ニュースによると、まだ豚インフルエンザ感染者が出ていないエジプトで、30万頭だか40万頭だか飼育されている国内の豚を全部処分するらしいのですが・・・
「豚インフルエンザ」っていう名前が悪いんですかね。たしかに豚から感染したのでしょうが、人間同士で感染するのだから、もはや豚はそれほど関係ないはずなんですけど。今後このインフルエンザがエジプトにはいってくるとすれば、人間同士の感染でしょう。
鳥と違って、豚は飛ばないし
エジプト人の多くは豚を食べないので、豚なんかいなくてもいいや、ということかもしれませんが、豚を食べる宗派の人たちから見たら「嫌がらせ」ですねえ。
いや、笑いごとではなくて、似たようなことは日本でも起こりうると思います。
気をつけなくては。
ちなみに、このエントリーのタイトルはもちろんイエス史上最高の珍曲「クジラに愛を」からです。それ以上の意味はありません。もっとも、この曲のリフはなかなかよいと思いますが。
どうやら、アメリカでの死者はメキシコから来た幼児だったようで、メキシコでの感染ぽいですね。
CDCの4/29 11:00AM(ET)のデータでは、アメリカで豚インフルエンザと確認できたのが91例で、死者は1例です。
メキシコ以外で青年層の死者が出たらかなり問題ですが、まだそういう状況ではないです。
依然として、「あわてずにニュースに注意」でしょう。
アメリカの感染確認例はタミフルかリレンザが使われたのでしょうか。
すでに一部のホメオパシー系のサイトに豚インフルエンザ「便乗」記事が出ているようなので、取り急ぎ、書いておきます。
万が一、本当に豚インフルエンザからパンデミックに発展したら、ホメオパシーなんてものが効くなどと期待してはいけません。それは「何もしない」のと同じであることを理解しておくべきです。
来シーズンまでにはワクチンもできるでしょうし、現時点ではタミフルも効きます。「何もしない」という選択をするかワクチンやタミフルを使うかは、自分で判断すればいいとは思いますが、万が一「ホメオパシーが効く」と信じている人がいたら、それは誤りであることをはっきり言っておく必要があります。
また、このような機会に「便乗」して宣伝をする一部のホメオパシー・サイトは最低だと思います。もちろん、善意であってもだめです。
すべてのホメオパシー・サイトがそのようなものではないと信じたいところです。
ホメオパシーには精神的な効果しかありません。
[追記]
ホメオパシーの効果はプラセボ効果そのものですから、プラセボ程度にしか効きません。あるいは、プラセボ程度には効きます。ただし、それをもって「ホメオパシーが効いた」とは言わないのですが。とにかくプラセボ効果でよければ、必ずしも期待できないわけではありません。もっとも、個人差はかなり大きそうです。
しかし、インフルエンザのような感染症の予防や治療にプラセボの効果を期待するのは危険でしょう。そもそも、「予防」に対してプラセボ効果があるのかどうか、僕は知らないですが。
この問題でホメオパシーに期待できることはほとんどないと思います。せいぜい、「落ち着く」くらいでしょう。それに対して、極端なホメオパシーの害ならいくらでも思いつけます。
[追記]
ながぴいさんやkuritaさんにご指摘頂いたのは、日本ホメオパシー医学協会のサイトです。たとえば
http://www.jphma.org/topics/topics_70.html
では、ワクチンやクスリについては自分で情報を集めなさいと書いておいて、参考図書は「予防接種トンデモ論」ですし、
....
感染について不安のある方は、症状にあわせて対処できるホメオパシーのレメディーなどもございます
....
なんて書いてあります。
さらにそこからリンクされている掲示板に飛ぶと、豚インフルエンザのエントリーに「管理人のコメント」として
....
まず免疫を低下させるワクチンを接種しないこと、急性の発熱症状などを薬剤で抑圧しないことが大切です。
....
