201012のブログ

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カテゴリー別記事一覧

2010/12/30 「ZERO 9/11の虚構」(いまさらですが)
2010/12/30 宮崎県の口蹄疫対策でEMに農水大臣から感謝状
2010/12/25 すべての科目に道徳を
2010/12/24 K2レメディ訴訟の和解とその後
2010/12/12 地球温暖化問題つづき
2010/12/10 12月の「かわいい物理」は平松式人工雪実験
2010/12/09 掛け算の順序問題について(山のように追記あり)
2010/12/05 Loose Change vs. Popular Mechanics
2010/12/05 ケプラーの法則
2010/12/05 有用微生物群実験隊
2010/12/02 「ニセ科学とつきあうために(2010版)」

2010/12/30 「ZERO 9/11の虚構」(いまさらですが)

カテゴリー: 陰謀論,9.11陰謀論

9.11陰謀論映画「ZERO」

http://zero.9-11.jp/index.html

もうとっくに上映されているし、911関連のエントリーでも以前からコメントがありますが、大阪はなんとテアトル梅田での上映が決まっているとのことで、あらためて、ちょっとだけ。

一般的評価はなんの新味もない焼き直し映画というところでしょうか。スティーブン・ジョーンズがインタビューに答えているところが、僕には興味深いです

この映画についてはすでにmsqさんのサイトに「ビデオ『ZERO:9/11の虚構』について」という詳細な分析が掲載されています。例によって労作です。

http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/zerov.html

まずはこれを読むところからはじめればいい(というか、普通はそれで充分)でしょう


2010/12/30 宮崎県の口蹄疫対策でEMに農水大臣から感謝状

カテゴリー: ニセ科学,EM菌

宮崎県の口蹄疫騒ぎの際、比嘉さんが無責任にも「EMを使えば大丈夫」発言をしていたわけですが、あろうことかその件で農水大臣から感謝状が出たのだそうです。

EMのサイトで比嘉さん自身が書いています。

http://www.ecopure.info/rensai/teruohiga/yumeniikiru40.html

読んでまず驚かされるのはこれ

.....................

私はなぜ、「絶対に大丈夫」という発言をしたのか、ということです。

EM関係者の間では広く知れ渡っているように、EMは結界をつくる性質があります。畑の4隅に、EMセラミックスやEM1号の活性液をペットボトルに入れてつり下げておくと、カラスはまったく来なくなり、ヒヨドリ等もほとんど侵入しなくなります。同時に、その内側にある作物がいつの間にか安定的に生育するようになります。もちろん、4隅だけでなく、畑を囲むように4〜5m間隔につり下げるとさらに効果的です。

畜産農家でEMを使い悪臭が外部に広がらなくなると、かって悪臭が感じられた範囲にEMのバリア(防護帯)が形成され、その中には口蹄疫のウイルスをはじめ鳥インフルエンザなどの有害な微生物の侵入をくい止める場が形成されます。EMを使っている農家は絶対に大丈夫と発言したのは、そのためです。

.......................

うーん、ペットボトルにいれて吊り下げておくと結界ができるというのは、完全にオカルトの世界ですが、もし本当になんらかの効果があるのだとすると、中身はただの水でもいいのでしょう。猫よけにペットボトルというのは現代の迷信らしいのですが、カラス除けにCDを吊るすなんてのもあります。そのたぐいの効果はあるのかもしれません。EMが「場」を作るというくだりは、ニューエイジの典型的な説明を借りてきた感じです。

いや、笑っている場合ではなく、驚くべきなのは、これほど薄弱な根拠で口蹄疫対策ができると断言してしまったこと、そして、それを信じた人たちがいることです。これ、オカルトでしょう。というと、儀式の手順もなにもきちんと決まっていませんから、本当のオカルトの人には怒られそうですが

口蹄疫対策でどれほどの人間がどれほどの努力をしたのか、残念なことに東京中心のメディアは比較的冷淡であまり実情が伝わらなかったと言われますが、ツイッターでは農水省の原田英男さんが刻々と事態の推移を伝えるとともに、さまざまな質問に答えてくれ、事態の深刻さを知ることができました。

それに対し、この完全に妄想だけで「対策万全」と言ってしまえる無責任さには怒りをおぼえます。では、EMは効いたのか

.....................

電話でえびの市の畜産農家のEM活用件数と各々の分布状況を確認した時点で、えびの市全域にEMによる結界ができていることを感知し、これで、えびの市は大丈夫であるという結論を出しました。

私は、このような背景から「えびの市は、これ以上感染が広がることがなく絶対に大丈夫です。しばらく状況を見て欲しい」旨を、口蹄疫の対策本部長の山田正彦農水副大臣(当時)に直接電話でお伝えしました。えびの市は、その後、感染が拡大しなかったので別途対応ということになり、一足先に清浄化宣言がなされました。

.....................

