200810のブログ

記事一覧
カテゴリー別記事一覧

2008/10/31 「懐疑論者の事典」@阪大図書館
2008/10/31 911真相究明フォーラム in OSAKA
2008/10/12 ミヤネ屋「水伝」の反響
2008/10/10 ノーベル文学賞はル・クレジオ
2008/10/10 業務連絡
2008/10/09 International Symposium on Structures under Earthquake, Impact, and Blast Loading 2008
2008/10/09 wikipediaの速報性
2008/10/08 ノーベル化学賞
2008/10/08 やっぱり講義ノートは必要か
2008/10/07 ノーベル物理学賞
2008/10/07 水伝@ミヤネ屋(明日)
2008/10/07 7000冊の絵本はどうなったのだろう
2008/10/05 ネット上の映像で判断することと想像力
2008/10/04 「なにネタにマジレスしてんの」とか言って勝った気になっているようでは、単に自分のダメさ加減を世間に知らしめているだけだから
2008/10/03 神舟7号映像捏造説
2008/10/03 イグ・ノーベル賞
2008/10/03 善意ほどやっかいなものはない、熱意ほど扱いづらいものはない

2008/10/31 「懐疑論者の事典」@阪大図書館

カテゴリー: 日 記

「懐疑論者の事典」を1セット、阪大図書館に寄贈しました。

一階に教員著作コーナーとかいうのがあるはずで(著作じゃないけど)、そこに置かれていると思います。

図書館のウェブに紹介のコメントを書きました。

http://www.library.osaka-u.ac.jp/kyoin/kyoin-kizo-list2.htm#kikuchi


2008/10/31 911真相究明フォーラム in OSAKA

カテゴリー: 日 記

別のエントリーではだいぶ以前に書きましたが、明日、掲題のイベントが開かれます

http://www.jimmin.com/doc/1001.htm

僕はライブの予定を先にいれてしまっていたため、参加できないのですけど(^^;

(見るほうじゃなくて、やるほうなので)

このイベント自体は陰謀論扇動者デヴィッド・レイ・グリフィン博士(なんの博士か、調べてみることをおすすめします)の来日ツアーの一環ですが、上にURLを示したサイトを見ると、必ずしも「陰謀論肯定」一辺倒ではなさそうです。

.....

◆第2部 【「陰謀論」を検証する】(15:00〜17:00)

1 ビデオ上映…検証ドキュメンタリー『ルース・チェンジ』制作者と「ポピュラーメカニクス」編集者のガチンコ討論

2 質疑応答…きくちゆみ氏が「真相究明運動への批判」に応える

.....

というセッションがあるので、少なくとも「批判」に対して、なにかが語られるはずです。ビデオのほうは、「ポピュラーメカニクス」側が圧勝して、これでアメリカでの陰謀論支持が一気にしぼんだというやつだと思います。

([追記:11/1]と書いたけど、「一気にしぼんだ」は嘘ですね。すみません。これはたぶん2001年に放映されたテレビで、もちろんその後も陰謀論は盛り上がっていました。ネットで全部見られます。「ポピュラーメカニクス」の圧勝だと思いますが、視聴者に本当にそう見えたかどうか)

同じグリフィン・ツアーでも、メインの東京イベントは

http://2nd911.globalpeace.jp/

のような感じになっており、「批判」などどこにもなく、参加メンバーも陰謀論扇動者ばかりです。

これに比べると大阪のイベントはずいぶん違うようです。値段もずいぶん違いますが。

もしかしたら何かあるかも、という気がします

もし、大阪のを覗きに行くかたがおられたら、ぜひご報告ください。

東京のは、見てもしょうがないのでしょうね。

[追記: 11/2]

ながぴいさんのコメントにもありますが、mixiのアカウントをお持ちのかたは、山本弘さんによる詳しい報告が読めますので下を

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=32743209&comment_count=585&comm_id=70043

