一日間違いました。訂正
明日、金澤一郎学術会議会長がホメオパシーについての会長談話を発表するようです。
金澤さんは、以前、厚生科学審議会でホメオパシーについて警告しており、以前から問題として認識しておられました。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/02/txt/s0204-2.txt
とりあえず、これだけ書いておきます
[追記]
出ましたね。
学術会議のウェブサイトで読めます
[追記]
唐木英明さんのmixi日記によると
........
日本医師会、日本医学会、日本歯科医師会、日本歯科医学会、日本獣医師会、日本獣医学会、そして日本薬理学会が、日本学術会議会長談話への賛同の声明を出す予定です。
日本医師会と日本医学会は明日共同記者会見をします。
........
とのことです。
だいぶ大きな話になってきたけど、反発も大きいでしょうね。
ホメオパシーに頼って現代医療を徹底的に拒否した結果、亡くなられたかたの関係者が、「憂慮する会」を結成して、問題のホメオパス本人と日本ホメオパシー医学協会に対する要求を公開されました
http://www012.upp.so-net.ne.jp/mackboxy/Health/
公開されている文書は亡くなられたかたからホメオパスへのメール記録を含むものです。このメール記録は、読むのが辛いですが、貴重なものであると思います
この件でアドバイスできる医師のかたがおられれば、連絡してあげてください
あとで追記します
[追記]
現在、文書は非公開になっていますが、記事はこのままにしておきます
ホメオパシーのエントリーばかりになってきたので、どうかなあとも思いますが、とりあえず必要なエントリーは作っておきます
個人名のはいったエントリーを作るのは、もしかすると浜六郎氏以来のことかもしれません。
ホメオパシー関連で、以前から琉球大学理学部・大瀧丈二氏の名前が挙がっていました。
松本丈二の名前で(ペンネームか旧姓かは知りません)ホメオパシーを肯定的に紹介するだけでなく、以下のライフェ自然療法館ではホメオパシーコース担当スタッフになっています。
http://www.justmystage.com/home/lifeokinawa/
スタッフ紹介から引用すると
..........................
松本丈二(まつもとじょうじ)
長崎市出身。コロンビア大学大学院生物学部博士過程修了。生物学Ph.D.。アメリカ留学中にホメオパシーを学ぶ。ケンブリッジ大学医学部研究員、神奈川大学理学部助手を経て、現在琉球大学理学部準教授。大学での専門研究と並行して自然史思想を打ちたて、健康で幸福な社会を目指す。蝶を愛するナチュラリスト。
著書『ホメオパシー医学への招待』(フレグランスジャーナル社)は日本にホメオパシーブームを巻き起こした定評ある本。著書にはほかに『自然史思想への招待』(緑風出版)など、共著に『自然史食事学−自然の歴史に学ぶ最高の食事法』(春秋社)ほか、訳書に『ホメオパシー医学哲学講義』(緑風出版)、共訳に『ガン代替療法のすべて』(三一書房)などがある。 書籍のご案内はこちら。
..........................
その松本氏は大阪で先日行なわれた「ホメオパシーと科学性」セミナーでも講演し、その様子が動画で公開されています。
kataseさんが、別エントリーに動画を見てのコメントを書いておられるので、転載しておきます
.......................
