webちくまの連載エッセイが最終回を迎えました。
一年経ったわけです。おつきあいくださったみなさん、ありがとうございました。
例によって「ニセ科学」の周辺をぐるぐる回るだけだったので、読んでて歯がゆい感じを受けたかたも多いかもしれません。妙ちくりんなエッセイでしたね。
いや、最後のほうは更新日の朝に入稿みたいなことが続いて、ほんまに関係者のかたがたにはご迷惑をおかけしました。イラストを引き受けてくださったときにはこんなことになるとは夢にも思わなかっただろう水玉さんと担当編集の石島さんには深くお礼申し上げます。
で、これで安心してはいけなくて、ほかにもいろんな分野のいろんなものがたくさんたまっているです。すみませんすみませんすみません。
随所でとっくに話題ですし、今さらの感はありますが、毎日新聞が伝えたということもあるので、いちおうエントリーを作っておきます。
ほかのエントリーにすでにコメントをいただいてますが、とりあえず続きはここで。
●発電装置:太陽光や風力より効率良く、電磁力で電力供給
http://mainichi.jp/area/kanagawa/news/20090319ddlk14040128000c.html
なんというか、とりあえず記事を読んだ印象は「なつかしい」かなあ。
かつてのNマシンなんかでよく超効率(入力より出力が大きいこと)の計算をしていたのと雰囲気が似ています。永久磁石だし。
永久機関は今も世界中で日々発明されているのだと思います。
問題はそれを報道するかどうかのほうなんですが。続報はないんですかね
まったくお返事もメンテもできず、すみません。
たぶん、明後日くらいには復帰できるかと。
明日、というか、もう今日ですけど、梅田哲也さんのおまねきで、しゃべりにいきます。
アート系のイベントですが、アートの話じゃなくて、科学とかニセ科学とかの話をするんじゃないかな。
どうなるか全然わかりません。
昼前には同じ場所でテルミンpremiumを弾いてると思います。
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なにわーとスクールん「創意工夫の工作」
日時:3月8日(日)13:00-15:00
ゲスト:菊池 誠
ホスト:梅田 哲也
司会:小西 小多郎(AD&Aギャラリー)
会場:AD&Aギャラリー http://www.adanda.jp/
料金:1,000円
主催:大阪市
企画・運営:財団法人大阪城ホール、NPO大阪アーツアポリア
予約、問い合わせ先:
NPO大阪アーツアポリア(大阪市港区築港2-8-24-305)
tel/fax 06-6599-0170
mail school[at]artsaporia.org ([at]は@です)
有名なBad astronomyの翻訳が『イケナイ宇宙学 間違いだらけの天文常識』というタイトルで出ました。「イケナイ」という邦題がすてきです。
目次はこんな感じ
http://www.rakkousha.co.jp/books/a_02.html
世界天文年2009日本委員会公認書籍だそうです。
楽しい本です。ROCKY江藤さんが翻訳者として参加しておられます。
どうでもいい質問ですが、わかるかたがおられれば、ご教示いただけるとありがたいです。
Chinese restaurant syndromeという言葉は1968年が初出だそうです。
一方、China syndromeは1971年が初出とのこと。
China syndromeは設定がそもそもみょうちくりんで、アメリカの原発がメルトダウンしたら、それが地面を溶かしながら地下に沈んで、地球を突き抜けて裏側の中国に被害を及ぼすという話です。これはおかしい。
要するに、China syndromeという言葉はChinese restaurant syndromeに引っ掛けただけで、提唱者のLappも中国に被害が及ぶとまでは本気で言ってないのじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう。初出は"Thoughts on Nuclear Plumbing," New York Times, 12 Dec., p. E11とわかっているのですが、見られないので、確認できずにいます。
別のエントリーにコメントをいただいたとおり、NHK「爆笑問題のニッポンの教養」に中田力氏が出演して「こころ」について話されたとのこと。
僕は見損なったのですが、再放送もあるようなので、見てみます。
『脳のなかの水分子―意識が創られるとき』はさまざまな理由により(別エントリーに理由も書いてますけど)、読みました。中田氏の主張される渦理論というのは、まったくダメです。
これについても、すでに別エントリーですでにだいぶ議論しました。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1158749266#CID1159693169
中田氏の「脳の形成」理論は「巻貝や朝顔のツルの構造はコリオリの力で作られる」と主張することとそれほどレベルの違う話ではないというのが僕の意見です。もちろん、巻貝や朝顔はコリオリの力と関係ありません。「こころ」の話も推して知るべし、という感じです。
なんだろうな。やはり、こういうのはトンデモ理論としか呼びようがないと思うんですよ。もちろん、どんな理論を提唱されるのも自由なのですが、なぜそれをNHKが好んでとりあげたり、好意的な書評が出たりするのか、謎です。
脳科学の業界で中田の渦理論がどういう評価を受けているのか、気になります。
あらためてエントリーを作るかどうか、ちょっと考えたのですが、ケース・スタディとしていいかもしれないので作ってみました。