基本的には「きくちゆみは反駁されきっている話を繰り返した」「グリフィンは都合が悪くなると同じ話を繰り返して時間切れを狙った」ということのようです。時間切れ作戦は一定の成功を収めたのかもしれません。

興味深いのは、主催の人民新聞社から、陰謀論についていくつかの疑問が提出されたらしいことです。主催者も懐疑的であるというのが、大阪のイベントの特徴のようですね。

参加者が非常に少なかったようで、まあ大阪ではすでに陰謀論は下火になっている証拠なのだとしたら、それはそれでよいです。でも、もしかしたら、陰謀論支持者が「陰謀論批判があるなら参加しない」と考えたのかもしれません。彼らは自分の知りたくない話から目をそらしますから。


2008/10/12 ミヤネ屋「水伝」の反響

カテゴリー: ニセ科学,水からの伝言

すでにネットで話題ですし、このブログにもコメントとして情報をいただきましたが、独立したエントリーにしておきましょう。

「ミヤネ屋」の「水伝」批判(正確には「水伝授業」批判というべきでしょう)に対して、江本氏が自身のブログでコメントしたというもの

http://hado.exblog.jp/9666035

「批判だけの内容で」と言うのは、取材拒否のせいですから、しょうがないと思います。

反論を準備中とのこと。また、今日行われたはずの「船井オープンワールド」でこの件についてコメントする予定とのこと。「船井オープンワールド」でどのようなコメントがあったのか興味深いところです。


2008/10/10 ノーベル文学賞はル・クレジオ

カテゴリー: 日 記

「文学賞は村上春樹」とはいかなかったようです。

もちろんル・クレジオは有名作家だけど、読んだことないんです。すみません。


2008/10/10 業務連絡

カテゴリー: イベント・告知

ご指摘いただきました。

まずいコメントやふま君のコメントなどを消しているのですが、実は履歴をのこすために、削除ではなく「非公開」に変更しています。

で、もともと非公開のコメントにつけた僕の返答は自動的に非公開になるのに対し、僕が返答をつけてから元コメントを非公開に変更しても、僕の返答は公開のままなのですね。そのため、非公開化したコメントのひとつ前のコメントへの返答に見えてしまいます。

実は僕には非公開コメントもすべて読めているため、それに気づいていませんでした。

見かけ上、僕の返答が不適切についちゃっているコメントがいくつもあるかもしれません。これから処理しますが、処理しきれないと思うので、気づいたらご指摘ください。

結果的に不適切な返答がついちゃって気を悪くしたかたがおられたら、済みません


2008/10/09 International Symposium on Structures under Earthquake, Impact, and Blast Loading 2008

カテゴリー: サイエンス

明日と明後日、阪大の荒田記念館(^^;)で掲題のシンポジウムが開かれるそうです。

サイバーメディアセンターからは東田さんがグリッドの話をされます。

地震に対するビルの応答が主なテーマのようですが、土曜のプログラムに

11:25-11:40 Numerical simulations for investigation on true cause of the total collapse of the WTC towers

Daigoro Isobe (Univ. of Tsukuba)

11:40-11:55 Structural responses of world trade center under aircraft attacks

Ryusuke Fukuda (Kajima Corp.), Norihide Koshika, Hiroshi Morikawa

という興味深い二講演が予定されています。WTCの崩壊についての計算機シミュレーションですね。

短い講演なので、これだけのために吹田まで行くかどうか、悩ましいですが。

詳細は

http://www.ib08.net/

 

磯部グループの研究結果についてはウェブサイトにかなり詳しい説明あります。

http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~isobe/wtc.html


2008/10/09 wikipediaの速報性

カテゴリー: 日 記

きわめてどうでもいいことなんですが。

 

ノーベル賞が決定すると、ものすごい勢いでwikipediaに記述が追加されます。

履歴を調べたところ、下村さんの受賞については昨日の日本時間18:49に「第一報」が追加されていたようです(遅くとも19:00までには追加されていたことは、別のところで確認できます)。

