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2012/01/18 円城塔 芥川賞[kikulog624]
2012/01/15 放射線測定器についてひとつだけ[kikulog623]
2012/01/14 ノーモアヒロシマズについて[kikulog622]
2012/01/13 フクシマとは書かないし、311は原発事故のことじゃない[kikulog621]
2012/01/13 Christopher Busby Foundation for Children of Fukushimaからの訴訟予告[kikulog620]
2012/01/12 野呂美加さんと「チェルノブイリへのかけはし」についてもう少しだけ[kikulog619]

2012/01/18 円城塔 芥川賞[kikulog624]

カテゴリー: 日 記

おめでとう!


2012/01/15 放射線測定器についてひとつだけ[kikulog623]

カテゴリー: 放射能問題

個人的に郡山市に行って友人宅の放射線測定をする機会があったのですが、そのときにふたつの線量測定器を使うことができました。ひとつはHORIBA RADI PA1000でもうひとつはメディキタスCK-3。どちらもガイガーカウンターではなくシンチレーションカウンターでγ線だけを測ります。前者がCsI(Tl)で後者はCsI(TI)+シリコンフォトダイオードとなっています。RADIは友人の知人からお借りしたもので、CK-3のほうは郡山のTSUTAYAで借りました。なんとTSUTAYAで放射線測定器を貸しているのですね。

で、問題は二つの測定器がまったく違う数値を出すことでした。ほとんどの場合にCK-3の値がPA1000よりかなり高い。家の中や庭のいろいろな場所を二台で測ってみたのですが、その傾向は一貫していました。帰宅後にそのデータをグラフに描いてみたのが、この図です

20.2:648:492:320:243:TwoCounters:center:1:1::

横軸にPA1000の値、縦軸に同じ場所でのCK-3の値を取って、測定点をプロットしました。まあだいたい、CK-3が0.6μSv/h程度の下駄を履いているということでいいようです。どちらが正しいか、本当は言えないのですが、これまでに測定されている値を考え、また同時に測った宇都宮ガイガーカウンターの数値も考慮して判断すると、まあPA1000は正しそうです。

このCK-3がなぜ高い値を出すのかはわかりません。嵩上げなので、機械内部が汚染されているのかもしれません。レンタル品なので、これまで誰がどう使ってきたかわかりませんから。たとえば、裸で地面に直置きした人が何人もいたかもしれません。

CK-3という機種が悪いのではなく、この個体が悪いのでしょう

この話はこれだけなんですが、要するに、結構すごい数値を出しちゃう測定器もあるから注意しようね、ということです。

なお、ここでの測定値は室内も室外もごちゃまぜです。高いのは庭の土の部分でした。震災以降、ほぼ手付かずだったようで、そのせいか、地上高1mでも高いところは高い。

測定時のビデオがあるので、いずれ公開します


2012/01/14 ノーモアヒロシマズについて[kikulog622]

カテゴリー: 日 記

原爆の悲劇を「ヒロシマ」や「ナガサキ」というかたかなで表す習慣は、ノーモアヒロシマというスローガンから来ていると思われます。これには英語の原文があり、日本語表記がかたかななのは元が英語だからなのでしょう。このスローガンから、やがてヒロシマという単語だけが切り出され、また長崎も同様だとしてかたかなになったものと思われます。

しかし、No more Hiroshimaは英語としておかしいという指摘があります。で、僕は以前のブログ記事にコメントとして、原文はNo more Hiroshima's.という所有(広島の悲劇のような)らしいと書いたのですが、これは大きな思い違いでした。

中国新聞社の「10代がつくる新聞」というサイトの記事に出典が書かれていて

http://www.chugoku-np.co.jp/hiroshima-koku/exploration/index_20081111.html

これによると、元はPacific Stars and Stipesの記事だそうです。元が英語なので、これをスローガンにする際「ノーモアヒロシマズ」とカタカナにしたのでしょう。そこからいつのまにか「ズ」が取れてしまったのですが、英語としてはこれはおかしい

twitterで紹介していただいたブログ

http://aczog.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/post-9de2.html