【ホメオパシーと科学性】セミナーの対談を視聴しましたが、相変わらずの現代医学否定です。
松永氏の話の内容
・現代医学は例えば実際には存在しない(?)「糖尿病」を枠として捉えてしまって個々の患者を診ていない
・薬剤師さんの証言として数十万人から100万人の例を知っているけれど病院の薬で治ったと思える人は一人もおらず新たにどんどん重い病に罹っていく
・ホメオパシーには空理空論は一切存在しない
・分子が一つも残されていないことを理由に否定する科学教に取り憑かれた人達の狭量な愚かさ
・統計は抽象であり条件を操作すればどんな結果でも導き出せる曖昧なものなので迂闊に信じてはいけない
・実験の再現性というのは実験する人の技量の問題があるので無意味
・真の科学者である松本先生などはちゃんとこれらを知っている。
松本先生の話
・統計はトリックであり、ある一面しか示していない。特に生物学の場合はどういう視点で何を計るかが違うとガラッと変わるので科学者は統計に固執しない
・統計は"お化粧"であり自分の論を尤もらしく正当化するためのもので、それがサイエンスというもの
・統計で差異がが出なくて否定されても、その研究者が何か違いがあると思うのならば、そこにはやはり何か違いがある
・統計はあくまでも、その研究者の主観や感性を反映させる為に使うもので、実際にそういう風にしか使えない
<松本先生、同じ生物学系研究者として言います。科学研究を、こんなに主観を入れまくってやってしまっていいのでしようか?大学教授ですよね?(^^;)>
(続き)
・生物を相手にする研究は、一般化できることは非常に少ない
・生物はブラックボックスであり理論が無く、僕は未だに一般法則を見つけられていない
・細胞の種類が少しでも違うと、全然違ってしまうものだ
< ちなみに、私の様な平凡な研究者でも、動植物に共通したある蛋白質の機能を解明して、今でも動植物関係の論文に広く引用され続けています。私以外にも数多くの研究者が生物種や細胞種を問わずに一般的に見られる共通性のあるものを次々と解明されていらっしゃいます。>
(続き)
・生物を一般化するのは非常に危険である
・こういった一般化が難しい生物の研究が、治療の方面になると訳の解らない一般化や抽象化がなされてしまう
・生物学者から見て、現代医療は非科学的である
<私も生物学者の一人ですが、そんなことは決して思いません。>
(続き)
・ホメオパシーは、現代医学的な二重盲検法による治験にはそぐわない
・統計的なものを利用していくと、どんどんリアルから外れてしまう
・治験によって選ばれた薬は、しょせんその程度のものでしかない
・ホメオパシーは患者の治癒を目指して到達したやり方である
・だから、ホメオパシーは真の意味で科学的である
以上、動画の37分15秒までのところです。
もう、突っ込み所が満載です。くらくらしてきます。
続きは、一旦休憩してから視聴します。
.............
困ったものだ、としか言いようがないのですが、このエントリーで検討しましょうか。
特定の個人ですので、書き方には充分に注意してください
[追記]
もちろん、ホメオパシーのレメディに精神的な効果(プラシーボ効果)しかないことは自明です。
[追記]いやいや、ぼんやりしていて、1分子と1gがごちゃごちゃになっていました。すみません。ご指摘感謝します。書きなおしました。ダメですねえ。すっかり、しょぼーんですよ
コメント欄でちょっとだけ話題になったことです。
誤解する人は少ないとは思いますが、まあ息抜きにひとつ。
ホメオパシーのレメディで標準的に使われるのは30Cと言われる希釈度のものです。
Cは100倍希釈で、それを30回繰り返したものが30C。濃度でいうと、「10の60乗」分の1です。
そんなとんでもない希釈度にするにはどれだけたくさんの水が必要なんだ? という素朴な疑問がわくかもしれません(わかない人のほうが多ければ、そのほうがいいです)。たしかに1gの成分を「10の60乗」分の1に(重量で考えるとして)希釈するには、「10の60乗」gの水が必要です。これは地球上にある水の総量より圧倒的に多い。
しかし、30Cは家庭でも簡単に実現できます
たとえば、食塩1gから30Cを作ってみる(重量で「10の60乗」分の1にするとして)。
用意するもの: 食塩1g、水3リットル、コップ、捨てた水を溜めるための容器
1) コップに100ccの水を入れて、食塩1gを溶かします。これで1/100希釈(厳密にやりたい人は水を99gにすること)
2) コップに1cc残して、ほかは容器に捨てます。
3) コップに水を足して、100ccにします。
4) 2-3の手順を全部で29回繰り返し
すぐにわかるように、必要な水は3リットルです。そして、30C希釈の食塩水が100ccできます。
この100ccの食塩水には食塩が1分子も残っていません。
では、食塩はどこにいったのか。もちろん、捨てたほうの水にすべての食塩の分子が溶けているわけです。
ステップ2を一度行なった時点で既に0.99gの食塩は「捨てるほうの容器」にはいってるのですよね。
天文学的希釈度なのに、実はこの程度で実現できてしまう。
これ自体はちょっと直観に反する面白い話かもしれません。当たり前かもしれませんけど
[追記]
ちなみに、本当にレメディにしたいかたは、「震盪」という重要なプロセスがあるので、お忘れなく。
朝日新聞が先日の記事に続いて、本格的にホメオパシーの被害を取り上げはじめましたね
http://www.asahi.com/health/news/TKY201008100476.html?ref=rss
この記事で取り上げられている二件はいずれも日本ホメオパシー医学協会に関係しています。
また、そのうちのひとつは助産院でホメオパシーを薦められたために(ために、でしょうね)、子どもが亡くなったというもの。
新聞が取り上げ始めたので、今後このような事例は次々と明らかになるのではないかと思います
http://jphma.org/About_homoe/jphmh_oshirase0805.html
に以下のコメントが出ました
..........................