これ、EMとなんの関係もないですね。

しかし、山田副大臣は「比嘉先生の言われていることは十分に理解できたが、これを役所の専門家に理解させるのは、極めて困難」と言ったとのことで、山田副大臣には理解されてしまったそうです。もちろん、これが今回、感謝状を出した農水大臣(当時)です。

まあ、その後の悪臭対策のほうは微生物が効いた可能性もありますけど、防疫のほうは完全に単なる妄想です。逆にいうと、悪臭対策だけにしておいてくれれば、「そういうこともあるかもねえ」だったんですが、ウィルス対策になるという主張までされては非難せざるをえないでしょうねえ

いつもの話ですが、こういうものに感謝状を贈るというのは、なんというか、まじめに対策をしてきた人たちをひどく馬鹿にした話ではないでしょうか。

自衛隊がEMに強力したという記述はじめ、事実確認ができるといいですけれども、まあ、そういうことです

万が一また口蹄疫なりなんなりが広まる事態になったとき、「EMで結界」とか言っているあいだに蔓延してしまったら大変なので、真に受けないように

[追記]

毎日新聞宮崎版のコラムに当時の様子が石田宗久記者の署名記事としてちょっと書かれています

http://mainichi.jp/area/miyazaki/news/20101228ddlk45070387000c.html

山田副大臣は単に邪魔をしに行ったとしか思えませんね

[追記]

まあ、感謝状は結構たくさん出てるんだということではあると思います。ボランティアで強力したかたがたとか、さまざまな企業とか。そういう意味ではボランティア活動に対する感謝状なのでしょう。ただ、どんな感謝状であれ、このように利用される危険はいつだってあるわけですね


2010/12/25 すべての科目に道徳を

カテゴリー: 教育

掛け算のエントリーにコメントがありました

「新しい学習指導要領」総則

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/syo/sou.htm

より

................

2. 学校における道徳教育は,道徳の時間を要として学校の教育活動全体を通じて行うものであり,道徳の時間はもとより,各教科,外国語活動,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて,児童の発達の段階を考慮して,適切な指導を行わなければならない。

................

この「各教科」は算数や理科や社会も含むのでしょうか。

そうだとすると、算数や理科の「特質に応じて」、どうやって道徳教育をするのでしょうか。

「水からの伝言」授業などを思い出すと、とても不安ですが・・・


2010/12/24 K2レメディ訴訟の和解とその後

カテゴリー: 日 記

ビタミンK2の代わりにホメオパシーのK2レメディを飲まされた子どもがビタミンK2欠乏症で死亡した事件の民事訴訟は、問題の助産師と母親とのあいだで和解が成立しました

http://www.asahi.com/health/news/SEB201012210082.html

和解関連部分を引用すると

..........................

助産師側が女性に和解金を支払うことで合意したことが21日、分かった。和解金は数千万円とみられる。

.........................

関係者によると、和解には「内容を口外しない」との条件が含まれており、和解の理由や金額について、双方の代理人は「話すことはできない」と答えた。

........................

だそうです。口外しない条件なのに和解金が推定できいてる理由はよくわかりません。

裁判を続けるのは大変でしょうから、和解したのは結構なことだと思います。数千万の和解金という観測が正しいとすれば、実質的には勝訴に近いのでしょう。

ただ、勝手な感想を書かせてもらえるなら、「内容を口外しない」条件が残念でした。ここで和解内容が明らかになれば、今後のホメオパシー対策にも有効だったかなとは思います。いや、これは当事者ではない人間が強く主張できることではありませんので、あくまでも勝手な感想です。

ところで、ホメオパシー側はこの「内容を口外しない」「敗訴ではなく和解」という事実をいいことに、既に好き勝手なことを主張しています。

日本ホメオパシー医学協会のウェブサイトに掲載された「ホメオパシーでは死んでいない」という記事です。

http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html">http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html

たしかに、ホメオパシー自体では死んでいません。ホメオパシーを使い、正しい医療をしなかったから、子どもがひとり死んだわけです。僕たちはそれを「ホメオパシーのために死んだ」と表現しますし、それはなんら間違っているとは思いません。

レメディそのもので人は死ななくても、レメディを使ったことで人が死ぬ可能性はあるのです。

それを認めることができない時点で、「日本ホメオパシー医学協会」には「医学」を名乗る資格などないのだと言い切ってよいでしょう。

以下、前エントリーに書かれたかとうさんのコメントを再録します

....................................

http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html">http://www.jphma.org/About_homoe/jphma_answer_20101222.html

なんか、原告(お子さんを亡くされた親御さん)、被告(助産師)を和解条項で口をふさぐ事に成功したので、言いたい事を好き勝手に言ってますね。しかし、第三者の自分達が言えるって事は、他人も言えるって事なので、こちらも言いましょう。以下引用は該当webページからです。

