200905のブログ

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2009/05/29 出産における自然と不自然(追記あり6/20)
2009/05/29 A(H1N1): KEK
2009/05/23 リーブ21とLFA
2009/05/23 個人的体験ではなぜだめか: 妊産婦死亡率の推移を例に
2009/05/22 A(H1N1)@東京: 感染した高校生にも洗足学園にも落ち度はない
2009/05/22 阪大は月曜から授業
2009/05/22 高校生のためのスーパーコンピューティング・コンテスト、今年も
2009/05/21 機内検疫、水際防疫
2009/05/20 A(H1N1): 東京でも感染者(ちょっとだけ追記)
2009/05/17 A(H1N1): 阪大は休講
2009/05/16 A(H1N1): 国内二次感染の確認
2009/05/14 弥勒魁のためのスペース
2009/05/10 「新・物理の散歩道」
2009/05/10 さらにインフルエンザとホメオパシー
2009/05/10 定義により、効く
2009/05/10 今日のA(H1N1): 感染確定
2009/05/07 今日のA(H1N1)
2009/05/03 豚じゃないかもって

2009/05/29 出産における自然と不自然(追記あり6/20)

カテゴリー: 日 記

他のエントリーでも「自然なお産」っていう言葉が出てくるのですが、「自然」「不自然」というのは主観的な言葉で、要するに「自分はこれが好き」っていう好き嫌いを言っているにすぎないのだろうと思います。

さて、アクセスログを見ていたら、以下のサイトを経由(ここへのリンクがあるわけではなく)したアクセスがありました。

http://www.chigasakitokushukai.jp/guide/medical/depart/og/guide0208.html

茅ヶ崎徳州会病院・産婦人科のウェブページなのですが、わざわざ「当院の基本方針:水中出産について」という文書が掲げられています。よほど問い合わせがあって、辟易しているのでしょうか。医師の困惑が読み取れます。

その冒頭に

.........

分娩のひとつの方法として水中出産を行うところがあります。自然分娩のひとつの方法として広まっているような面もありますが、人間は陸生動物であり水中で出産することは「自然」ではありません。水中出産は自然分娩ではありません。

.........

とあります。「水中出産」はむしろ「不自然」という当然のことをわざわざ書かなくてはならないくらい、要望があるのでしょう。

その後に「水中出産」のリスクについてもいろいろ説明されています。いいことなんか、なんにもないです。

「水中が自然」という発想はエレイン・モーガンが盛んに主張している「アクア説」と関係あるんでしょうか。

[追記(6/20)]

英語版wikipediaにそれなりの記述があるのですが、まだきちんと読んでいません。

BenefitsとRiskについて書いてあります。

http://en.wikipedia.org/wiki/Water_birth

欧米でも(欧米のほうが?)流行っているようですね。きちんとした管理下での水中出産にはそれなりの実績があるようですが、その場合についてのBenifitsとRiskの関係についてはまだ議論中なのだと思います。

wikipediaで言及されているbenefitのいくつかは検討の価値ありかもしれません。「赤ちゃんの出生時トラウマの軽減」はトンデモでしょうが。ニューエイジ的なものを含めて、いろいろまじってくるのが悩ましいところでしょうか。


2009/05/29 A(H1N1): KEK

カテゴリー: 日 記

昨日、「科学技術論」というオムニバス科目でしゃべりました。

「論」というほどのことは話せないんで、妙な話をしただけですが。

実は僕の担当回は先週だったのだけど、例のインフルエンザ休講のため延期になっていたのです。毎回担当者の変わるオムニバス授業だから、普通に考えれば、休講分は順送りというわけにいかないはずです(スケジュール調整が大変)。だから、僕の担当分だけが夏休み前にでも移動するのだろうと思ったのですけど、結局、一週ずれに。