マスメディアのニュース速報なみに早いのではないでしょうか。

 

で、本当にこんなことに意味があるのか。というより、こんなのは無意味ではないかと僕は考えるわけです。

wikipedia自身に「Wikipediaはニュース速報ではありません。性急な編集は控え事実を確認し、正確な記述を心がけてください」と書かれています。これは見識であり、当然です。

百科事典を目指す以上、速報性よりも正確さを重視するべきであるように、僕には思えます。

事典ですから、ノーベル賞受賞を翌日書いたって、なにも困らないし、来月だってかまわない。授賞式後でもまったく問題はありません。

実際、まだ受賞が決定しただけであって、貰ってはいないわけですから、むしろ「不正確な記述」という見かただってできなくはありません(そうは言いませんけど)。授賞式までに何かが起きないという保証はないですから。

  

wikipediaの速報性を喜ぶ人もいますけれど、それは目的を見失っているのであって、むしろこのような態度は「拙速」であり、百科事典としての信頼性を失わせる行為ではないかと考えるのですが、いかがでしょう。

本当に「百科事典を目指す」気があるなら、こんなことはしないのではないかなあ。

速報性を競っているのだとすれば、ダメダメです

[追記:]

ちょっと注釈ですが、僕がおかしいのではないかと感じたのは、あくまでも「あまりにも速い追記」についてです。信頼生を犠牲にしてまで、速報性を競っているのではないか、という疑問です。情報をきちんと集めて、翌日書いたらいいじゃないか、と思うわけです。しかも、下のほうに書いたように、「ノーベル賞受賞」の一文を拙速に追記したところで、その項目を検索で読みにくる読者にとってはなんら新しい情報を持たないので、単なる無駄な努力に過ぎません。

もちろん、wikipediaとはそういうメディアなのだということであれば、それはかまわないのですが、僕にとっては「やっぱりwikipediaは信頼できないなあ」という気を強くさせるものであったということ。

大きなお世話だ、という意見はあると思いますし、それはその通りです。


2008/10/08 ノーベル化学賞

カテゴリー: サイエンス

化学賞にGFP発見者の下村脩さんとMartin Chalfie、Roger Y. Tsienの三人ですか。

GFPは今や分子生物学になくてはならないものですからね。

おめでたい話です。

下村さんも南部さん同様「頭脳流出」です(国籍は知りません)。

たまたまなのかもしれませんが、考えさせられる問題ではあります。

[追記:]

テレビで下村さんのインタビューをしていましたが、化学賞は予想外と言っておられますね。医学生理学賞じゃなかったですもんね


2008/10/08 やっぱり講義ノートは必要か

カテゴリー: 日 記

今、授業で黒板にがーっと計算を書いていったんですけど、途中で妙なことになってしまい、そこで最初に戻らずに場当たり的な対処をしたら、却ってひどいことになってしまいました(^^;。

間違いは今日の最初の式にあり、summationが一個抜けてたという学生でもやらないミス。ぼーっとしてて、それに気づかなかった。

授業終了後に黒板を眺めていたらわかったものの、あまりにもひどいミスなので、これはとてつもなく恥ずかしい。

もともと授業での計算ミスは多いし、間違うこと自体はどうってことないのですが、ここまで初歩的な間違いは珍しいかも。最初の式を適当に省略して書いたのが間違いのもとね。

眠くてまったく頭が働かなかった。そういうときこそ、細かい部分を省略しないことだなあ。

 

やっぱりノートをちゃんと作らないとだめかしら。

その場でできると思い込んでたのがいかんね(できてしかるべきなんだけど)。

 

まあ、この反省もたぶん明日までかな

[追記:]

申し訳ないから、この部分だけでもノートを配るかな(^^;


2008/10/07 ノーベル物理学賞

カテゴリー: サイエンス

イグ・ノーベル賞に続き、日本人が。

南部先生へのノーベル賞は当然というより、なんでこんなに遅くなったかな、というのが正直なところ。「自発的対称性の破れ」は現代物理学のあらゆる分野での基本概念ですからね。