にはマーク・ピーターセンさんが、「ここは複数にしないと英語としておかしいよ」と言っていると書かれています。ちなみに、このブログで紹介されているピーターセンさんの『日本人が誤解する英語』は持ってます。ピーターセンさんの本はたぶん三冊持ってる。身についてませんね

というわけで、Pacific Stars and Stripesの1948年3月6日号から(「10代がつくる」には3/5の記事と書かれていますが、3/6の新聞です)、Rutherford Poats記者の"Rev. Tanimoto Arrives To Launch Campaign"という記事です($4.95払って記事アーカイブへの一日アクセス権を買いました)。歴史的な記事なので、全文引用してもいいかなあという気もしますが、問題の文が出てくる冒頭第一パラグラフのみ

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The Rev Kiyoshi Tanimoto, American-educated hero of John Hersey's "Hiroshima,'" arrived here yesterday to launch his campaign to set August 6 as World Peace Day, commemorating the anniversary of the first use of the atom bomb and expressing the worlds hope that there will be no more Hiroshimas.

......................

最後のところ、"expressing the worlds hope that there will be no more Hiroshimas."が、No more Hiroshimasというスローガンの原典なのでしょう。

複数形のHiroshimasは「広島のような悲劇」という意味で使われていますが、この複数の使い方はいささか難しいというか、僕の英語力では言われないとわからないという感じです。

いずれにしても、英語の原文があり、そこから英語のスローガンが作られ、それがかたかなで表されるようになった。しかも、実はもともとHiroshimasだったものがいつのまにかヒロシマになったという歴史のようです


2012/01/13 フクシマとは書かないし、311は原発事故のことじゃない[kikulog621]

カテゴリー: 日 記

「フクシマとは書かない」と以前書いた。

フクシマと書く人たちがいったい何を考えているのか僕は知らないけれど、この書き方はそこに現に人々が生活しているという事実をどこかに捨てて、ひどく抽象化した何かを表しているように感じる。

福島には人々が暮らしているが、フクシマはそうではないように思うから、フクシマとは書かない。

先日、「311」という言葉で原発事故を表現する人たちがいるね、という話になった。

もしかすると、僕もそういう使い方をしたことがあるかもしれない。

もちろん、それはだめだ。

2011年3月11日は多くの人々が原発とは関係なく亡くなり、さまざまなものが失われた日だ。

日付の数字で何かを表そうとすること自体が問題かもしれないのだけど、それはそれとして、僕たちは「311」という言葉を決して「原発事故」と同義であるかのように使うべきではないのだと思う。

もしかすると自分でもそうしてしまったかもしれないので、自戒も含め


2012/01/13 Christopher Busby Foundation for Children of Fukushimaからの訴訟予告[kikulog620]

カテゴリー: 日 記

よくわからない話ですが、Christopher Busby Foundation for the Children of Fukushima (CBFCF) という組織が、僕を含む何人かに対して刑事告発と民事訴訟を準備しているのだそうです。

ひとつはこの「御用学者発言撤回訴訟」

http://megalodon.jp/2012-0111-0705-32/www.cbfcf.org/%E8%A3%81%E5%88%A4-%E5%BE%A1%E7%94%A8%E5%AD%A6%E8%80%85%E7%99%BA%E8%A8%80%E6%92%A4%E5%9B%9E%E8%A8%B4%E8%A8%9F/

書かれていることによれば、

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今回、神奈川県より、ストロンチウムが検出された問題で、当会は、以下の方々に対し、『発言撤回及び公式謝罪要求訴訟』を行う事に致しました。

これは、以下の方々が、テレビや新聞・インターネットなどを通じて、公の場で、無責任な発言した為に、多くの方々が、避難できなかった事実を踏まえ、これらの発言の撤回及び公式謝罪要求の訴訟を行う事を決定いたしました。

.....................

あまり要領を得ないのですが、訴訟対象として

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【プルトニウムやストロンチウムは重いので遠くへ飛ばない。】との発言を行った方々。

中島健(京都大学原子炉実験所教授)、

野尻美保子 (高エネルギー加速器研究機構(KEK))

菊池誠

加地辰美(防衛医科大学病院放射線部技師長)

中川恵一(東京大学病院放射線治療チーム)

石川迪夫(日本原子力技術協会最高顧問)

..................