と書かれており、「豚インフルへの効果のほどは、わかりませんが」と言いつつ、「インフルエンザの特効薬になるのではないかと」いうレメディが紹介されています。
さて、ホメオパシーがスペイン・インフルエンザに効いたことを示す文献として知られるのは
http://flusolution.net/dewey.pdf
です。興味のあるかたは原文を読んでみてください。
これについては、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1205395767
で議論しましたが、そこでは浜六郎氏がホメオパシーの文献であることを伏せて引用したものとして紹介しただけで、内容にはあまり踏み込みませんでした。
とはいえ、これは「論文」などではまったくなくて、お便り集ですから、内容もへったくれもないのですが。
(えーっと、誤解のないように書き足しますが、つまりインフルエンザにホメオパシーが効いたという根拠とされている文献は、ホメオパシー医のお便りを集めたものに過ぎず、なんら学術的な文献ではないということです。つまり、ホメオパシーが効いたと信じるに足る情報はありません)
[追記5/6]
kuritaさんのコメントで教えて頂いたThe New York Times の記事です...
http://www.nytimes.com/2009/05/01/health/01oaxaca.html
...
"But one important factor may be the eclectic approach to health care in Mexico, where large numbers of people self-prescribe antibiotics, take only homeopathic medicine, or seek out mysterious vitamin injections. For many, only when all else fails do they go to a doctor, who may or may not be well prepared."
...
メキシコで事態が深刻化した責任の一部はホメオパシーにもあるかもしれないということですね。ホメオパシーが問題を悪化させた可能性のある例として記憶しておいていいでしょう。
もちろん、今、インフルエンザに乗じてホメオパシーを宣伝するなど、もってのほかです
WHOがフェーズ4と判断しましたね。
今後判断が変わるかもしれませんが、とりあえず、警戒すべきであると。
まだ慌てるような状況ではないので、落ち着いてニュースに注意しておくということでしょうか。
メキシコの事情がよくわからないですよね。
[追記]
メキシコでのみ突出して死者が多く、しかも、豚インフルエンザの疑いとされるケースは多いにもかかわらず、豚インフルエンザと確定したケースは非常に少ないという状況です。メキシコの医療事情・検査体制と関係があるのでしょう。
一方、他国では感染者こそ増えているものの、総じて軽症のようで、死者は出ていないらしいので、いたずらに不安を感じる必要はないように思います。
冷静に様子を見るべきでしょう。
鳥の心配ばかりしていたら、豚インフルエンザが人間に感染して、ずいぶん死者が出ているようですね。もちろん豚はあり得たわけですから、驚いちゃいけないのかもしれませんが、意表を突かれた感じでもあります。人間の思考というのは狭くなるものだと反省。
人同士で感染するのではないかという話も出ているようなので、注目しておかなくてはなりません。
型はH1N1らしいですね。人間のH1N1はいまやかなりの割合でタミフル耐性になっちゃってるようですけど、今回のはタミフルが効くのでしょうか(下に追記: 効果があるようです)
続報待ち。
CDCのブリーフィングがネットで聞けるみたいですけど、まだ試してません。
とりあえず、CDCの豚インフルエンザ情報は↓
http://www.cdc.gov/flu/swine/investigation.htm
[追記]
現時点で、オセルタミビルとザナミビルは効き、アマンタジン・リマンタジンには耐性だそうですので、タミフルとリレンザは効くと思われます。
えーっと、普段はこの手の話を書かないのですが(そういうのはmixiの日記とかさ)、あまりに気になるので、ちょろっとだけ。いずれ消すかもしれません。