>JPHMAとしては、裁判中であったため、本件に関しては当初からコメントを差し控えてきました。

当事者じゃないから、別に日本ホメオパシー医学協会が控える必要は最初から無かったんですけどね。それとも、当事者になる可能性があるという認識だったんでしょうかね。あるいは、被告側弁護士とコンタクトを持ったり、賠償金を一部負担したりする密約でもあったのでしょうか。

>和解は裁判所で判断したのではなく、原告と被告との間で話し合いにより解決されたということであり、死亡の原因ははっきりしておりません。

そもそも、死亡原因は、裁判所で決めるものではないです。死亡診断書を作成する医師の所見です。それに異議があるのなら、別の医師の鑑定を必要とします。

また、死亡原因の特定を民事訴訟の目的とすることは出来ないです。

訴求された事に対する妥当性をはかるために、死亡原因の事実認定が必要とされた場合以外は、訴訟において死亡原因を事実認定することはありません。

また、異なる二つの医学的所見を原告、被告両方が出してきた時のみ、裁判所は事実認定をする事となります。

そして、その事実認定とは「真実」を決めるわけではありません。

>この見出しを人が見た場合、ホメオパシー療法で死亡したと思うことでしょう。

確かにそれはあります。ここは、予防接種やビタミンK2の投与等の通常医療を忌避させる「日本ホメオパシー医学協会」の指導が原因だったと、報道には踏み込んで欲しかったです。標準医療に基いた予防行為とレメディ投与を並行して行っていれば防げた事件でした。

>本ホメオパシー医学協会は本件に関してまったくの事実無根な記事として、また医療行為を怠ったとする報道に対して、抗議します。

この主張が出来るのは、助産を行った助産師だけだと思います。協会が助産師の代弁者であってこの発言を真相だというのであれば、和解条項に違反していますし、代弁ではなく協会の推測だとするのであれば、報道機関と同レベルであり、真相ではありませんね。

一体どちらなんでしょうかね?


2010/12/12 地球温暖化問題つづき

カテゴリー: サイエンス

地球温暖化が長くなりすぎたので、続きです

関係するコメントはこちらにお願いします


2010/12/10 12月の「かわいい物理」は平松式人工雪実験

カテゴリー: イベント・告知

僕が勝手にやっている物理講座

「文系女子のためのかわいい物理」

12月はクリスマスなので平松式人工雪実験をします

12/16(木)の夜に本町のWorkroomAにて

たくさんあるはずの実験道具が見つからず、捜索中ですが


2010/12/09 掛け算の順序問題について(山のように追記あり)

カテゴリー: 教育

いくつものブログやツイッターで「掛け算の順序」が話題になりました。

これについて、すでに少々時間が経ってしまったきらいはあるのですけど、考えたことなど、書いてみます。

問題の発端は、ある小学校での掛け算の文章題です。実際の問題はトリッキーな引っ掛け問題になっていて、そこについても議論があり、それはそれで重要です。でも、ここでは素直な問題になおして考えることにします。

問題「リンゴが3個置かれた皿が5枚ある。リンゴは全部で何個か」

これを掛け算で解くわけです。答はもちろん

式: 3×5 = 15 答:15個

でいいのですけど、これを

式: 5×3 = 15 答:15個

と書いたらどうか。

掛け算には交換則が成り立つので、どちらでも正しいはずです。ところが、解説によれば「式を作る」段階では後者は誤りなので「ダメ」とのことでした。

どうも、初等教育の一部では、交換則が成り立っていても、式を作る際には決まった順序がある、という了解事項があるようです。これを「ダメ」にしない先生もいるので、必ずしも絶対的な決まりではないのですが、いっぽうには強硬に「ダメ」と考える先生もおられる。ダメとする理由は、要するに「逆に書くのは掛け算の考えかたがわかっていない証拠だから」ということみたいです。

これはいくつかの問題を含んでいます。とりあえず、大前提として、3×5 = 5×3 は明らかなので(これも明らかでないと言うような「高尚な」話はここではなんの意味もない)、それを踏まえてもなお(1)文章題から掛け算の式に直すときに、「正しい順序」などというものがあるのか(2)書く順序で「考えかた」が測れるのか、のふたつが問題でしょうか。しかし、おそらく(2)は「無理」でしょう。考えかたを知りたければ、きちんと言葉で書かせればいいわけで、なにも式の順序なんかで測る必要はありません。というわけで、ここでは(1)の問題をとりあげます。

なお、元の話は逆順の答案にバツをつけたというものなので、「バツ」の意味をどう捉えるかという議論もあります。バツをつけてから理由を説明すればいいとか、いろいろな意見があります。しかし、僕の意見は「どちらの順に書いても、無条件に正しい」です。どんな意味の「バツ」もありえず、「無条件に正しい」です。

この「掛け算の順序問題」は何十年も前から時折盛り上がる議論のようです。ただ、昔は「掛ける数」「掛けられる数」の順序の議論だったのに対し、今は「いち単位あたりの量」と「いくつ分」の順序の問題になっているのですね。