と書かれています。ちなみにこれは随分以前からあった文書で、以前は僕の代わりに片瀬久美子さんの名があったはずです。脅すばかりで訴訟には至っていないということでしょう。

................

CBFCFは、連名にて訴訟を行う方々を募っております。

...............

とあるので、賛同者が集まらないのでしょうか。集まらないのはまったくかまいませんが、「訴訟するぞ」と書くだけ書いて脅すだけっていうのは、いいんですかね。

それから、もうひとつが新しいほうで、「サイバー犯罪・サイバー暴力・威力業務妨害・名誉棄損・恐喝」だそうです

http://megalodon.jp/2012-0113-1344-06/www.cbfcf.org/

書かれていることによると

........................

CBFCFは、当会の理事3名に対し、執拗に嫌がらせ行為・及びストーカー行為をおこなっていた山形大学(学長 結城 章夫)の天羽優子並びに片瀬久美子並びに堀田昌宏・高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木 厚人)の野尻美穂子・大坂大学サイバーメディアセンター(センター長中野 博隆)の菊池誠に対しサイバー犯罪・サイバー暴力・威力業務妨害・名誉棄損・恐喝に対する刑事告訴と損害賠償請求(1億6千万円)の民事訴訟をすることに致しました。

......................

なのですが、その下のほうには

........................

CBFCFは、当会の理事3名に対し、執拗に嫌がらせ行為・及びストーカー行為をおこなっていた山形大学(学長 結城 章夫)の天羽優子並びに片瀬久美子並びに堀田昌宏・高エネルギー加速器研究機構(機構長 鈴木 厚人)の野尻美穂子・大坂大学サイバーメディアセンター(センター長中野 博隆)の菊池誠に対し刑事告訴と損害賠償請求(1億6千万円)の民事訴訟をすることに致しました。

この5名は、自信のブログやツイッター内で、当会の理事及び理事の会社に対し全くのデタラメを公言し威力業務妨害・誣告罪・名誉棄損・損害賠償請求をおこなう事に致しましたので、ご報告させていただきます。驚くことに、この者達のすべてが、政府関係施設で働いています。

.........................

とも書かれているので、どの罪で刑事告発して、何が民事なのか、今ひとつはっきりしません。

とはいえ

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当然なことながら学長や理事長やセンター著などは、大変、良識的な方々であります。

しかるに、これら非常識なものを断罪しないのであれば、それは、いかがなものか?と首をかしげたくなります。

そこで、当会は、最初、これらの学長やセンター長などに対し、配達証明付き内容証明を送ることにたしました。

......................

だそうなので、サイバーメディアセンター長宛てに何か届くのかなと思います

クリス・バズビーという人はご存知のようにECRRのトップ(たぶん)で、日本に来て放射能測定してみせたり、カルシウム・サプリメントがセシウムの害を防ぐと言ったり、まあ正直怪しい人です。ECRRだからというので、信じる人も多いのですが、先日はイギリスのガーディアン紙が彼に関する疑惑を大きく取り上げて話題になったので、もう「過去の人」でしょう。信じるに値する人ではないという判断でいいかと思います。

えーっと、ガーディアンはこれでいいのかな

http://www.guardian.co.uk/environment/2011/nov/21/christopher-busby-radiation-pills-fukushima

その名を冠したCBFCFからの「訴訟予告」なのですが、どうやらクリスはCBFCFと縁を切ったようで、何がなんだかわけのわからない状態になってはいます。

それでも、CBFCFが訴訟予告をしているという事実はあります。むろん、こちらはサイバー犯罪に相当するようなことはしていませんし、そういう言いがかりをつけられては困ります。サイバーメディアセンターというセンターに所属しているのですから、そういう問題を起こすわけにはいきません。まったくの言いがかりです。

訴訟するというからにはするのでしょう。たぶんね。こちらに特にやましい点があるわけではないので、粛々と対応するだけですが。

なんというかな、いろいろなことがありますね。

仮にも「福島の子どもたち」という言葉を掲げるのなら、もっと本当に福島の子どもたちのためになることをしたらいいのではないかと思いますよ。ほんとに


2012/01/12 野呂美加さんと「チェルノブイリへのかけはし」についてもう少しだけ[kikulog619]

