研究トピックス

プロジェクト

ガラス・ジャミング系

[softparticles]

結晶では原子・分子が規則正しく配置し、硬い固体状態が実現しています。 一方、ガラスは液体のように乱れたまま硬くなっています。 その剛性発生のメカニズムは、長らく物理学における重要な未解決問題になっていました。 一方、コロイドや、エマルジョン、砂など、巨視的スケールの「つぶ」をぎっしり詰めた系、 ジャミング系がクローズアップされ、その力学特性に興味が持たれています。 これらの問題について、我々はレプリカ液体論などの理論、 分子動力学法などに基づく数値シミュレーションによって研究しています。

ガラス・ジャミング状態での力学応答の解析

レプリカ液体論は、液体密度汎関数理論と、ランダム系の統計力学で培われたレプリカ法を組み合わせた理論で、最近急速に発展しています。ごく最近、無限大次元極限で厳密になる平均場理論がこの方法で構成できることが示されました (Charbonneau-Kurchan-Parisi-Urbani-Zamponi 2014)。その結果、高密度領域では、ガラス転移での1段階のレプリカ対称性の破れ(1RSB)に上乗せされて、連続的なRSBが起きること(ガードナー転移)が示されました。これによって、ガラス転移、ジャミング転移を第一原理的かつ統一的に解析できるようになってきました。

我々は、レプリカ液体論を用いてガラス・ジャミング状態の力学特性を第一原理的に解析する方法を見出しました。また 上記のガードナー転移が粘弾性特性(レオロジー)に反映されることを理論的に示しました。 さらにこれを(実験に先んじて!)検証するために、分子動力学(MD)シミュレーションを用いた数値実験を行っています。 大規模な計算を行うために、阪大サイバーメディアセンター、東大物性研、岡崎然科学研究機構などのスパコンを用いています。

回転自由度のガラス転移、ジャミングと関連する問題

ヤヌス粒子や楕円体のコロイド、粉体などには並進自由度のみならず回転自由度があります。回転自由度、また回転自由度と並進自由度の 絡んだガラス転移、ジャミングについて無限大次元極限で厳密になる 平均場理論を構成し、解析しています。 これはフラストレート磁性体のスピングラス転移、また連続色によるグラフの彩色問題のSAT/UNSAT転移など連続自由度の制約充足問題にも深く関係します。 (Yoshino 2017)

非線形レオロジー、非線形電気伝導、...

磁場中ジョセフソン接合配列の問題は、 フラストレート磁性の問題から、ジャミング転移、摩擦転移、非線形レオロジーにまで関連する 興味深い問題です。我々は、理論・シミュレーションの両面から解析を行ってきました。

(動画)外部電流に駆動された磁場中ジョセフソン接合配列での磁束量子、 電流(横・縦方向)の様子 (Yoshino-Nogawa-Kim 2009)より

スピングラスとその関連系

スピングラス、またこれに類似する一群の系では、ガラス相はギリギリの安定性しか持たない大変奇妙な相で、わずかな温度などの変化に対して、安定なコンフィグレーションがガラガラと変化してしまう(静的カオス効果)と予想されています。これにガラス系特有のスローダイナミックスが加わることにより、若返り・メモリー効果などの興味深い現象が起きていると考えられています。これらの問題について、さまざまな角度から、理論研究、数値実験、また実験グループとの共同研究を行ってきました。

動的メモリーの現象論 (Yoshino-Lemaitre-Bouchaud 2001)

実験グループとの共同研究 (Jonsson-Mathieu-Nordblad-Yoshino-Katori-Ito 2004)

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