年末年始です。あんまりblogにアクセスできないでしょう。
懸案の長い文書とか、なんとか書きたいと思ってます。
そんなわけで、みなさまよいお年を
出たばかりの「大人の科学」10号はスターリング・エンジンです。それも"掌の熱で動く"というかわいいもの。即買いでしょう。
九大だからと思って活性水素の話とかしてるうちに、ふと「そういえば、水の結晶を作った研究者(当時はIHMではなくMRA総研)は九大の素粒子の博士課程出身だったはず」ということを思い出して、つい言ってしまったのですが、なにせその場には資料がないので、記憶だけで話したのでした。
大間違い。熊本大の博士課程修了者でした。ごめんなさい、僕の日本地図では熊本と博多は縮退しています。素粒子という記憶のもとも不明。素粒子でないかも。
というわけで、おわびして訂正しておきます。すみません
九大の中西秀先生のお招きで、「ニセ科学入門」の講演をしてきました。
20人くらいかと思ったら、講義室がいっぱいになったので、ちょいびっくり。聴衆が多いと、ついつい笑いをとりにいってしまう癖が出てしまいましたが、理系の聴衆だからよいか。対策云々よりも、問題の存在を知っていただくことが主眼ですからね。
九大なので、ご当地ネタとして活性水素の話もひとことだけ。なぜかテルミンと二本立てでした(^^
というわけで、九大のみなさま、お世話になりました。
結晶成長について、"融解後の再結晶らしい"と書いた理由が今になってわかりました。
雪氷学会の「雪氷」vol.59(1997)p.133に
「氷の中に現れた虹色の世界」(江本勝、石橋和也、佐藤誠哉)という解説記事があり、それを読み直していたら
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凍結したシャーレを-20℃の冷凍庫の中から観察場所である-3℃の部屋に移して、隆起した氷塊に顕微鏡のライトを照射し観察すると、微小な温度変化に伴い、氷塊が融解・蒸発します。同時に、その場の温度・湿度環境で安定な結晶の形を作り出すために、気化した一部の水蒸気が再結晶化(雪と同様に昇華成長)して、結晶に取り込まれます。
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とありました。
僕はこれを憶えていたわけね。
別のスレッドの下のほうに書かれていますが、たざきさんのホームページに「水は答えを知っている」についての立派な書評が出ました。↓
http://d.hatena.ne.jp/hal_tasaki/20051217
僕もまとまった文書を書こうと思いつつ、なかなか果たせないのですが、そんなこと言ってるといつまでたっても何も出ないので、細かい文書でも少しずつ公開することにします。
先日、小学校の先生と議論する際に配ったレジュメです。短いですが、そのような目的にはこのくらいがちょうどいいかと。↓
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/nisekagaku/mizuden_doutoku2.html
必要なかたはご自由にお使いください。
「これが絵本らしい」スレッドの下のほうが、シンポジウムの話題になったので、新しい記事にします。
物理学会で「ニセ科学」シンポジウムが実現したのは、タイミング(「物理学と社会」という分科会ができたばかりだった)がよかったことと、こちらの熱意を理解して貰えたことなどが理由だと思いますが(提案書がよかったに違いない)、もちろんこれを継続的に毎年やるというわけにはいきません。
これがきっかけになって、他の学会でも同様のテーマで企画が行われるようになればいいなあと思います。たざきさんも書いてくれたように、シンポジウム開催前にもかかわらず、「学会でニセ科学シンポジウムを行う」という事実自体に反響があるので、社会に訴えるという面でも効果的でしょう。
ごめん。すごい間違い。
元記事に茂木さんのメルマガって書いたけど、実はそうじゃなくて、「科学ML」への投稿でしたね。しかもこのMLは僕も当初から購読していて、この記事はずっと以前に読んでいたことに今気づきました(^^;。
寝ぼけていたようです。なんか深層心理にあるのでしょう。
ごめんね。いろんな意味でだめだわ。
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茂木健一郎さんが「水」批判を書いておられることを教えて頂きました
http://www.freeml.com/message/science@freeml.com/0006193
茂木さんが書いてくれていたことはありがたい。
書いている内容も極めてまっとうで、僕やほかのみなさんがいろいろなところで言ってていることと完全に一致すると思います。
以下は茂木さんの記事が2002年のものだということに気づかずに書いたもの(^^。2002年なら、もっともな記事であったことです。ごめんね。でも、コメントがついてるので、残しておきます
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気になるのは「実証性をうんぬんする前に」と書かれていること。まったくその通りだと思います。ただ、「実証性をうんぬん」とわざわざ書くのは、"批判派はその問題ばかりを取り上げている"と思われているのかな、という点が気になりました。もしそうなら嫌だなあ。
議論が「実証性」の話になりやすいのは、決してそこが最重要だからではありません。細かい話だから、長い議論になるということです。
僕自身は、本当なら、茂木さんのように"科学的に意味のない本であることはおそらくtrivialな話だと思う"のひとことで済ませてしまいたいという気持ちはあります。実験する必要などないと繰り返し書いてきたのは、まさに自明だから。
ただ、本当にそれで終わっていいのかどうか、自信はありません。blogのコンテンツが結果として、あまりに実験寄りになってしまっていることについては気になっているので、実験以外のきちんとしたまとめを作ります。
何回も書きますが、「菊池は科学の議論しかしていないのでけしからん」などと言わないように。どちらかというと、「菊池は科学の議論をせずに道徳の話ばかりするのでけしからん」と言われるくらいでいいです。
「人類の月面着陸はあったんだ論―と学会レポート」(楽工社 ; ISBN: 4903063011)が出ています。
タイトルから明らかなとおり、副島隆彦の『人類の月面着陸は無かったろう論』をはじめとする「アポロ計画捏造説」に対する徹底的な反論本です。もちろん、「アポロ計画捏造説」はニセ科学というよりも陰謀論なのですが、これはニセ科学に興味のあるかたにもお薦め。いろいろな面で相通じるものがあります。
たしかに言論は自由なのですが、『人類の月面着陸は無かったろう論』みたいな情けない本を大学教授の肩書きで出版するのはよろしくないですな
野尻さんの掲示板に情報が出ていました。
くだんの絵本は↓らしい
うーん、これじゃあ影響力ないや、とついつい思ってしまう脱力ものの絵本ですが、たぶんそういうことを言っていてはいかんのでしょう。なにしろ、元々の「水からの伝言」を大人が信じちゃうくらいなので、楽観は禁物。
でも、正直、しょうもない絵本やね・・・
批判する意欲を失わせようという高度な作戦かも。
主人公の名前が教祖と一緒な点は、オウムのマンガと似てる。