはそうではないように思うから、フクシマとは書かない。

先日、「311」という言葉で原発事故を表現する人たちがいるね、という話になった。
もしかすると、僕もそういう使い方をしたことがあるかもしれない。
もちろん、それはだめだ。
2011年3月11日は多くの人々が原発とは関係なく亡くなり、さまざまなものが失われた日だ。

日付の数字で何かを表そうとすること自体が問題かもしれないのだけど、それはそれとして、僕たちは「311」という言葉を決して「原発事故」と同義であるかのように使うべきではないのだと思う。
もしかすると自分でもそうしてしまったかもしれないので、自戒も含め

― posted by きくち at 08:23 pm commentComment [35] pingTrackBack [0]

Christopher Busby Foundation for Children of Fukushimaからの訴訟予告

よくわからない話ですが、Christopher Busby Foundation for the Children of Fukushima (CBFCF) という組織が、僕を含む何人かに対して刑事告発と民事訴訟を準備しているのだそうです。

ひとつはこの「御用学者発言撤回訴訟」

http://megalodon.jp/2012-0111-0705-32/www.cbfcf.org/%E8%A3%81%E5%88%A4-%E5%BE%A1%E7%94%A8%E5%AD%A6%E8%80%85%E7%99%BA%E8%A8%80%E6%92%A4%E5%9B%9E%E8%A8%B4%E8%A8%9F/Link

書かれていることによれば、

........................
今回、神奈川県より、ストロンチウムが検出された問題で、当会は、以下の方々に対し、『発言撤回及び公式謝罪要求訴訟』を行う事に致しました。

これは、以下の方々が、テレビや新聞・インターネットなどを通じて、公の場で、無責任な発言した為に、多くの方々が、避難できなかった事実を踏まえ、これらの発言の撤回及び公式謝罪要求の訴訟を行う事を決定いたしました。
.....................

あまり要領を得ないのですが、訴訟対象として

..................
【プルトニウムやストロンチウムは重いので遠くへ飛ばない。】との発言を行った方々。


中島健(京都大学原子炉実験所教授)、
野尻美保子 (高エネルギー加速器研究機構(KEK))
菊池誠
加地辰美(防衛医科大学病院放射線部技師長)
中川恵一(東京大学病院放射線治療チーム)
石川迪夫(日本原子力技術協会最高顧問)
..................

と書かれています。ちなみにこれは随分以前からあった文書で、以前は僕の代わりに片瀬久美子さんの名があったはずです。脅すばかりで訴訟には至っていないということでしょう。

................
CBFCFは、連名にて訴訟を行う方々を募っております。
...............

とあるので、賛同者が集まらないのでしょうか。集まらないのはまったくかまいませんが、「訴訟するぞ」と書くだけ書いて脅すだけっていうのは、いいんですかね。

それから、もうひとつが新しいほうで、「サイバー犯罪・サイバー暴力・威力業務妨害・名誉棄損・恐喝」だそうです

http://megalodon.jp/2012-0113-1344-06/www.cbfcf.org/Link

書かれていることによると

........................
CBFCFは、当会の理事3名に対し、執拗に嫌がらせ行為・及びストーカー行為をおこなっていた山形大学(学長 結城 章夫)の天羽優子並びに片瀬久美子並びに堀田昌宏・高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木 厚人)の野尻美穂子・大坂大学サイバーメディアセンター(センター長中野 博隆)の菊池誠に対しサイバー犯罪・サイバー暴力・威力業務妨害・名誉棄損・恐喝に対する刑事告訴と損害賠償請求(1億6千万円)の民事訴訟をすることに致しました。
......................

なのですが、その下のほうには

........................
CBFCFは、当会の理事3名に対し、執拗に嫌がらせ行為・及びストーカー行為をおこなっていた山形大学(学長 結城 章夫)の天羽優子並びに片瀬久美子並びに堀田昌宏・高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木 厚人)の野尻美穂子・大坂大学サイバーメディアセンター(センター長中野 博隆)の菊池誠に対し刑事告訴と損害賠償請求(1億6千万円)の民事訴訟をすることに致しました。

この5名は、自信のブログやツイッター内で、当会の理事及び理事の会社に対し全くのデタラメを公言し威力業務妨害・誣告罪・名誉棄損・損害賠償請求をおこなう事に致しましたので、ご報告させていただきます。驚くことに、この者達のすべてが、政府関係施設で働いています。
.........................

とも書かれているので、どの罪で刑事告発して、何が民事なのか、今ひとつはっきりしません。
とはいえ

..........................
当然なことながら学長や理事長やセンター著などは、大変、良識的な方々であります。

しかるに、これら非常識なものを断罪しないのであれば、それは、いかがなものか?と首をかしげたくなります。

そこで、当会は、最初、これらの学長やセンター長などに対し、配達証明付き内容証明を送ることにたしました。
......................