豊中にご自宅(新聞によると、奥様のご実家だそうです)がある関係で阪大物理の招聘教授になっておられるので、ときどきキャンパスでお見かけしますが、これで学生も「あれはただのおっちゃんやないんや」ということがわかったのではないでしょうか。

小林・益川は当然いずれは受賞すると思われていたわけで、ただ、南部先生と三人まとめてというのは、ちょっと予想外でした(決まってみると、まあそうか、という気もしますけど)

 

イグ・ノーベル賞と並んで、めでたいことであります。

 

(招聘教授って、物理学専攻のスタッフリストにちゃんと掲載されてるけど、阪大は給料を払ってないんじゃないかな)

[追記:]

あんまりいい加減なことを書くと、よくないね。

詳細は新聞で確認してください。

今朝の新聞に阪大の素粒子論グループの写真が出てました。


2008/10/07 水伝@ミヤネ屋(明日)

カテゴリー: ニセ科学,水からの伝言

ミヤネ屋が「水からの伝言」関連の取材をしていたのですが、明日放送らしいです。

校長会の話も取り上げるのだろうと思います。

僕も取材されていますけど、校長会の話はしなかったはず。


2008/10/07 7000冊の絵本はどうなったのだろう

カテゴリー: ニセ科学,水からの伝言

例の関東地区女性校長会の件ですが、済んでしまったことは済んでしまったのでしょうがないとして、今後どうなるのか(どうするのか)、それが問題です。

とりわけ、各小学校から絵本7000冊の発注があったという件は、どうなったのか。7000という数は尋常ではなく、各クラスに配るとか、もしかすると生徒全員に配るとか、そういう使いかたがされたのではないかと思います。

実際にどう配られたかご存じのかたはおられますか?

 

問題のHADOについては「ほたるいかの書きつけ」で詳しく報告されています。

7000冊の件もそこに

http://ameblo.jp/fireflysquid/entry-10139358661.html


2008/10/05 ネット上の映像で判断することと想像力

カテゴリー: ニセ科学

神舟の件を眺めていたら、思い出しました。

 

僕が出た「視点・論点」がyoutubeに載ったとき、内容の評価とは別に「シャツのボタンがずれている」というコメントがネット上に散見されました(^^

ええ、たしかにそう見えることは認めましょう、残念ながら。それは僕が見てもそう思う瞬間があります。

 

僕ひとりなら、ボタンがずれたまま気づかないってことは充分にありえますし、実際、ごくたまにやってしまうことがあります。あれは恥ずかしい。まあ、大事にいたる前に気づきますが。

しかし、ディレクター、アシスタント・ディレクター、カメラマン、さらにはもっと間近で見るメイク(反射を抑えるために、最低限のドーランは塗ります)の人の目をすべてかいくぐって、本番終了までボタンをずらしたまま通すには、かなりの努力を要します。カメラの前では座っていますが、その前には立ってスタッフと話したりするわけですからね。立ってる姿を間近に見たら、まず気づくんじゃないですかね。

つまり、「ボタンがずれている」というのは「何人もの目がそのミスを見逃した」と言う主張であって、単に「菊池ひとりがへぼい」という話ではないわけです。何が足りないのかといえば、映像は何人ものスタッフによって作られている(しかし、映像そのものには姿を見せない)ことについての「想像力」でしょう。

 

話そのものはくだらないのですが、ネット上の映像を見る際に「想像力」を働かせなかったら、いくらでも妙な結論が出せるという例になっていると思います。

 

繰り返しますが、たしかに「ボタンがずれている」ように見えます(^^。

しかし、それは真実ではないわけです。

想像力とは、ここで「ボタンがずれているとしか思えないが、当人だけならいざ知らず、現場のスタッフ全員がそれを見逃すなんてことはありそうにないから、実はずれていないのだろう。でも、ずれてるように見えるな、ぷぷ」と考えることです。最後の「ぷぷ」は大事。「ぷぷぷ」でも可。