くさなぎ君が逮捕されて、地デジ担当の鳩山総務大臣が「本当なら最低の人間」と発言し、地デジ関係のポスター等がすでに撤去されはじめているという噂です。
しかし、事件そのものは「最低」というより「さいてー」程度の話だと思うわけですよ。そんなにひどく言われなくちゃならないのか。
で、ですね、鳩山大臣は「公然わいせつ」を「強制わいせつ」と勘違いしたのではないかと想像するのですが、いかがでしょう。そう考えると、納得はできます。万が一、勘違いがもとで地デジ・ポスター撤去だったら、笑えないかもしれません。ほんとのことはわかんないですけど。
もちろん、鳩山さんは「最低」ではなく「さいてー」と発言したつもりかもしれません。
陰謀論につなげようかと思ったけど、やめときます
[追記]
起訴猶予になりましたね。予想通りですが
もうだいぶ前に書店に並びましたが、「日経サイエンス」5月号のブックガイド特集に寄稿しました。
みょうちくりんなセレクションで5冊。みょうちくりんですけど、僕を知っている人には納得してもらえるかと。あるいは「いつもこれかよ」と言われちゃうかも。
この号では、西島和彦さんが南部さんのことを書いておられますが、これが西島さんの遺稿になったようですね。
七田式の七田眞氏が亡くなったそうです。
http://www.asahi.com/obituaries/update/0422/OSK200904220088.html
七田式の今後が気になるところです。
nakanishiさんからコメントをいただいたものですが、重要な問題のように思うので、独立させます。
僕は不覚にもこの事件を知りませんでした。
筑波大学の長照二教授が論文で「不正」をしたことにより懲戒解雇になっていたという話です。
nakanishiさんから教えていただいた調査結果のプレス発表は
http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/080306press_1.pdf
http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/080306press_2.pdf
http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/080306press_3.pdf
http://www.tsukuba.ac.jp/public/press/080306press_4.pdf
です。
これを見るかぎり、たしかに強引なデータ処理とは思いますが(これで査読を通ったのが不思議)、懲戒解雇に値する不正のようには見えません。
fittingの問題など、調査委員会の意見にも首をかしげる部分があります。
よくわからないので、詳しいかたがおられれば、教えていただけるとありがたいです。
追記:
問題自体は昨年半ばには明るみに出ていたわけですが、僕はまったく気づいていませんでした。
ちなみに阪大生命機能研究科での杉野明雄教授によるデータ捏造に関する調査報告書は以下で読めます。
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/reports/FinalReport20060921.pdf
杉野氏のはたしかに「捏造」なんです。これと比較してみるのがよいと思います。
追記[4/23]:
どの程度の「不正行為」だと思うかは別として、この論文のデータ解析はたしかにめちゃくちゃですね。
27人も著者が並んだ論文で、どうしてこんなことができるのか、まったく理解できません。他の著者とは何をどう議論したのか、いろんな意味で興味深いです。
デレク・トラックスといえば、自分のバンド、オールマン・ブラザーズ・バンド、クラプトン・バンドなどで活躍する現代のスライド・ギター・マスター。デレク・トラックス・バンドもかっこよいけど、オールマンズでのウォーレン・ヘインズとのツイン・ギターも素晴らしいのである。ビーコン・シアターのライブDVDを見よ!
そんなデレク・トラックスに今月のギター・マガジンが(たぶんメールで)大アンケートを実施。
第一問が「生年月日、血液型は?」
えー、それ訊きますか。デレクにそれ訊きますか。ギター・マガジンなら、たぶんすでにいろんなギタリストからさんざん「なんで日本人は他人の血液型を知りたがるんだ」って言われてるだろうに。
デレクの答は
6/8/79 and I don't know my blood type.