カテゴリー: 放射能問題

日本保健物理学会のサイトの「暮らしの放射線Q&A」に「チェルノブイリへのかけはし」に対する見解が掲載されました。

http://radi-info.com/q-1243/

質問者のかたはどちらが正しいのか真剣に悩んでおられるのでしょうし、なにしろあまりにも見解が違うので、おそらくはほかにも同様の質問は寄せられてのでしょう。そのいっぽう、答えるのも大変かなという気がします。慎重な表現に終始しつつ、野呂さんの話は普通の見解とは違うよと言っています。

前にも記事を書いたように、野呂さんが言っていることや書いていることは基本的におかしいし、まあだいたいはでたらめと言っても過言ではないだろうし、少しくらい正しいことを言っている場合があるとしても、だいたいはでたらめなんだからと無視しておくほうが害が少ないくらいだと思います。僕なら、野呂さんの発言のいい点を探す労力をかけるより、あっさりと全部を無視することをお勧めします

野呂さんはあいかわらず精力的に「お話会」をされているようです。中身さえでたらめでなく、ありもしない恐怖をいたずらに煽るものでなければ、すばらしいことです。科学者も本当はそのくらいしなくちゃならないのでしょう。世の中に野呂さんはひとりで、科学者はたくさんいるのに、どうしてそうならないのだろう、とは思います。とはいえ、残念ながら、野呂さんではだめだ。もちろん心配なことはあります。本当に心配すべきことはあるのですが、野呂さんが言っておられるのはほとんど妄想上の恐怖というべきで、不安を抱えるお母さん方にその妄想上の恐怖を伝染させるのは、とてもじゃないけど認めがたい行為です。

善意と正義感によるのでしょうけど

もちろん、どの程度心配するのかは人それぞれ自由なのですが、やはりいちおうはそれなりに認められている知見に基づいて心配したほうがよいのではないかと思います。妄想上の恐怖をもとに心配するのは、いかに自由だとは言っても、あまりお勧めしたくはない。特に東京あたりでは、ちょっとした注意程度で済ませられるはずですし、実のところ無頓着でも問題はないでしょう。それを恐怖に脅えて過ごすのは、かなりやりすぎだと思います。野呂さんを真に受けて、子どもの行動を制限したり、食事を制限したりすることがあったら、それこそ放射能よりもずっと大きな害があるでしょう。それがこわい

東京あたりでは、たぶんこれから、「まあちょっと注意すればいいんだろうな」という考えの人が増えるでしょう。何も起きませんから。起きるとすれば、世田谷の事件のように、原発事故とは無関係の放射性物質が発見される可能性のほうが高い。

もちろん、世田谷のラジウムは大変なできごとでした。一部には福島原発由来でないと知ったとたんに安心したり無視したりした人たちもいたようですが、そんなことはありません。あれは原発由来のセシウムなんかより(東京では)圧倒的に危ない。原発からのものでなければ気にしないというのは、大きな間違いで、あんなものすごい放射性物質が民家にあったというのは本当に「日常に潜む脅威」です。

それはさておき、これからはちょっとした注意でいいやという人やまったく無頓着な人が増えていきます。東京なら無頓着でも特に問題はないはずです。でも、野呂さんを信じて脅える人たちもいなくなりはしないのでしょう。そういう人たちが周囲から孤立していくのが僕はとても心配です。

そうならないためには、やはり野呂さんのようなかたの妄想には付き合わないようにするしかないのかな、と思います。いや、難しいですけど。

野呂さんを信じているかたがたが、もう少し普通の人たちの意見に耳を傾けてくれるといいのですが

孤立させないことが何より重要なのではないかと思います

社民党の福島瑞穂さんなども、どうやら野呂さんに好意的らしいのですが、公党の党首がそれはまずいです。非常にまずい。そうではなく、強い不安を抱えるお母さんたちをどうすれば孤立させないで済むかを考えてもらいたいところです。