だそうなので、サイバーメディアセンター長宛てに何か届くのかなと思います

クリス・バズビーという人はご存知のようにECRRのトップ(たぶん)で、日本に来て放射能測定してみせたり、カルシウム・サプリメントがセシウムの害を防ぐと言ったり、まあ正直怪しい人です。ECRRだからというので、信じる人も多いのですが、先日はイギリスのガーディアン紙が彼に関する疑惑を大きく取り上げて話題になったので、もう「過去の人」でしょう。信じるに値する人ではないという判断でいいかと思います。

えーっと、ガーディアンはこれでいいのかな

http://www.guardian.co.uk/environment/2011/nov/21/christopher-busby-radiation-pills-fukushimaLink

その名を冠したCBFCFからの「訴訟予告」なのですが、どうやらクリスはCBFCFと縁を切ったようで、何がなんだかわけのわからない状態になってはいます。

それでも、CBFCFが訴訟予告をしているという事実はあります。むろん、こちらはサイバー犯罪に相当するようなことはしていませんし、そういう言いがかりをつけられては困ります。サイバーメディアセンターというセンターに所属しているのですから、そういう問題を起こすわけにはいきません。まったくの言いがかりです。
訴訟するというからにはするのでしょう。たぶんね。こちらに特にやましい点があるわけではないので、粛々と対応するだけですが。

なんというかな、いろいろなことがありますね。

仮にも「福島の子どもたち」という言葉を掲げるのなら、もっと本当に福島の子どもたちのためになることをしたらいいのではないかと思いますよ。ほんとに

― posted by きくち at 07:07 pm commentComment [96]

野呂美加さんと「チェルノブイリへのかけはし」についてもう少しだけ

日本保健物理学会のサイトの「暮らしの放射線Q&A」に「チェルノブイリへのかけはし」に対する見解が掲載されました。

http://radi-info.com/q-1243/Link

質問者のかたはどちらが正しいのか真剣に悩んでおられるのでしょうし、なにしろあまりにも見解が違うので、おそらくはほかにも同様の質問は寄せられてのでしょう。そのいっぽう、答えるのも大変かなという気がします。慎重な表現に終始しつつ、野呂さんの話は普通の見解とは違うよと言っています。

前にも記事を書いたように、野呂さんが言っていることや書いていることは基本的におかしいし、まあだいたいはでたらめと言っても過言ではないだろうし、少しくらい正しいことを言っている場合があるとしても、だいたいはでたらめなんだからと無視しておくほうが害が少ないくらいだと思います。僕なら、野呂さんの発言のいい点を探す労力をかけるより、あっさりと全部を無視することをお勧めします

野呂さんはあいかわらず精力的に「お話会」をされているようです。中身さえでたらめでなく、ありもしない恐怖をいたずらに煽るものでなければ、すばらしいことです。科学者も本当はそのくらいしなくちゃならないのでしょう。世の中に野呂さんはひとりで、科学者はたくさんいるのに、どうしてそうならないのだろう、とは思います。とはいえ、残念ながら、野呂さんではだめだ。もちろん心配なことはあります。本当に心配すべきことはあるのですが、野呂さんが言っておられるのはほとんど妄想上の恐怖というべきで、不安を抱えるお母さん方にその妄想上の恐怖を伝染させるのは、とてもじゃないけど認めがたい行為です。
善意と正義感によるのでしょうけど

もちろん、どの程度心配するのかは人それぞれ自由なのですが、やはりいちおうはそれなりに認められている知見に基づいて心配したほうがよいのではないかと思います。妄想上の恐怖をもとに心配するのは、いかに自由だとは言っても、あまりお勧めしたくはない。特に東京あたりでは、ちょっとした注意程度で済ませられるはずですし、実のところ無頓着でも問題はないでしょう。それを恐怖に脅えて過ごすのは、かなりやりすぎだと思います。野呂さんを真に受けて、子どもの行動を制限したり、食事を制限したりすることがあったら、それこそ放射能よりもずっと大きな害があるでしょう。それがこわい

東京あたりでは、たぶんこれから、「まあちょっと注意すればいいんだろうな」という考えの人が増えるでしょう。何も起きませんから。起きるとすれば、世田谷の事件のように、原発事故とは無関係の放射性物質が発見される可能性のほうが高い。
もちろん、世田谷のラジウムは大変なできごとでした。一部には福島原発由来でないと知ったとたんに安心したり無視したりした人たちもいたようですが、そんなことはありません。あれは原発由来のセシウムなんかより(東京では)圧倒的に危ない。原発からのものでなければ気にしないというのは、大きな間違いで、あんなものすごい放射性物質が民家にあったというのは本当に「日常に潜む脅威」です。

それはさておき、これからはちょっとした注意でいいやという人やまったく無頓着な人が増えていきます。東京なら無頓着でも特に問題はないはずです。でも、野呂さんを信じて脅える人たちもいなくなりはしないのでしょう。そういう人たちが周囲から孤立していくのが僕はとても心配です。
そうならないためには、やはり野呂さんのようなかたの妄想には付き合わないようにするしかないのかな、と思います。いや、難しいですけど。
野呂さんを信じているかたがたが、もう少し普通の人たちの意見に耳を傾けてくれるといいのですが

孤立させないことが何より重要なのではないかと思います

社民党の福島瑞穂さんなども、どうやら野呂さんに好意的らしいのですが、公党の党首がそれはまずいです。非常にまずい。そうではなく、強い不安を抱えるお母さんたちをどうすれば孤立させないで済むかを考えてもらいたいところです。

― posted by きくち at 07:13 pm commentComment [545] pingTrackBack [0]

初めてのかたへ: 「通りすがり」「匿名」等、発言者の同一性がわからないいわゆる「捨てハンドル」での コメント投稿はお断りしています。本名は求めませんが、区別のつくペンネームを使ってください。 また、単なる罵倒みたいなコメントは消しますし、言葉尻を捉えた「議論のための議論」も適当に消したりします。 なお、人間ではない「何か」が意味のない(しかし、巧みに人を いらだたせる)議論を書き込むことがしょっちゅうあります。 地縛霊とか座敷童みたいなものです。僕も正体を知りませんが、機械のような反応なので、人工知能かもしれません。 このブログの環境だとあきらめて、相手にしないでください。スルー力検定というやつです。
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