いくつかのコマンド

whoamiだけではあまりにもあまりなので、ターミナルで使う基本的なコマンドをいくつか試してみよう。

man : いろいろなコマンドの使い方を見る(manualの略。"人"のことではない)

manのうしろに使い方を知りたいコマンド名を入力する。たとえば
$man whoami
とすれば
WHOAMI(1)                      FSF                      WHOAMI(1)

NAME
       whoami - print effective userid

SYNOPSIS
       whoami [OPTION]...

DESCRIPTION
       Print the user name associated with the current effective user id.
       Same as id -un.

       --help display this help and exit

       --version
              output version information and exit
:
などと表示される。
1ページに収まりきらないときは、最後にコロン":"が表示されるので、スペースを押すと次ページへ進む。 また、"q"を押せば、終了する。

基本的に紙のマニュアルを持たず、コマンドの使い方はすべてこのmanコマンドで調べる、というのが "正統UNIXライフ"らしいが、上のように英語の説明しかない場合もあるし、初心者にはむずかしいかもしれない。

ls : ハードディスクに格納されている自分のファイルのリストを出力する("list"か?)。

$ls
前ページで作ったファイルやその他のファイルの名前が表示されただろうか。 このコマンドにはいろいろな使い方があるが、それはおいおい知ればよし。

cat : ファイルの中身を見る("猫"ではない)

たとえば、test1.cというファイルの中身を見たければ、cat test1.cとする。画面はたぶん
$cat test1.c
#include
main()
{    
 int i;
 double x;

 x=0;
 for(i=1; i<=10; ++i){
        x += i;
        printf("%f\n", x);
  }
 }
$
のようになるだろう。コマンドの次の行から、次のプロンプト($)の前の行までが、ファイルtest1.cの中身だ。

less:ファイルの中身をもうちょっと便利に見る

catで長いファイルを見ると、初めのほうは消えてしまったりするので、決して便利なものではない。そもそもcatというのはconcatinationつまり「結合」の略で(こんなのを”略”とよぶかどうかはさておき)、もともとはファイルを結合するためのコマンドなのである。画面でファイルを見るのはおまけ機能といってもよい。ファイルの中身を見るための専用コマンドにmoreがある。これは1画面分のデータを表示するたびに画面を止めてくれるので、ゆっくり見ることができる。コマンド名にふさわしく、1ページ表示するたびに"more?"と訊いてくる。 しかし、前のページに戻る機能がないので、何度も最初からやりなおしになったりする。そこで、前にも戻れるように拡張したものがlessである。というわけで、今はlessを使うのが普通だろう。test1.cの中身を見たければ
$less test1.c
でよい(ただし、test1.cは短すぎて、1ページで全部表示されてしまうので、lessのご利益はあまりない)。 1行ずつ前後に進めるには矢印キーが使える。1ページ先へ進めるにはスペースキーまたは"f"(forward)を押す。1ページ戻るには"b"(backward)である。 "q"(quit)で終了できる。ほかにもいろいろな機能があるが、それはおいおい知ればよし。

rm : ファイルを消す("remove")

あとに消したいファイル名を書く。これは危険なので注意すること。うっかり消してしまったファイルは 再生できない。WindowsやMacのように"ごみ箱"をあされば拾えるというわけにはいかない。
test1.cを消すなら
$rm test1.c
あー、やっちゃった! にならないように。

cp : ファイルの複製を作る("copy")

同じ内容のファイルを別名でもうひとつ作る。たとえば、あるプログラムをちょっとだけ直して別のプログラムに したいときなど、一から入力するよりも、元のプログラムのコピーを作って、それを変更するほうが簡単。
geditなら"別名で保存"ができるので、geditを使う限りはcpを使うことはあまりないだろう。
たとえば、test1.cというファイルのコピーをtestjanai.cという名前で作るには
$cp test1.c testjanai.c

mv : ファイル名の変更("move")

本当はファイルを移動するコマンドだが、とりあえずは名前を変えるものだと思っておけばよい。
test1.cというファイルをtestnanoda.cという名前に変更するには
$mv test1.c testnanoda.c
というわけで、使い方はcpと似ている。実際、mvと同じ作業はcpしてからrm しても実現できる。
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