その理由は、本来昨日の授業を担当するはずだったKEKの先生が、KEKから「関西出張禁止」と言われたからだそうなのですけど・・・

休講期間なら授業そのものがないわけで、授業があるのなら休講は解除になってるはずですよね。「関西禁止」っていうのは、休講が解除になっても講義には行くなってことですか。

KEKがどういう通知を出したのか、本当のことは知りません。伝聞だから、誤解かもしれません。KEKのウェブサイトにあるインフルエンザ関連情報を見ても、そこまでの過剰な対応は指示されていないようなので、KEK全体の方針ではないのかもしれません。

もし本当に「授業があっても行ってはならぬ」という話だったのなら、日本の「科学の殿堂」が取るべき態度ではないと思いますが、どうなんでしょ。


2009/05/23 リーブ21とLFA

カテゴリー: ニセ科学,波動

左巻さんのブログでだいぶ以前(というほどでもない)に取り上げられた件

http://d.hatena.ne.jp/samakita/20090410

http://d.hatena.ne.jp/samakita/20090511

リーブ21の「発毛理論」だとか「毛髪検査」だとかは、実は「波動」だという話です。会社の公式ウェブサイトには書かれていないので、確認が難しいですね。

波動の体験談が出ている

http://reve21-hatsumou.com/17/50/51/000024.php

は、アフィリエイト・サイトですよね。信憑性の判断が難しいところ。確実な証拠はどこにありますかねえ。本?

で、ここに書かれている「LFA波動測定」という言葉がね、なんか懐かしいわけです。Life Field Analyzerでしょ。僕はMRAより先にLife Field Testerを知ったんですよ。僕が江本勝なんていう名前を知らなかった頃、波動といえば増田寿男とか足立育郎だった頃です。栄枯盛衰?

この「生命場」っていう言葉はHarrold Saxton Burrの著書『生命場の科学』(Blueprint for Immortality)に由来します。最近復刊されたので、入手も容易。もちろん、トンデモ本ですけど、江本の本よりはいいかも(何がいいんだか、わかんないですが)。

 

「ふーん、江本じゃないんだ」という感想を持ったという、それだけの話です。ごめんね


2009/05/23 個人的体験ではなぜだめか: 妊産婦死亡率の推移を例に

カテゴリー: ニセ科学

妊産婦死亡率については、このブログで二度ほど(コメント欄で)取り上げました。

いずれも、いわゆる「自然なお産」に関連して紹介したものです。

前に貼ったリンクが切れていることに気づいて、改めてさがしたところ、以下に見やすいグラフがあったので、改めて紹介します。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/11/dl/s1120-11n_0002.pdf

これを見ると、10万出産あたりの妊産婦死亡数はだいたい

1940年頃 200人

1960年頃 100人

1980年 20人

2000年 6人

2007年 3.1人

という感じです。

医療技術の進歩で着実に死亡数は下がってきています。95年以降は、だいたい6人で横ばいなので、ほとんど限界まで下がっているのかなという気がします。05年から下がっているのは「ゆらぎ」かもしれません。

いずれにしても、これはかなり目覚しいデータだと思います。

今や、妊産婦の死亡は10万出産に対して数人ときわめてまれなできごとになっています。しかも、人口は増えても出生数は下がっていて、今は60年頃の2/3くらいですから、死亡者の絶対数も死亡率変化のさらに2/3くらいのはずです。60年と今だと1700人対70人って感じでしょうか。合ってるかな。

こうなると、直接の知人が出産で亡くなった経験を持つ人の数も少ないのではないでしょうか。

出産というのはもともと危険なもので、妊産婦の死亡も多かったわけです。1900年には10万出産あたり400人ですから。しかも、ひとりが産む子供の数も多かったので、個人の危険はさらに大きかったわけです。

