200505のブログ

記事一覧
カテゴリー別記事一覧

2005/05/31 ポテンシャル・エネルギーの定義
2005/05/31 水からの伝言(2)岩波「世界」
2005/05/30 形態形成場 in wikipedia
2005/05/30 グリセリン結晶の製造方法
2005/05/30 朝日新聞書評欄は天外伺朗
2005/05/28 体験談募集:再
2005/05/27 寺田努氏講演(ウェアラブル・コンピューティング)
2005/05/25 体験談募集:旧
2005/05/25 水からの伝言(1)
2005/05/23 科学者の倫理
2005/05/21 グリセリンの結晶
2005/05/20 捏造
2005/05/17 Characteristic time scale
2005/05/17 血液型(書きかけなので予告)
2005/05/13 野尻さんは今度の月曜だよ
2005/05/10 ふたたび名誉毀損について
2005/05/06 GWだけど、やっぱり授業
2005/05/02 今日は授業

2005/05/31 ポテンシャル・エネルギーの定義

カテゴリー: 物理教育

力学に現れるポテンシャルU(r)(rはベクトルね)は「基準点からrまで力Fを積分したものにマイナスをつけたもの」です。なぜマイナスなのか。

「質点をrから基準点まで動かしたときに力Fがする仕事」というのはひとつの解釈ですが、僕はそれとは別に「質点に力Fと釣り合う力(-F)を加えて、加速度0の状態にし、ゆっくりと基準点からrまで移動させるとき、外から加えた力(-F)がする仕事」という解釈を教えています。質点に働く力は常に0なので、限りなくゆっくりでありさえすれば、任意の経路で移動させることができます。つまり、力学的な準静的過程を考えているわけです。

高さhでの位置エネルギーmghであれば、物体を手で支えてhまでゆっくり持ち上げたときに、手がした仕事になります。

この説明は熱力学との整合性がいいし、任意の仮想経路を考えることができるので、理論構築上も都合がいい。

僕は、これが正しい説明だと信じているのですが、こういう説明のしかたをしている力学の教科書はあるのでしょうか。昔の本にならありそうですが・・・。

それとも、これって当たり前? 当たり前かもしれないんだけど、力学の教科書で準静的過程っていう言葉を見たことはないような気がするっす


2005/05/31 水からの伝言(2)岩波「世界」

カテゴリー: ニセ科学,水からの伝言

6/8発売の岩波「世界」に「水からの伝言」批判記事が掲載されます。カナダ在住のフリージャーナリスト、二村真由美さんが書かれたもので、僕や天羽さん、北大低温研の本堂所長と古川先生などが取材に協力しています。

京都女子大の小波さんと「水からの伝言」についていろいろ調べているうちに「水からの伝言と道徳授業」の問題に行き当たったのが2003/1/17だったと、自分の趣味ホームページに書いてあった(URLは秘密。気になるひとは検索でもしてください)。

ちんたら調べていたら2年半も経っていたというわけで、もうちょっと効率的にできないものかと思ったり。


2005/05/30 形態形成場 in wikipedia

カテゴリー: ニセ科学,100匹目のサルなど

blogにwikipedia経由のアクセスがあるので、なにごとかと思ったら、「シェルドレイクの仮説」というエントリーについての議論中にグリセリンの話がリンクされているのだった。グリセリンについても書いたらどうか、という意見に対して、グリセリンの話は間違いらしいということでこのblogがリンクされているのだが・・・「シェルドレイクの仮説」というエントリー自体は形態形成場を肯定的に扱っているというところが、なんとも。

グリセリンの話をリンクしてくれるのはありがたいのですが、それ以前に「シェルドレイクの仮説」自体がニセ科学なんで、グリセリン話だけ科学的でもしょうがないんですけど。

書くなら、まず形態形成場を「ニセ科学」と言ってもらわないと。

もっとも、僕はwikipediaになんの思い入れもないので、訂正する気はありません。ビリーバーの人と揉めるには、いい土俵じゃないし。

このエントリーもwikipediaは信頼性が低いという実例のひとつになるのか


2005/05/30 グリセリン結晶の製造方法

カテゴリー: ニセ科学

ニセ科学で話題にしたグリセリン結晶ですが、じゃあ現代の化学者がグリセリンを結晶化させたいと思ったときは、どういう手順を踏むのか、ご存知のかた、ご教示ください!