どうやら、現在の掛け算教育はいわゆる「水道方式」の考えかたに基づくようです。水道方式が強く批判されていた時代を思い出すと、隔世の感・・・って、あまりよく知りませんが。

そこで、水道方式による教えかたについて、遠山啓などの書いた本にあたってみました。古書店で立ち読みしたので、文献は引用できません。すみません。

水道方式以前の方法では、「累加」つまり「3を5回足す」という意味で掛け算を導入します。水道方式の説明では、このやりかたでは「0回足す」や「1回足す」に出会ったときにつまづくのが問題、とされているらしいのですが、それは累加で教えない理由としては瑣末にすぎるように思います。もっとも、遠山の考えはもっと深いところにあるようで、「量の概念の導入」が強調されています。

水道方式では掛け算を

「いち単位あたりの量」×「いくつ分」

で導入します。上の問題でいうと「皿一個あたりのリンゴの数」×「皿が5枚」です。遠山の本では、式の書き方はいろいろありうるが、単位あたり量であることがわかるように「単位」を書くのがいいだろうというふうに書かれていました。つまり

式: 3(個/枚)×5(枚) = 15(個) 答:15個

みたいな感じ。こういうふうに単位(というべきかどうか)を書けば、何をしたかは明らかなので、

式: 5(枚)×3(個/枚) = 15(個) 答:15個

でも考えかたはわかります。もっとも、遠山の本では順序を慎重に守っていて、逆順の例は見つかりませんでした。たぶん、遠山自身は「この順序で定義した」と考えているのでしょう。ただ、「逆ではいけない」とも書いていないようです。どのみち、すぐに交換則が導入されます。

いっぽうで遠山は逆順も間違いではないことを指摘しています。といっても交換則を使うのではなく、「いち単位あたりの量」×「いくつ分」の順番は変えない。僕が見た例では、うさぎの耳を挙げて、「1匹あたり耳は2」×「5匹」でも「片耳が5」×「両耳分」でもいいと説明していました。たとえば今の例では、「リンゴを1個ずつすべての皿に1回配る」×「配った回数」と考えてもいいということです。少なくとも、このふたつの考え方に優劣があるわけではなく、どちらでもいいというのが遠山の考えだと思います。

これは「交換できるんだから、どちらでもいい」という僕の意見とは違うのですが、しかし、「順序は任意」であることには違いないようです。

いずれにしても、これはあくまでも掛け算の「導入時」の教え方の問題です。初めて掛け算を習うときには、いろいろつまづく点があるので、どのように教えるのが最もよいかについては、長い議論があります。結果として今は水道方式が主流なら、それはそれでいいのだと思います。僕にはそれ自体を云々するだけの知識も蓄積もありません。

どのみち、「いち単位あたりの量」×「いくつ分」でいつまでも押し通すわけにはいかないし、よしんばがんばってそういうロジックで通したとしても、それほどいいことはないでしょう。分数×分数を無理やりそのロジックで説明しようとするのが、建設的とも思えません。あくまでも導入時の論理だと思います。

しかし、どのように導入しようと、3×5 = 5×3であるという事実は変えようがありません。交換則を習おうが習うまいが、交換則は成立しています。「実数同士の掛け算は順序によらない」は「習ったから成立する」というものではなく、実数の掛け算の基本的な性質ですから。

文章題を数式に直すときには順序が決まっている、などというのは、誰かが勝手に言っているローカルルールに過ぎません。これは「日本だけのルール」それも「日本の初等教育だけのルール」です。最初の教え方としてはかまいませんが、日本だけのルールを「正しいルール」であるかのように押し付けられては困ります。

3×5と書いていいものは、5×3と書いてもいいはずです。それは、なんの留保条件もなく「正しい」はずです。正しいものを「なんらかの意味で適切ではない」とする教え方がいいとは僕は思いません。交換則を習っていようが習っていまいが、正しいものは正しいので、これはどうしようもありません。

僕が言っているのは、「本当は順序が決まっているが、考えかたさえ合っていれば、逆順でも正解にすべき」とかいうことではなくて、「無条件にどちらも正しい」です。「どちらがより適切」もありません。どちらも同様に適切な解です。

もし、考えかたが正しいかどうかを知りたいから順序を気にすると言いたいかたには、「どちらの順序で書いてあったとしても、それだけでは考え方が正しいかどうかなどわからない」と言っておきます。「正しい」順序で書いているからといって、考え方が正しいかどうかなんてわかりません。

ところで、この話の議論を見ていると、中には「割り算や引き算には順序があるから、足し算と掛け算も順序をつけたほうがいい」と主張する人もいました。これはあんまりだと思うので、それでは「ダメ」と言っておきます。実数の足し算と掛け算が順序によらないのは、基本的性質です。割り算や引き算には順序があり、足し算と掛け算は順序によらない、と教えるのが筋です。