で、僕はこれこそ医療の進歩を明確に示すデータだと思うのですが、逆にここまで安全だと「ゼロリスク幻想」が出てきちゃうのでしょうね。それはそれとして。

しかし、昔は死亡率が高かったからといって、じゃあみんながみんな死んでいたかというと、もちろんそんなことはないのですね。1960年の死亡率が10万出産あたり100人で、今よりも20倍もリスクが大きかったとはいっても、1000回のうち999回までは無事に済んでいるわけです。だから、当時出産を経験した人のほとんどは「無事だった」という体験をしているはずです。それが今は「10000回のうち9999回以上が無事」に変わったのですよね。医療の進歩によって。

この違いは、個人のレベルではほとんど実感できないでしょう。しかし、社会全体として見れば、ずいぶん違う。個人のレベルだと、たとえば「知人の知人が亡くなった」という経験は減っているはずですが。

要するに、宝くじの一等が出る確率が10倍になったとしたって、所詮自分には当たらないということです。

で、話は「自然なお産」なんですけど。

なんというか、医療不信から謎の「自然なお産」を選ぶかたがたもおられるようです。最新の医療に頼らないのであれば、今のこの低い妊産婦死亡率の恩恵にあずかることはできません。それでも、よほどめちゃくちゃなことをしないかぎり、1900年のリスク・レベルまで戻るってことはないのでしょうね。水道がきちんとしているだけでも、リスクは下がるでしょうから。仮に1960年のレベルだとすると、死亡リスクは数十倍にはねあがります。でも、当然ですが、ほとんどすべての出産は死亡につながりません。リスクは明らかに上がったのですけどね。

すると、個人的体験のレベルでは「産科に行かずに自然にまかせたけど、問題はなかったよ」ということになるわけです。1000件中999まではそういう体験になります。ただ、そういう例をたくさん集めてくれば、実は死亡率が高いのだということがわかります。

 

自分が問題を感じなかったからといって、同じことを他人に薦めるとしたら、相手に数十倍のリスクを押し付けていることになります。でも、たぶんほとんどの場合には問題が起きないでしょう。リスクを押し付けたことにも気づかないのでしょう。

個人的体験で語るというのは、そういうことです。

まあ、よほどめちゃくちゃなことでないかぎり、いわゆる「自然なお産」を選ぶのは個人の自由だと思います。

ただし、医療事故が怖いから産科で産まない、というのが理由だとすると、それは誤りであることがわかります。もし本当にリスクが怖いなら、最新の医療に頼ったほうがいいわけです。医療事故のリスクが嫌だから、なにか別の「自然っぽい何か」を選ぶというのは論理的に間違っています。

もちろん、「自然」というのは危険なものなのですよ。Nature is wild. だから。

「自然なお産」は単なる例です。特定の出産法を念頭においているわけではないです。


2009/05/22 A(H1N1)@東京: 感染した高校生にも洗足学園にも落ち度はない

カテゴリー: 日 記

コメントで教えていただきました。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090522-OHT1T00052.htm

ひどい話ですね。

これまでの報道を見るかぎり、「模擬国連会議」出席のために渡米した高校生にはなんの落ち度もないし、行かせることを決断した洗足学園にもなんの責任もありません。

彼らは、感染の危険も考えて、熟慮のうえで渡米を決めたのだし、また、帰国後は発症の有無にかかわらず学校に行かずに自宅待機することを「あらかじめ」決めていたそうです。また、発症した生徒は手洗い等の感染防止策にも充分に気をつけていたとのこと。そこらのおとなよりもよほどきちんとした計画に基づいて行動したのだと思います。また、それだけのことをしてでも参加したかった貴重なイベントだったわけです。

学園に抗議するなどの馬鹿げた行為が少なからず見られるとのことですが、本当に馬鹿げています。いや、本当に。そういう人たちは「明日はわが身である」ことに気がついていないのでしょう。そういう人たちは、万が一自分が感染したら、「すべて自分が悪い」って言うんですかね。

