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2008/07/20 SONY mylo COM-2
2008/07/13 タミフル再び(追記7/14)

2008/07/20 SONY mylo COM-2

カテゴリー: 日 記

数年前までHP200LXを愛用していました。通勤電車の中で文章が打てるし、電車の中で立ったままでも使える。文章を書く道具として、本当に重宝しました。クロック2.5MHzという超高速CPUのおかげで、MS-DOSでテキストを扱うだけなら特に不自由も感じないものでした。GHzじゃなくてMHzね。

 

しかし、さすがにHP200LXが傷んできて、使いにくくなったので、ここ数年はLet's Noteを持ち歩いていました。Let's Noteは素晴らしいノートPCで、とにかく、落としても壊れないし、なんたって軽いのが魅力でした。しかし、ときどき起動時間がかかることがあり、また、立って使うのは大変なので、やっぱり電車で使うならHP200LXだよなあ、と思ってもいました。

最近、1kgのノートPCですら毎日持って歩くのは嫌になってきました。毎日だと、結構重いんですよ。歳なんで。

UMPCでも買おうかなとヨドバシに行っていろいろ見たのですが、小さいけど軽いわけではないんですね。軽いのはLOOXくらい。LOOXは一瞬買いかけましたが、予算の問題もあって躊躇しました。いっそWindowsの動くスマートフォンにしようかとも考えて、いくつか触ってみたのですけど、なんとなくいまいちな感じです。電話代を払わなくちゃならないのもね。

で、店頭でいろいろ眺めているうちに発見したのが、SONY mylo COM-2。無線LANにつながる小さな携帯用端末で、ビデオを見たり音楽を聴いたりもできるのですが、なぜかきちんとしたテキスト・エディタも備えていて、テキスト入力用として充分使い物になります。

もちろん、完全にコンピュータだったHP200LXとは違い、自作のプログラムが走るわけでもなく、好きなエディタをインストールできるわけでもなく、UNIX系のコマンドも使えないのですが(OSはLINUXですが、コンソールがない)、それでもかなり使えます。日常的にはこれで充分な気がします。HP200LXに慣れていた身には、キーボードもなかなか使いやすいです。いくつか試したスマートフォンより、キーボードはよかった。

実はwebちくまの原稿のかなりの部分はこれで書きました。

 

難点はちょっと見、PSPと間違えちゃうことですかね。会議中に使ってると、遊んでるみたいで、ちょっと恥ずかしいのですけど。

 

mylo COM-2を使っている人を見たことがないので(mixiのmyloコミュにははいりました)、書いてみました。できないことはできない、と割り切ってしまえば、なかなかよいです。HP200LXと違って、音楽を聴きながら文章が打てるのもよいですね。


2008/07/13 タミフル再び(追記7/14)

カテゴリー: サイエンス,インフルエンザとタミフル問題

厚生労働省の安全対策調査作業部会が「タミフルと異常行動との関連は検出できなかった」と結論づけたというニュースなのですが、なんというか、センセーショナルではないためか、メディアの扱いが小さいですね。もっときちんと報道してもらいたいのですが

 

とりあえず、産経と読売

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080711-00000084-san-soci

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20080711-OYT8T00278.htm?from=nwla

ニュアンスが少々違うように思います。

厚労省のサイトにはまだニュースリリースがないようなのですが、作業部会で報告された際のPPT資料とおぼしきファイルがありました。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0710-6al.pdf

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0710-6ak.pdf

きちんと読んでないのですけど、産経がいうほどには確定的でもないのかもしれません。しかし、積極的に因果関係を認める必要があるということはなさそうです。

詳しいかたのご意見がいただけるとありがたいです

 

まあ、タミフルによる異常行動を心配するよりも、インフルエンザでは異常行動が起きるのだと思っておくべきだということは間違いないでしょう。その点で、昨年と事情が変わったわけではないです。タミフルを飲んでないから安心、と思っちゃうほうがよほど危ないかもしれません。

[追記 7/14]

いくつかコメントいただきました。

浜六郎氏が今回の廣田班が行なった解析の誤りを指摘しているのですが、たぶんその指摘は正しいだろうということです。

少なくとも、タミフルがなんの影響も持たない場合ですら、タミフル非処方群の異常行動率を高く出してしまう解析になっていることは確かです。

詳細は#12の粂和彦さんのコメントとその中の文献やNATROMさんのブログ

http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080117

を参照してください(NATROMさんのは、厚労省が以前発表した結果に対するものですが、処方群から抜いたものを非処方群に入れるという意味で、話としては同じです)。

この間違いは、ついやってしまいそうですが・・・。

単純に計算すると、浜氏の言うように「タミフル処方群:非処方群 = 15.5%:11.9%」か、あるいは受診前に異常行動を発現した分を除いた 13.0 : 8.8 かいずれかのほうが、廣田班の報告にある 11.9:12.8 よりも意味がありそうです。データの詳細な解析が望まれます。

ただし、この場合はあくまで「処方・非処方」で比較しているので、純粋にタミフルの効果を見ているとはいえないはずです。タミフルが処方される場合と処方されない場合について、そもそも症状に差があるのかどうかが問題です。

 

誤解しないでいただきたいのですが、上に書いたように、「インフルエンザでは異常行動が起きるのだと思っておくべきだ」という知識のほうが重要です。タミフルを飲もうが飲むまいが、10%程度の子供は異常行動を起こすのです。

浜氏の文書では相変わらず「24人にひとりは純粋にタミフルのために異常行動が出現した」という点ばかりが強調されていますが、まずは「インフルエンザにかかったら、10人にひとりは異常行動を起こす」という知識が広まることのほうがあきらかに重要でしょう。そういうふうに、きちんといってくれればいいんですけどね。

[もうひとつ追記 7/14]

前の追記は、むしろ「インフルエンザで医者にかかる子供の10%強」とするべきですかね。

それはさておき、異常行動の内容も分類されているのですが、そのうちで「事故につながったり、他人に危害を与えたりする可能性がある危険な行動」に分類されているのは、せいぜい5%程度です(保護者と医師で判断が違うので、多い方)。つまり、10人に1人強(調査されている全数で言うと1.5人くらい)が異常行動を起こし、その5%が危険な行動をすることになります。全数でいうと、10000人中75だと思います。

タミフルの影響は最大限見積もっても1.5倍くらいなので、どうなんですかねえ。危険行動に関していえば、せいぜい0.8%と0.5%の違いってことじゃないですかねえ。