 

911なら、「これが自作自演だとすると、アメリカ政府はいったい何人の人間を黙らせたのだろう」と想像することですね。これは、ビデオを見て「自由落下に見えるかどうか」なんてことを考えるより、よほど重要でしょう。


2008/10/04 「なにネタにマジレスしてんの」とか言って勝った気になっているようでは、単に自分のダメさ加減を世間に知らしめているだけだから

カテゴリー: 日 記

神舟のエントリーで出た話から、独立させました。

タイトルそのままです。

これはキャンペーンね。

 

「ネタにマジレスして」とか言うのは、「逃げます」という宣言だし、「負けです」という宣言ですからね。

真面目な議論に「メタレベル」でなにか言って「偉くなった気になる」のは単にダメなだけです。「メタレベルでしかものが言えない」ってのは、ダメなんだよ

そういうのは基本的に「ダメな議論」であるというコンセンサスを形成することを目指します。

方針は、「なに、ネタにマジレスしてるの」と言われたら、「ネタだろうがなんだろうが、まじめに答えますが、それのどこが悪いかな?」と返答する。次に「で、ネタでもなんでもいいから、質問にきちんと答えてくれないかな」と要求する。

要は「それが当然である」という態度で平然と臨めばよいだけですからね。

  

もちろん、メタレベルでの発言が有効な場合もあります。有効かダメかを見極めるのも重要ですよね。

[追記:]

逆の意味にも読めるので、タイトル変えました

[追記:]

えー、わかると思ったんだけど、念のために書いておくと、僕は「ネタ」が嫌いなわけではありません。議論に負けそうになると「あれはネタだよ、ネタ。なにマジレスしてんの」と言って逃げる連中が嫌いなだけです。

いわゆる「釣りネタ」についても、「釣られた側が負け」という価値観がおかしいと思っているだけです。

[追記:]

読み直してみて、「メタレベルに上がって偉そうにする話」と「ネタだよ、ネタ」をごっちゃに書いたのはまずかったかという気になってきました。

どちらもダメなんですが、別々に書いたほうがよかったですかね。

「ネタだよ、ネタ」は、メタレベルに上がって勝ったと見せかける技法なので、いいっちゃいいんですが(って、元記事を書き直さないのは、もうだいぶコメントがついたから)

[追記:]

なんとなく追記したくなるのは逃避?

これは文化の問題なので、たとえば「2ch内では普通だ」という意見はあってもよいと思います。2ch内でどのような文化が形成されているのか、僕は知りません。仮に「2chでは普通」なのであるとすれば(知りませんけど)、それは2chのローカル文化であって、それがそのまま外部に通用すると期待するのが間違いであるということです。


2008/10/03 神舟7号映像捏造説

カテゴリー: 陰謀論

松浦晋也さんのブログで議論が進んでいるので、ここで詳細な議論をするつもりはありませんが

http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/09/post-af53.html

http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/10/1022-8a3a.html

http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2008/10/101-c816.html

 

別エントリーにも書いたように、ビデオを見て「捏造だ」と騒いだ人たちの発言は「911自作自演説」の皆さんと非常によく似ています。Deja vuです。

もちろん、「アポロ捏造説」とも似ているのですが、どちらかというと911に似ているという印象を受けます。

あまりに似ているので、悲しくなります。

インターネット上の映像を見てブログや掲示板で議論(?)が進むという「議論の構造」のせいでしょうか。

 

「おかしい」と言っている人たちは、自分たちだけは「真空中での物体の動き」や「無重力下での物体の動き」を知っていると思っているようです。911自作自演説のみなさんも自分たちだけは「巨大ビルの崩壊のしかた」を知っていると思っています。

知識に対する謙虚さのようなものが決定的に欠けているのではないかという気がします。

 