問題があるとすれば、洗足学園が休校を決めたことです。これはまったく意味がありませんし、せっかく充分な計画を立てて行動した生徒たちの努力を無にするものでしょう。

もちろん、それ以外の神戸や大阪の高校生にも責められるべきところはありません。予防接種の存在しない感染症ですから。

要するに、こういう騒ぎに乗じて「うっぷんばらし」のように抗議する連中はどうしようもないと、そう言いたいわけですよ。


2009/05/22 阪大は月曜から授業

カテゴリー: イベント・告知

月曜から授業再開の通知が来ました。

まあ、予想通りです。

一週間分の補講はどうなるのかな。


2009/05/22 高校生のためのスーパーコンピューティング・コンテスト、今年も

カテゴリー: イベント・告知

今年も「高校生のためのスーパーコンピューティング・コンテスト SuperCon2009」を開催します。

お近くに高校生や高校の先生がおられたら、ぜひ参加を勧めてください。

公式サイトはこちら

http://www.gsic.titech.ac.jp/supercon

予選応募期間:2009年6月1日〜6月22日

本選:2009年8月3日〜8月7日

です。


2009/05/21 機内検疫、水際防疫

カテゴリー: 日 記

新型インフルエンザ対策として、今回のような「感染国からの直行便について、機内検疫をおこなう」というやりかたは、どの程度の有効性があると考えられて、実行されたのでしょうね。

 

もちろん、すでに発症している人を発見できる可能性はあるので、まったくの無駄とは思いませんが、さりとてこれで完全に防げると考えたわけではないでしょう。そんなことを考える公衆衛生担当者がいたとしたら、そのほうが恐いです。

 

数日の潜伏期間もあり、直行便以外のルートもあり、しかも発症初期には簡易検査での見落とし率が二割であることなど、さまざまな問題点ははじめからわかっていたのだから、この検疫がかなりの数の見落としをすることは想定されていたはずです。機内検疫にばかり力をいれてもしかたないことはわかっていたのですよね。

ところが、どうもテレビなどを見ていると、「機内検疫で見つかっていないから、まだ日本には新型の感染者がはいってきていない」と本気で信じていた人たちもいたのじゃないかと思えてきます。意思決定に携わる人たちがそうだったとは、あまり思いたくないですが。

いや、どうもこの機内検疫偏重(に見える報道)というのが、「防災よりも地震予知」とか「ゼロリスク幻想」とかと似ている気がするのですけどね。


2009/05/20 A(H1N1): 東京でも感染者(ちょっとだけ追記)

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

もちろん、大阪に感染者が出た以上、東京にも感染者が出るのは時間の問題でした。

 

今回のA(H1N1)騒動ではいくつかのことがはっきりしました。

空港の機内検疫では食い止められなかったわけですが、そのこと自体は、機内検疫を実行する前からわかっていたのだと思います。インフルエンザのように数日の潜伏期間を持つ感染症は、空港で発症者だけを見つけていてもしょうがないはずです。まったく無駄ではないにしても、これで食い止められないことは明らかでしょう。どういう論理で機内検疫に重点がおかれたのかは、知りたいところです。

もうひとつは、発熱外来や発熱相談、あるいは隔離入院用の施設も人員もまったく足りないことですね。これは「鳥」の前にはっきりしてよかったのではないでしょうか。流行が始まったら、猛烈な勢いで患者が増えるわけで。

来週には政府や自治体の対応が変わると思うので、今週はあきらめておとなしくしているのでしょうね。

[追記]

下のコメントにも

..........

今回のふたりを含む高校生の団体は、感染する可能性も考えた上で渡米したそうで(貴重なイベントへの参加だったらしいので、渡米自体が問題だとは思いません)、帰国後は学校に行かずに自宅待機することがあらかじめ決まっており、実際そのように行動していたそうです。

.........

と書いたように、高校生の行動自体はきちんとした計画に基づいており、なんら問題はなかったと思います。むしろ、そこらのおとなよりもきちんと考えていたのではないでしょうか。


2009/05/17 A(H1N1): 阪大は休講

カテゴリー: 日 記

阪大のウェブサイトに「休講」の指示が掲載されました。

................