さらに謎な意見としては、実数なら順序によらないが、行列では掛け算も順序によるのだから、順序があると教えておいたほうがいいというものもありました。小学二年生に掛け算を教えるのに、行列のことまで考える意味がどこにあるのかまったく理解できませんが、「実数なら交換できて行列なら交換できない」と教えればいいだけのことです。他の問題を持ってきてもしかたありません。

ちなみに、行列だって転置してしまえば逆順にできます。実数の掛け算を逆順に書くことが、行列では「交換」にあたるのか「転置」にあたるのかは、決まっていません。

いずれにしても、掛け算の交換則は小学二年で習います。つまり、割り算や引き算や行列の例をどれほど持ち出したところで、小学二年のうちに、「掛け算は順序によらないもの」と教えられるのです。この手の「割り算や引き算は」とか「行列は」とかいう意見は、本題とはまったく関係ない議論であるわけです。

[追記]

「順序をつけて教えるな」と言っているわけではありません。最初は順序を決めたほうが子どもが理解しやすいというなら、それでいいのだと思います。問題は、「そのように教えたから、それ以外の解は適切ではない」という考えかたです。どのように教えようと、「正しい解は正しい」としか言いようがないので、教えた順序で書かなくてもなんら不適切ではありません。

順序をつけて教えれば、交換則を習う前なら、大多数の子どもは教えられたとおりに書くでしょう。しかし、中には違う書き方をする子もいるわけです。それは、交換則を知っているからかもしれないし、違う流儀を好んでいるからかもしれません。もちろん、なにか勘違いしているかもしれない。でも、教えられたとおりに書いたって、勘違いしているのかもしれない。

だいじなのは、「どう教えたにしても、それ以外の書き方も正解である」ということで、「正しいものは正しい」で話は尽きています。

[追記]

たとえば、小学生レベルの算数では○でも大学生の数学なら×になるような例はいくらでもあります。これは、高度な数学を習うにつれて、要求が精密になるからです。しかし、小学生レベルの算数で×だったものが大学生の数学では○などということは、あってはいけないはずです。

[追記]

えーっとね、「試験で×にされた」とか、そういう話をしたいわけではないんですよ。「ひと皿に3個のリンゴ、皿は5枚」という設定が試験に出ようが出まいが、そんなことは瑣末なので。

問題にしたいのは、それを「3×5」と書くか「5×3」と書くかには「決まりがある」と信じている人が少なからずいることです。実際にはそんな決まりなどどこにもなく、「3×5でも5×3でもよい」です。そんなものは自分の好き嫌いで決めればいい。

実際は「どちらでもいい」なのに、「どちらでもいい」ことを嫌って「いっぽうが正しい」と言う人が少なからずいることに危機感をおぼえているのです

[追記]

上に、今は「いち単位あたり量」×「いくつ分」と教えるらしい、と書いたとおり、掛け算の「意味づけ」はそのときどきの「教育界での主流」によって変わるようです。この事実ひとつだけでも、「意味づけ」が単に「教えるための便法」であることは明らかです。それは掛け算の本質とは別の「教え方」の問題にすぎません。教える際の意味づけはひと通りではないし、そしてその「意味」はいつまでも引き摺ってはいけないものなのです。

「教えるための便法」とさえ認識していれば、こんなわけのわからない問題が起きるはずはないんですけどね。

いったんそう決めてしまうと、それがドグマになってしまい、なぜそう決めたかという本質的な理由が見失われてしまうということでしょう

[追記]

黒木さんもだいたい僕と同じこと(だと思う)を書いていました

http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/LaTeX/20101123Kakezan.html

僕と違って、懇切丁寧

[追記]

難しい数学の話はしていません。

掛け算を最初に習う小学二年で交換則も教えられます。ですから、小学校で習う掛け算は「可換な演算」です。また、整数以外の掛け算も小学生のうちに習います。その程度の範囲での話です。

また、小学生は演繹的な証明を求められません。「交換則を証明する前に使ってはいけない」という意見もツイッターで見ましたが、そもそも小学生は証明しません。そういう小学生に何を求めているのかわからない議論は、この話とはなんの関係もありません。

[追記]

「数学的に正しいものは正しい」という書き方を過剰に読み取ろうとするかたが少なからず(コメント欄だけではなく)おられるようなのですが、「数学的に正しい式なら何を書いてもいい」などというナンセンスな話はしていません。数学的に正しい式だけを並べて「数秘学」を行うことはいつでも可能ですが、それはナンセンスです


2010/12/05 Loose Change vs. Popular Mechanics

カテゴリー: 陰謀論,9.11陰謀論

有名なLoose Changeという911陰謀論のビデオがあります。

詳細はその「正しい見かた」を解説している

http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/lc0.html

を読んでいただけば充分だと思いますが、要するに、いろいろな疑惑をとりあげているものの、今となってはほぼすべては論破されきったものと言っていいでしょう。

2006年9月11日に、このLoose Changeの製作者と陰謀論否定の本"Debunking 9/11 Myths: Why Conspiracy Theories Can't Stand Up to the Facts"を出した雑誌Popular mechanics誌の編集者とのテレビ公開討論が行われました。