朝日新聞8月5日付 福井悠介、岡崎明子記者
?「元の物質の分子が残らないほどに希釈した水を含む砂糖玉が体に作用を及ぼす」との考えが科学的におかしいのは明らか。」
大阪大の菊池氏の発言として掲載されていますが、もしこれが事実としたら、研究もせずに、自分の持つ価値観、自分が学んだ範囲でのみ考えて結論を出し、頭から否定するというのは、科学者として頭が固すぎるといわざるを得ません。過去の歴史からも、未知のものを既知としていくところにこれまでの発見があり、発展があるということを学ぶことができるのに、そのことさえも認識されていません。
科学的な根拠に関しては、以下のRAHUK体験談の管理人のコメントが参考になると思います。
http://www.rah-uk.com/case/wforum.cgi?mode=allread&no=2329
...................
管理人コメントについては、すでに別項のコメント欄で議論が進んでいます。要するにこのコメントはダメとしかいいようがないということです。
科学に見える用語を散りばめてはいても、意味のあることはなにも書いてないのですから。
さて、10の60乗倍に希釈した水を砂糖玉に染みこませたものの成分は、水と砂糖です。水はもしかすると蒸発してるのかもしれませんが。
水と砂糖は水と砂糖ですから、水と砂糖としての効果しか持ちません。特に実験だの研究だのをする必要はありません。あまりにもナンセンスな話はいちいち反証だの実験だのをせずに否定してかまわないし、そうするべきですよ。
といっても、ホメオパシーが200年の伝統を持つヨーロッパではそんなわけにいかないからか、臨床研究がたくさんあり、レメディの効果はプラセボと変わらないことがはっきりしていますよね。
興味深いのは、このコメントはまるでホメオパシーを「新しい科学」であるかのように位置づけていることです。
もちろん、違います。ホメオパシーは新しい科学などではなく、200年前の科学です。ブログのコメントで何度も指摘されているように、ハーネマンがこれほどの希釈度になんの疑問も抱かなかったのは、原子・分子の存在が知られるよりずっと前だったからですし、物質の性質についても当然よくわかっていなかったからです。
ですから、200年前の人がハーネマンの理論を真に受けることと、現代人が真に受けることとではまったく意味がちがうのです。前者はある程度しかたがないのに対し、後者は単に「常識も知らない」ということに過ぎません。
いずれにしても、「根拠」なるものがなんの証明にもなっていないことは明らかですから、JPHMAのみなさんも自分たちできちんと証明してから文句を言ったらいいのではないかと思います。立証責任は明らかにJPHMA側にあります。
[追記]
キャリンさんに由井寅子の文章
http://www.homoeopathy-books.co.jp/introduction/hadonosekai_3.html
をご紹介いただいたので、ちょうどいいサンプルだから読んでみてください
こういう文章を読んで、科学者なら「苦笑する」「投げ出す」「怒る」のいずれかだと思います。
もし、「科学的なのかも」と思ってしまったら、要注意です。
この文章にはフラクタル・素粒子・クォーク・液晶・エネルギー・ペンローズ(^^;)など、現代科学っぽい単語が並んでいますが、意味はまったくありません。「内容はないよう!」です。「科学に見せかけたでたらめ」の好例なので、いずれきちんと分析してみてもいいかもしれません。かなり元気がないと、読み通せませんが。
ニューエイジ系にはこういうのが多いので、由井さんだけがでたらめなのではないですけれども。
ポイントは「科学に見える言葉をどれほど並べたとしても、それが意味のない並べかたであるなら、単なるでたらめにすぎない」ということです。ひとつひとつの単語の「科学っぽさ」はこの場合、「めくらまし」以上の意味を持ちません
こういうかたがたにダメ出しされるというのは、結構いいことかもしれません。
朝日新聞Beに掲載されたホメオパシーの記事がネットで読めるようになりました
http://www.asahi.com/health/feature/homeopathy.html
朝日は例の訴訟事件以前から取材していたようで、由井寅子にインタビューするなど、行き届いた記事になっています。
しかもブログにフォローアップの記事も掲載されており、本気度が感じられます
https://aspara.asahi.com/blog/kochiraapital/entry/kNKQFuNbTK
まだまだ新聞の影響力は大きいし、ネットで情報を得る人と新聞等で情報を得る人とはだいぶ違うので、新聞にこのような記事が載るのはありがたいですね。
これをきちんと読めば、ホメオパシーのおかしさについて多くの人が理解してくれるのではないかなあ。
[追記]
朝日本紙にも別の記事が出ました。
これもまとまっています。
ネットでも公開されていますが、紙版のほうが分量があるようですので、そちらも見てください