【重要】新型インフルエンザ情報(第9報) 大阪府下での新型インフルエンザの発生に伴う全学休講等について 更新日: 2009/5/17

 大阪府下(豊中市、茨木市、吹田市)で複数の新型インフルエンザA(H1N1)の発症者が確認されたことに伴い、大阪大学は5月17日(日)から5月24日(日)までの期間休講します。

 なお、これまでの情報を参照するとともに、ホームページやKOANなどで提供する情報を今後もチェックしてください。

大阪府下での新型インフルエンザの発生に伴う大阪大学の行動指針

 5月16日夜間に大阪府下(豊中市、茨木市、吹田市)で複数の新型インフルエンザA(H1N1)発症者が確認されたため、本学における従来よりのリスク管理方針に基づき、また、大阪府からの要請も受け、以下の措置を5月17日(日)より5月24日(日)まで講ずるものとする。

・大阪大学に通学する学部学生・大学院生等の授業に関しては、全て休講とする。学外で実施される授業についても同様とする。

・学部学生等、大学院生等が実施する、あるいは参加する、上記授業以外のセミナー、カンファレンス等の集団を形成する活動を禁止する。

・課外活動の全てを禁止する。(対外試合を含む)

・大学機能に必要な業務及び、各研究室における研究活動(集団行動を伴わないものに限る)については、通常通りの運営を行う。

・学部学生・大学院生等が参加する学外で行われる学会等に関しては、学会主催者の判断と指示に従って行動すること。参加する場合は、感染予防とまん延の防止に留意して行動すること。

・学内において行われる講演会等の集団活動は、中止・延期する。なお主催者が本学でない場合は、これを中止・延期するよう要請する。

・当面は、不要不急の外出を自粛し、咳エチケット、うがい、手洗い、マスク等の感染予防策を励行すること。

・本行動指針は、今後の感染の広がりや国、府、市等の行政機関からの要請等に伴い、措置の程度や期間を適宜見直す可能性があるため、これまでと同様に大阪大学ホームページやKOANを参照し、常に最新の情報に注意すること。

....

僕は今週、単発の講義がひとつと4コマ連続の集中講義があるというかなり特別な週だったのですが、これはどうなるのかなあ

ちなみに「休講」であって、「休校」ではありません


2009/05/16 A(H1N1): 国内二次感染の確認

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

海外渡航歴のない神戸の高校生が新型インフルエンザに感染していることが確認されたそうです。国内での二次感染なので感染者はこれから増えるはずです。

新型インフルエンザについて、現時点では「怖がりすぎず安心しすぎず」としか言いようがないですよね。季節性のインフルエンザだって毎年死者が出る病気ですから、新型が当初言われていたほど危険なものではないにしても、気をつけるべきではあるわけです。ハイリスクの人たちもいるので、「かかったけど、自分は元気」とかそういう問題ではなくて、「他人にうつさない」ことも重要です。一般論ですみません。

いずれにしても、ニュースに注意。

と、それはさておき、阪大では

..........

本学では、近畿二府四県(大阪府、京都府、兵庫県、滋賀県、奈良県、和歌山県)で新型インフルエンザの感染の疑いのある者が発生した場合、学部および大学院の全ての講義を休講とし、同時に全ての課外活動を停止する措置をとる場合があります。

..........

となっています。「措置をとる」ではなくて、「とる場合があります」だということに今気づきました。

今回は神戸なので、該当するのですけど、どうするのかな。

[追記]

5/16付け阪大ホームページの記事ではこうなっています

........