そのビデオ・音声・書き起こしが

http://www.democracynow.org/2006/9/11/exclusive_9_11_debate_loose_change

で見られます。

読めばわかるとおり、この討論はほぼLoose Change側の完敗と言うべきものでした。

なお、この時点でLoose Changeは2ed. recut版が公開されていたので、議論はそれに基づくもののはずです

この討論はLoose Changeの息の根をほぼ止めたものとして知られているので、誰か日本語訳してるのじゃないかと思ったのですが、ざっと検索した感じでは見つかりませんでした。そこで、面白いところを3箇所ばかり、意訳しておきます。全体のごく一部です。きちんとした訳がどこかにあれば、ご教示ください。

Dylan AveryとJason BermasがLoose Change、Daved DunberとJames MeigsがPopular Mechanicsからのそれぞれ出席者です

まず、93便からの携帯電話について

....................................

DYLAN AVERY:

93便からの電話の多くは航空電話からだったが、巡航高度からの携帯電話による通話もあった。だが、商用旅客機の巡航高度から携帯電話で会話するなど、2001年にはまず不可能だった。といっても、これが我々の最強の証拠というわけじゃなく、たくさんの証拠のひとつに過ぎない。

ボイスレコーダーについても知らされていないし、あったとされる電話のどれひとつとして聞かせてもらっていない。政府は、公表する証拠を選んでいる。あの攻撃を政府が本当に予想していなかったのなら、ペンタゴンの84本のビデオや93便のコックピット・ボイス・レコーダーについてこんなふうに口をつぐむはずはない。

DAVID DUNBAR:

携帯電話については、我々は記者なら誰でも普通にやる通りのことをやった。つまり、専門家に話を訊いたんだ。携帯電話は35000ft.以上でも実際に通じる。

DYLAN AVERY:

2001年に?

DAVID DUNBAR:

2001年に。君たちも携帯電話の専門家と話してみるといい。飛行機が移動していたから、多くの通話はつながらなかった。実際、携帯電話呼び出しの多くが切れたことが記録でわかっている。また、ほとんどの通話は航空電話からだ。しかし、専門家に訊いてみれば、旅客機から携帯電話が通じることがわかるはずだ。

JASON BERMAS:

それが本当なら、なぜアメリカン航空は、2004年に何万ドルもかけて基地局を建てて、機内から携帯電話が通じるようにしたのだろうか。9月11日にそんなにうまく携帯電話がつながったのなら、なぜ何万ドルもかける必要がある? この男が言っているのはまったく嘘っぱちだ。

JAMES MEIGS:

きちんと通話できるとは言っていない。繋がると言ってるんだ。記録を見ればわかるが、多くの通話が途中で切れている。携帯電話の基地局は2、300平方マイルをカバーする。水平にだけじゃなく空もだ。

DYLAN AVERY:

実際は下方向に電波が向くように基地局が設計してある

JAMES MEIGS:

アメリカン航空がシステムを改善した理由は、通話が切れないようにするためと、携帯の通信が飛行中のいろいろな干渉を受けないようにするためだ

DYLAN AVERY:

携帯電話は最強の証拠じゃない。それ以外にも山のような事実がある

JASON BERMAS:

飛行機がそこにいなかったというのが最強の証拠だと思う

...................

というわけで、Pentagonに突入したのは飛行機ではないという話

...................

DAVID DUNBAR:

ビデオは、飛行機が蒸発したと専門家が言ったという主張で始まる。これは目くらましで、真実ではない。我々の本に示したように、また、ビデオにも映っていると思うが、ペンタゴンの芝生上に残骸の証拠が見られる。建物の内部では多くの残骸が見つかっている。たぶん最大のものは着陸脚で、これがC-ringを貫通し、16フィートの穴を開けた。だから、757がペンタゴンに衝突した物理的証拠はたくさんある。フライト・データ・レコーダーや法廷に出たものもある。いっぽう、5年経ったが、ペンタゴンにぶつかったものがミサイルか何かほかのものだったことを示すなんらの物的証拠も出てこない。

DYLAN AVERY:

我々はペンタゴンで本当に何が起きたのかをはっきりと示すビデオが出てくるのを5年待っている。お前たちは、何が起こったか誰も知らないのをいいことに、自分たちが事実についての専門家だと言う。お前たちは、自分たちだけが写真を見せてもらったと主張する。なぜその写真が公表されていないのかを聞かせてもらいたいものだ。

DAVID DUNBAR:

ひとつ補足したい。私は冶金学や構造工学の専門家としてここに来たわけではない。本の編集者として来た。我々は、ジャーナリストがやることをやるだけだ。専門家に話を聞くこと、この本で9/11神話を暴くためにやったのはそれだ。ドキュメンタリー製作者であれ誰であれ、データを見たいのなら、そうすることを薦める。我々は現場にいた人たちと話した。構造力学の専門家と話した。飛行機衝突の専門家と話した。

.........................