「アメリカが嫌い」だからといって、アポロや911を陰謀だの捏造だのと言うのは間違いです。

「中国が嫌い」だからといって、神舟を捏造だと言うのは間違いです。

「好き嫌い」は理屈じゃないからしょうがないけど、陰謀だの捏造だのの真偽は「好き嫌い」と関係ないのです。


2008/10/03 イグ・ノーベル賞

カテゴリー: 日 記

北大の中垣さんたちがイグ・ノーベル賞だそうですね。

粘菌が迷路やシュタイナー問題を「解く」という研究です。

最適化問題を生物に解かせるというのは面白い話で、まだまだ関連する話はいろいろ出てきそうです。

うまいこと設定して、日本地図の上で線路を引かせてみたら、現実に引かれているJRの路線とわりとよく一致するそうで、JRも粘菌なみの最適化をしているということなのでしょう。

 

イグ・ノーベル賞は「本当にどうしようもない研究」にも与えられていて(というより、僕は最初のうち、そういうものにしか与えられない賞なのかと思っていました)、イグ・ノーベル賞受賞というだけでは肯定的評価とも否定的評価ともとれないのですが、粘菌の話は研究の面白さが肯定的に評価されたのだろうと思います。Natureの論文だし

.....

COGNITIVE SCIENCE PRIZE. Toshiyuki Nakagaki of Hokkaido University, Japan, Hiroyasu Yamada of Nagoya, Japan, Ryo Kobayashi of Hiroshima University, Atsushi Tero of Presto JST, Akio Ishiguro of Tohoku University, and Ágotá Tóth of the University of Szeged, Hungary, for discovering that slime molds can solve puzzles.

REFERENCE: "Intelligence: Maze-Solving by an Amoeboid Organism," Toshiyuki Nakagaki, Hiroyasu Yamada, and Ágota Tóth, Nature, vol. 407, September 2000, p. 470.

WHO ATTENDED THE CEREMONY: Toshiyuki Nakagaki, Ryo Kobayashi, Atsushi Tero

.....

中垣さん、小林さん、手老さんは授賞式に行かれたのですね。

[追記:10/13]

中垣さんのインタビューが朝日新聞に出ていました。

隙間産業的な研究はだいじですよ。


2008/10/03 善意ほどやっかいなものはない、熱意ほど扱いづらいものはない

カテゴリー: ニセ科学

僕たちは善意や熱意にどう対応していけばいいのか。

これまでの経験でいうと、ニセ科学問題で一番やっかいなのがこれです。答はないです。

 

少なくとも「善意だからいい」とか「熱意があるんだからいい」ではないことは明らかなんですけれどね。

大槻先生のように「科学的に間違っている」のひと言で斬って捨てられればいいのですが、それはたぶんほとんど何の役にも立たない。

「科学的に間違っているかどうか」はニセ科学問題ではもっとも簡単な部分でしょう。

[追記:]

タイトルはレトリックが過ぎるというご指摘をいただきました。

僕の中では軽いレトリックのつもりなのですが、たしかにこの文章の背景がわからないと、「何言ってんだ」

かもしれません。誤解を与えるのも損なので、注釈。

もちろん、「善意」や「熱意」はだいじです。一般的に「善意なんていらない」とか「熱意なんて持つな」などという話をしたいわけではありません。

問題設定としては、当人の動機は善意で、そして熱意をもって行なったり言ったりしたことが、実は「ニセ科学」だったり「トンデモ」だったりした場合にどうするか、です。

端的には「授業で水伝を使っちゃった先生」「川にEM団子を投げ込む運動をしちゃった人」「911はアメリカの自作自演だから糾弾しなくてはならないと純粋な正義感から活動を展開しちゃった人」などなど、ほかにもいろいろ思いつきます。

程度の問題はあり、ケースバイケースなのですが、とにかく問題にしたいのはそういうことです。

もちろん、「それはダメである」と言うわけですけど、「ダメ」のひと言ではうまくいかない場合がいくらでもあります。

まあ、そういう話