神戸市内で新型インフルエンザの発症者が確認されたことに伴い、神戸近郊に在住する学生及び教職員の方は、以下の指示に従って行動してください。

 ・5月16日現在、大阪大学は通常通り開校しています。

 ・神戸市近郊に在住している学生や教職員の方は、神戸市や地元の行政機関が発する情報に注意し、その指示に従ってください。

 ・神戸市により休校措置がとられている地域(5月16日現在:灘区・東灘区・中央区・芦屋市)に在住の方は、毎日登校前に自身の健康状態をチェックし、発熱や咳、くしゃみ、下痢などの症状がみられる場合は、登校前に本学安全衛生管理部へ連絡し、その指示に従ってください。異常が無い場合は登校可能ですが、登下校時はマスクを着用したり、手洗い・うがいを励行するなど、感染予防に留意して行動してください。

 ・家族や同居者、身近な人にインフルエンザ様の症状が見られた場合、直ちに安全衛生管理部へ連絡し、指示に従ってください。

 安全衛生管理部 (時間内:06-6879-4023、時間外:06-6879-7018)

 ・休校措置等がとられる地域は今後拡大していくことが考えられます。また、場合によっては、外出の制限などの措置がとられることもあります。大学や神戸市のホームページなどで、常に最新の情報を得るように心がけてください。


2009/05/14 弥勒魁のためのスペース

カテゴリー: その他

弥勒魁と名乗る人は、僕が「もう書くな」と何度言っても書き続ける困った人です。

まったく理解できません。

コメントの内容も無意味で馬鹿馬鹿しすぎます。

しょうがないので、ここに弥勒魁氏が書いてもいいエントリーをひとつだけ作ります。

弥勒魁はここにだけ、好きにコメントしてください。書いていいのはここだけです。

今後他の場所にひとつでもコメントを書いたら、すべて終了です。

弥勒魁氏の相手をしたいかたは、ここでどうぞ。僕はお相手など願い下げですが


2009/05/10 「新・物理の散歩道」

カテゴリー: 日 記

ちくま学芸文庫でロゲルギストの「新・物理の散歩道」が出ていますね。

つい、「え!」と言っちゃう値段なんですが、入手しやすくなったのはよいことです。ちなみに、僕は全部古書店で集めました。

「新」じゃない岩波のほうは、ときどき復刊されているので、文庫にはならないのかな。

江沢洋さんの解説によると、これまでに単行本化されていないエッセイが雑誌「自然」一年分ほどあるはずとのこと。それが本当なら、今回の文庫化を機にぜひ出版してほしいものです。


2009/05/10 さらにインフルエンザとホメオパシー

カテゴリー: 日 記

「ホメオパシーはインフルエンザに効きません」ということは何度も強調しておくとしまして、旧聞に属する話を。

日本ホメオパシー医学協会のサイトにある「コラム インフルエンザ関連」

http://www.jphma.org/case/etc_1.html#b

今回の騒ぎに乗じて書かれたものではないですが、こういうものを真に受けてしまう人が増えても困るので、改めてとりあげておいたほうがいいかもしれません。

言いたいことはたくさんあるのですが、とりいそぎ一点

..............

しかし、このスペインかぜの大流行を医学史研究家が調査したところ、広範囲で実施された予防接種が原因である、という結論に到達しました。当時は第一次世界大戦のまっただ中でしたが、この戦争はすべての兵士が強制的に予防接種を受けた初めての戦争でもありました。『ボストン・ヘラルド』誌は「1カ月間に47人の兵士が予防接種のために亡くなり、そのため陸軍病院は戦闘で負傷した犠牲者ではなく、予防接種の犠牲者でいっぱいになってしまった」と報じています。

...............