その少し先

........................

DYLAN AVERY:

核心を突こう。我々は、2機のRB211エンジンの写真も機体後部の写真も一切見せてもらっていない。重要な部分の残骸も見せてもらっていない。着陸脚が穴を開けたとあなたが主張するその情報源を知りたいものだ。私はまったく違う回答を得ている。私は、穴を作ったのは胴体だと聞いた。

JAMES MEIGS:

写真がある

DYLAN AVERY:

16ft.の穴を開けた着陸脚の写真がある?

JAMES MEIGS:

ある。いいか、ペンタゴンや工学の研究機関が、ペンタゴンのビルでなにが起きたかを徹底的に調べたんだ。ビルは鉄筋コンクリート製だ。飛行機は砕けて小さな破片になった。ただし、重たい部品の一部は先まで進んだ。着陸脚部分もそのひとつなんだ。大きな旅客機が鉄筋コンクリートに時速500マイルで衝突したら、機体後部がそのまま残るわけがない。これは映画じゃないよ。

....................

Popular Mechanics側は一貫して、「取材した」「専門家に聞いた」と言っているのですが、これはつまりLoose Change側に向かって「君たちはきちんと取材もしていないし、専門家の意見も聞いていないだろう」と言っているわけです。

携帯電話と着陸脚はその好例で、「専門家に聞けばわかる」「写真がある」できっぱりと否定されてしまいます。

この先もこの調子なので、興味のあるかたはぜひ読んでみてください。

訳してもいいんだけど、時間がかかるからにゃあ

もし今でもLoose Changeを引き合いに出して「陰謀だ、疑惑がこんなにある」という人がいたら、このLoose Change対Popular Scienceを教えてあげてください。Loose Changeが「疑惑」としたものは単なる「調査不足」だったわけです。

という話を今頃書くのは、いまだにLoose Changeを上映する人たちがいるからです。たとえば、つい先日、11月20日には、11月祭が行われている京都大学で、Loose Changeが上映されたようです

http://civilesociety.jugem.jp/?eid=5924

あの京都大学で、今になってLoose Changeが万が一おおまじめに上映されたのだとすれば、驚くべき事態です。

見た京大生の反応が知りたいところです。「そんな馬鹿な」という反応ばかりであることを期待したいものです。なんたって、京大生なんだから。

もちろん、誰も見ていないなら、それでいいんですけどね。

なお、

http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/lc0.htmlLink

によれば、Loose Change日本版には、日本語版リリース時には既に出ていた2nd.ed recutの冒頭クレジット

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The views expressed in Loose Change may not represent the views of the copyright owners or the individuals featured in such footage.The Naudet Brothers, Mr.Hanlon, the firefighters they interviewed for their film. And Paramount,(which distributes the Naudet/Hanlon Film.) Do not endorse or support the views expressed in .

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が含まれないそうです。このクレジットがあるとないとでは、だいぶ印象が違うでしょうね。

また、日本版のリリースはこのLoose Change vs. Popular Scienceより後であることにも注目しておいていいでしょう。

もうひとつ、最近書いた原稿に「9.11陰謀論をナンセンスのひとことで斬り捨てるのは科学的態度ではないのでは」という意見がついたというのもあります。僕自身は何度も書いているように、「アメリカは9.11を事後に利用したのであって、9.11そのものについての陰謀論はナンセンスのひとことで斬り捨ててよい」と考えています。その理由の一端をこのLoose Change vs. Popular Mechanicsで見ていただければいいかなと


2010/12/05 ケプラーの法則

カテゴリー: 日 記

今ちょうど工学部の一年生にケプラー運動を教えているところなのですが、なんとなく気になって「ケプラーの法則」を検索してみました。

wikipedia日本版の記述はあっさりしていて、ケプラーの法則に熱意のある書き手がいないのかもしれません。まあ、それはそれでいいとして、ちょっと気になったのが、以下のような文章です

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ケプラーの法則(ケプラーのほうそく)は、1619年にヨハネス・ケプラーによって解明された惑星の運動に関する法則である。

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先に、第1法則および第2法則が解明されて1609年に発表され、後に、第3法則が解明されて1619年に発表された。

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ここでは「解明された」という表現が三度出てきています。

さて、ケプラーはケプラーの法則を解明したのか。

wikipediaにも書かれているように、ケプラーはティコ・ブラーエの観測記録をもとに惑星運動を整理して、その法則性を「発見」したわけです。これはあくまでも発見であって、解明ではないように思います。

