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Processing入門1


プログラミング言語って何?

この授業ではProcessingと言うプログラミング言語を使う。

プログラミング言語というのは、コンピュータに望みの仕事をさせるための命令を書くための言葉だ。本当は、コンピュータは機械語と呼ばれる言葉しか理解しない。しょうがないので、昔の人たちは機械語を覚えて、コンピュータに機械語で命令を与えていた。しかし、機械語はあくまでもコンピュータのための言葉で、人間には向いていない。よく言われるようにコンピュータの中ではすべてが0と1の組み合わせで表される。機械語というのも、0と1の組み合わせでコンピュータに指示を出すものだから、人間が理解するにはかなりの訓練が必要になる。

そこで、昔の人は人間に理解できる言葉をコンピュータが理解できる機械語に自動的に翻訳できればいいなあと考えた。本当は人間が日常の言葉で命令できるなら、それに越したことはないのだが、コンピュータはそれほど頭がよくはないので、自動翻訳はなかなかうまくいかない。たとえば「私はコーヒーとケーキ」なんていう文章を自動で英語に翻訳するのは至難の業だ。もちろん、これはコンピュータへの命令でもなければ、機械語への翻訳でもないけど。

いずれにしても、機械語へ自動翻訳できるようにするには人間の側も妥協が必要だ。そんなわけで、人間がまあまあ理解できて、機械語にも曖昧さなく翻訳できる、そういう言葉がいくつも発明された。それを総称して「プログラミング言語」と呼ぶ。大昔作られたプログラミング言語にはFORTRANやLISPなんていうものがある。パーソナルコンピュータの時代になってよく使われるのはCとかC++なんていう変な名前の言語やJAVAという言語などだ。あるいは、印刷を得意とするPostscriptだとか、音を得意とするchuckなんていう特殊用途に特化した言語もある。

Processingは比較的新しいプログラミング言語だ。どのくらい新しいといって、正式版が公開されたのが2008年11月のこと。もっとも、最初のテスト版は2001年に公開されているので、それなりの蓄積はある。いちおうたいていの「計算」はできる言語ではあるが、なんといってもグラフィック・アートやアニメーションなどを作りやすいように考えられているところが特徴で、これくらい簡単に絵が描ける言語はあまりないと思う。


準備と起動

これから Processing のプログラムを作っていく。その前に、作ったプログラムを保存するフォルダを用意しておこう。マイドキュメントの中に授業専用のフォルダを新規作成で作っておくこと。

Processing は Start ⇒ devel に登録されているので、選べば起動する。最初の状態では白紙のエディタが起動し、タブに「sketch日付」のような名前が書かれている。Processing では各プログラムは sketch と呼ばれて、一括管理されている。sketch の名前はあとで変えられるので、とりあえずそのままにしておく。自分が作った sketch は後々、Processing のメニューの File ⇒ sketchbook で呼び出せる。

図1


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