まず第一にスペイン・インフルエンザ「流行」の原因は予防接種ではありませんね。

そして、当時の「予防接種」はインフルエンザ・ワクチンではありません。スペイン・インフルエンザ当時、インフルエンザ・ウィルスに対するワクチンは存在しませんでした。そもそもインフルエンザ・ウィルス自体が発見されていません(病気としてのインフルエンザとは関係ないことが後に明らかになる「インフルエンザ菌」は発見されていました)。

もちろん、上の文章は、その程度の歴史は承知のうえでミスリードのために書いているものだろうと思います。それは悪質な情報操作でしょう。

なお、インフルエンザ・ワクチンについては

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1174926083

でも議論しました。


2009/05/10 定義により、効く

カテゴリー: ニセ科学,EM菌

目新しい話ではありません。すみません。

 

ちょっと調べたいことがあって、EM機構のウェブサイトを見ていたら、以下の記述がありました。この話は以前にもどこかで出たような気がしますが、万能の理論の例として、なんとなく転載しておきます

http://www.emro.co.jp/em/mechanism/index.html

..............

一度良い微生物達の力が結集し善循環し始めれば放っておいても良い方向に行きます。しかし善循環し始めるまでが大変です。ある時は1回のEMを投入するだけで善循環しますが、別の場合は100回EMを投入しても善循環しないこともあります。

EMの力を最大限引き出すポイントは善循環が始まるまで何回でもEMを使うということです。

「重いボールが1度動き出せばなかなか停めることが出来ない」のと同じです。

.............

まあ、正しいわけです。正しいとしかいえません。これが正しくないのは「善循環」なるもの(これ自体、定義がよくわかりませんが)が決して起こらない場合だけですが、それは立証不能です。だから、論理的には正しいけど、科学的には正しくない。

 

たとえば100回ではだめだったが101回目でうまくいった、とかいう実例はどのくらいあるのですかね。そういう実例の蓄積が重要なはずですが。

僕なら、10回試してもうまくいかなかったら、たぶんあきらめちゃうから、EMには向いてないですね。

そもそも「100回EMを投入しても善循環しないこと」というのが本当にあったのでしょうか。効果が見られないまま100回試したのだとすると、それはそれで、その努力には頭が下がります。


2009/05/10 今日のA(H1N1): 感染確定

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

カナダから帰国した高校生と教諭の計4人が新型インフルエンザ感染と確定しましたね。

「遅かれ早かれ」であって、驚くことではないですけれど。

今回は機内検疫で見つかったわけですが、機内検疫といっても、症状が出ているかどうかをチェックするだけですから、潜伏期間が数日あるインフルエンザでは、どのみち「完全阻止」は無理な話でしょう。

 

メキシコ以外での死者は4人になりましたが、病気としてはおおむね普通のインフルエンザ並ということに落ち着きつつあるようなので、「情報に注意」くらいで充分なのだろうとと思います。北半球ではインフルエンザのシーズンも終わりですしね。だからって、無頓着になられても困るわけですが。

ところで、世間では「新型インフルエンザでなければ、人は死なない」と誤解されているのじゃないかという気がしてしかたありません。季節性のインフルエンザでも毎年少なからぬ数の死者が出ているわけですから、「新型じゃなかったから安心」みたいな妙な風潮があるとしたら、よろしくないと思います。


2009/05/07 今日のA(H1N1)

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

メキシコでの確認が進んだようで、数はだいぶ増えましたね。

アメリカも急激に増えていますが、メキシコ以外での死者は少なく、アメリカの2名だけのようです。

WHOの感染地図↓

http://www.who.int/csr/don/h1b120090506_730PM.jpg

ニュースによると、感染性は季節性インフルエンザ程度で弱毒性ということに落ち着きつつあるようですね。


2009/05/03 豚じゃないかもって

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

新型インフルエンザの通称が「豚インフルエンザ」になっちゃったのは、初期の情報がそうだったからで、これ自体はしかたないのですが、CDCのQandAを見たら豚起源説自体も疑問なんですね。

http://www.cdc.gov/h1n1flu/swineflu_you.htm

WHOのFAQ

http://www.who.int/csr/disease/swineflu/frequently_asked_questions/about_disease/en/index.html

にも

.....

Is there any confirmation of transmission between pigs and humans at this point?

No.

...

と書かれています。えーっと、これは「豚と人間の間で感染が起きたことは確認されていない」でいいんですかね。