一般に、法則というのはあくまでも発見されるもので、それがより基本的な法則から説明されたとき「解明された」というのではないでしょうか。

位置づけとしては、ケプラーが三法則を発見し、のちにニュートンが彼の運動法則と万有引力の法則によってケプラーの三法則を解明した、ということになるのではないでしょうか。もちろん、ニュートンが運動法則を提唱するにあたってはケプラーの三法則を使ってはいますが、ニュートンの法則は惑星運動に限定されない広い法則なので、「ケプラーの法則をニュートンの運動法則から導いた」あるいは「ケプラーの法則をニュートンの運動法則にもとづいて解明した」という言い方でよさそうです。

ちなみに、ニュートンの法則からケプラーの三法則をすべて導くには、「太陽の質量は惑星の質量より遥かに大きい」ことを使って近似する必要があります。ニュートンの法則のほうが「より基本的な法則」なわけです

ちなみに、英語版では

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Johannes Kepler published his first two laws in 1609, having found them by analyzing the astronomical observations of Tycho Brahe.[2] Kepler did not discover his third law until many years later, and it was published in 1619.[2]

Almost a century later, Isaac Newton proved that relationships like Kepler's would apply exactly under certain ideal conditions approximately fulfilled in the solar system, as consequences of Newton's own laws of motion and law of universal gravitation.[3][4]

....................

となっていて、これが普通の記述でしょう。

日本版wikipediaのこの項目は2003年から一貫して「解明」と記述していて、それについての議論は特にないようなので、もしかすると「解明」を「発見」という意味で使う流儀もあるのかもしれませんが。

wikipediaに文句があるのではなくて、「解明」という言葉の使い方が気になったので、書いてみました

ところで、ティコ・ブラーエって、ティコが名前でブラーエが名字なのでしょうが、なぜ彼に限ってはティコ・ブラーエと表記することが多いのでしょうね。ブラーエではいかんのかしら。何か理由がある?


2010/12/05 有用微生物群実験隊

カテゴリー: ニセ科学,EM菌

エントリーの都合上、「ニセ科学」に分類されていますが、実は違います。

Osatoさんがブログ

http://blog.goo.ne.jp/osato512/e/ee9e302a3c0a87688214c48314111736

で紹介されて、一部で大きな話題になっている「有用微生物群実験隊」、仙台市立大野田小学校の生徒による実験記録です。

http://www.sendai-c.ed.jp/~oonoda/21nendo/21%205nen/em%20kin%20.html

これがすばらしい。すばらしいので、ここでも紹介します。

「流れのある川がEMで浄化できる」となんの疑いもなく信じる大人に、ぜひとも読んでいただきたいものです。

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そして私たちは準備ができたということで、旧笊川を管理している仙台土木事務所の方に川にEM団子を流していいか電話して聞いてみました。

すると

「川はみんなのものなので良く効果が分からないものを流すのは難しいです。」

と断られました。

はじめは困ってしまいましたが、自分たちだけの思いでみんなの川に適当なことはできないんだな〜と改めて思いました。責任ある立場ならしょうがないな〜と思いました。

なので私たちはEM菌の効果を検証するためにCODの値が下がるかどうかなどの実験を旧笊川の水を使って続けました。

その結果、COD6からCOD2まで減らすことができました。

自分たちが思っていた以上の結果だったのでとても驚きました。

この実験ははうまくいきましたが、私たちはまだ流水の中ではどうなのか、水中生物にどんな影響があるかなど、実験をしていません。

まだまだやるべきこと、やってみたいことがいっぱいです。

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いや、ほんとに。

水槽実験の結果をなんの疑いもなく川にあてはめてしまう大人がたくさんいるというのにね。

水槽実験で効果が見られること自体は充分にありうることです。「だから川に撒いてしまえ」というのが、あまりにも短絡的なのですよね。

それにしても、仙台市土木事務所の対応といい、我慢強く指導された先生がたといい、立派ですねえ。


2010/12/02 「ニセ科学とつきあうために(2010版)」

カテゴリー: ニセ科学

消費者センターや市民団体などでニセ科学関係の講演を頼まれることがあります。

その際、講演そのもののレジュメではなく、ニセ科学についてのコンパクトな文書を配布しています。

その現行版「ニセ科学とつきあうために(2010版)」をウェブサイトで公開しました。

消費者センターという場所がら、ニセ科学全般ではなく、いささか偏った内容になっていますが、興味のあるかたはごらんください

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku

の一番上です。

クリエイティブ・コモンズのライセンスをつけたのですが、今のところ表示が変です。

ライセンスは非商用で改変禁止の条件のもとで再配布可です。

つまり、ライセンスと著作権法の範囲で断りなく使ってかまわないという意味です。改変禁止ですが、引用は著作権法で認められているので、引用して論評するのは自由です。改変せず、非商用なら、自由に配ってください。配布はプリントアウトでもpdfでもかまいません。それ以外に使いたいかたは、お問い合わせください