デレクは最高だね。
ギター・マガジンは反省して、今後ギタリストに血液型を尋ねないように。
お茶の水に行くと、楽器屋を回って、三省堂を覗いて、明倫館に行きます。
以前、『大数学者』(小堀憲、弘文堂教養文庫、昭和14年)という本(新書サイズの薄い本)の上巻だけを見つけて、買っていたのですが、先日ようやく下巻を発見しました。ただし、上巻とセット売り。これで上巻だけ3冊目です。まあ、どうせ安い本だから、いいんですけど。
アベル・ガロア・ワイエルシュトラス・リーマンの四人の数学者の伝記です。当時はこんな本が結構売れたそうです。結構って、どのくらいのことか、よく知りませんが。
これにコーシーとガウスを加えたやはり『大数学者』という本が1968年に新潮選書で出ています。こちらは意外に古書店で見かけません。
日本最初のSF雑誌(ただし、一号のみ)と言われる『星雲』(森の道社、1954年)には同じ著者が書いたガロアの伝記が掲載されています。弘文堂の本がそれなりに売れたから原稿を依頼されたのかなと思うのですけど、よく知りません。SF雑誌とあんまり関係ないと思うんですけどね。一号でつぶれちゃったからか、原稿料は支払われなかったという話を聞きました。本当かどうか、知りません。『星雲』も持ってないですが。
ネットで物議を醸した(^^;)我々の交通流の論文が、掲載誌New Journal of Physicsの2008年ベスト論文の一本に選ばれました。
http://www.iop.org/EJ/journal/-page=extra.bestof2008/1367-2630
もっとも、物理学の全ジャンル合わせて50本も選ばれているので、どの程度の価値かよくわかりませんが、とにかくBest of 2008に収録されましたということで。よかったよかった
朝日夕刊の「日本人脈記・素粒子の狩人5」に山本義隆氏の写真が掲載されていました。取材は断られたそうですが。僕は直接の面識もないし、たぶん本当に若い頃の写真しか見たことがないはずで、ああ、こういう人なのかと思いました。いや、単に写真を見ただけなので、意味のない感想ですが。
もちろん東大全共闘代表としての山本氏を知る年齢でもなく(安田講堂はテレビで見たはずだから、名前くらい知っていてもおかしくはなかったはずですけど)、あくまでもあの『熱学思想の史的展開』『磁力と重力の発見』それに駿台のテキストの著者としてしか知りません。あとは江沢さんたちと共著になってる力学の演習書かな。
予備校で山本氏の授業を聞いて影響を受けたという人は多いようです。駿台のテキストは、参考にしようとだいぶ以前に一冊買ったのですが、全然受験参考書じゃなく、きちんと書かれていて、これなら大学教養のテキストなんていらないじゃんと思ったのでした。
そんなに影響力の大きい授業というのがどういうものなのか、一度拝見(聴講)してみたいのですが。
ASIOSのメンバーが書いた「超常現象」の解説(解明)本が出るそうです。
まだ見てませんので、予告のみ。
「謎解き 超常現象」ASIOS著、彩図社
ASIOSのブログは
http://asios-blog.seesaa.net/article/117166062.html
かな。
七田式のエントリーはすでに複数あるのですが、全然関係ない話題で長くなっちゃうので(それ自体は必ずしも悪くはないのですが)、新しいエントリーを作ります。
ここは「七田式についての議論に限る」ことにしてください。
なぜ僕が七田式を問題視するかというと
(1)七田眞氏は普通の意味での教育専門家ではないはずなのに、あたかも専門家であるかのようにメディアにとりあげられる
(2)七田氏の主張は波動やテレパシーなどの登場するオカルトないしはニューエイジ的なものであり、勝手に主張するのはともかく、それを教育に取り入れるのは危険であると思う
の2点が気になるからです。
もちろん、「七田式に通わせたら、よかった」というかたもおられるでしょう。そういう話ではないんですよ。「自分の体験としてよかった」というのは、あってもかまわないし、いくらでもあると思います。
これまで何度も書いていますが、こういう問題について「教育専門家」はどう考えているのか、僕にはそれが見えてきません。どなたかがきちんと発言するべきだと思うのですけど。
もし、教育専門家の発言をご存じなかたがおられれば、ご教示ください。
えーっと、キムタクが脳科学者役のドラマが始まるっていうのは、エイプリル・フールのネタではないのですか、ないのですね。いや、キムタクは嫌いじゃないですけど。
福山の物理学者(しかも京大にて撮影)は物理学科志望者増加に影響したでしょうか。ノーベル賞効果にかくれて、わかんないか。
かつて、内田ゆきぼうが物理学科の学生を演じたときは、これで物理志望の女子(に限らないけど)急増かと期待したのですが、いまだかつて「ゆきぼうにあこがれて物理を希望しました」という人に会ったことがありません。ていうか、あのドラマの最後では「本当になりたいのは物理学者じゃない」ってことになっちゃうし。
というのは、さておき。
で、脳科学者って・・・