2005/05/30 朝日新聞書評欄は天外伺朗

カテゴリー: ニセ科学

どっかに書いたかもしれないのですが、朝日新聞書評欄ではだいぶ以前から天外伺郎が科学書や科学周辺書の書評を書いています。本名ではSONYの技術者として大変有名なかたですが、天外名で書いてるのは「トンデモ本」です。どんな本を書いてるか気になる人は、ネット書店で検索してみてください。

朝日新聞書評欄が普通の科学者ではなくて彼を起用したというのは、書評担当部門が確信犯的に科学者にケンカを売ってるわけですな。

追記:天外伺朗の「朗」の字を間違えて「郎」と書いていました。検索にかかるようにタイトルだけは直しておきましたが、本文は自戒のために残します。ってか、残さないと、せっかくつけていただいたコメントが意味不明になるし(^^


2005/05/28 体験談募集:再

カテゴリー: ニセ科学,マイナスイオン

再掲載

(1)会社で「マイナスイオンつきの製品を作れ」と命じられて、泣く泣く作った開発者のかた

(2)「水からの伝言」を使った道徳授業をしたことがあるが、もうやめたという先生

(3)自分の子供が「水からの伝言」を使った道徳授業を受けて困惑した保護者

(4)学校の同僚が「水からの伝言」を使った道徳授業をしたので困った理科の先生(理科じゃなくてもいいですが)

のコメントを聞きたいです。

匿名可。メールでもいいです。秘密は守ります(^^

お願い:体験談とそれへの直接コメント以外のコメントは「再」じゃないほうの「旧」につけてください。


2005/05/27 寺田努氏講演(ウェアラブル・コンピューティング)

カテゴリー: イベント・告知

5/30(月)の1630から、阪大サイバー講師の寺田努さんによるウェアラブル・コンピューティングについての講演を行います。基礎セミナー「サイエンス・フィクション」の一環です。興味のあるかたの御来聴を歓迎します。

日時: 2005年5月30日(月) 16:30-18:00

場所: 大阪大学サイバーメディアセンター豊中教育研究棟7階会議室

詳細は授業のホームページにて

なお、今後ですが、7月に菅浩江さんと堺三保さんの講演を予定しています。


2005/05/25 体験談募集:旧

カテゴリー: ニセ科学,マイナスイオン

(1)会社で「マイナスイオンつきの製品を作れ」と命じられて、泣く泣く作った開発者のかた

(2)「水からの伝言」を使った道徳授業をしたことがあるが、もうやめたという先生

(3)自分の子供が「水からの伝言」を使った道徳授業を受けて困惑した保護者

(4)学校の同僚が「水からの伝言」を使った道徳授業をしたので困った理科の先生(理科じゃなくてもいいですが)

のコメントを聞きたいです。

匿名可。メールでもいいです。秘密は守ります(^^

追記:

このスレッド、体験談は亀さんの一個だけなのにスレッドがのびちゃって、このままでは体験談を書きにくいと思うので、体験談専用スレッドを別に作ります。体験談はそちらか、直接メールください


2005/05/25 水からの伝言(1)

カテゴリー: ニセ科学,水からの伝言

「水からの伝言」を道徳授業に使っている小学校の先生がおられることは、ニセ科学関連文書で何度か指摘したし、天羽さんのホームページでも取り上げられています。

忙しくて、この件についての調査がなかなか進まないのだけど、微妙に進展しているので、時々ここで報告します。

現在、ある小学校の先生と明治図書に問い合わせ中。

ここでは、昨年夏にサンシャインシティ・スターライトドーム(旧サンシャイン・プラネタリウム)で行われた「水からの伝言」プログラムについて担当会社に問い合わせて得られた返事を引用します。個人のメールじゃなくて、会社としての返答だから、引用してもいいでしょう。だめなら、削除しますが。

......................

私たちスターライトヒーリング事務局では、「独自の視点で水の研究をしている江本氏の研究によると」というスタンスで今回のプログラムを作りました。江本氏の研究の科学的信ぴょう性などは、これからなのだと思いますが、実験によって、実際に水がさまざまな形の結晶になること、また、その結晶を見た方々がそれによって喜びを感じたり、感動されてり、いろんな発見をされていること、そのことに意味があると思いました。

科学で完璧に立証されていないものであっても、私たちの心を動かす水の結晶が存在する、その事実を大切にしたいと思い、皆様にご紹介したいと思い、今回のプログラムで取り上げさせていただきました。

...................

このあとに、アートとして上映したつもりだがプラネタリウムという場所での上映であることに注意を払うべきだったかもしれない、という内容が続き、全体としては大変誠意あるメールとなっています。

ただし、上の文章のうち「江本氏の研究の科学的信ぴょう性などは、これからなのだと思いますが」というくだり。ここが我々の認識と大きく食い違っています。「水からの伝言」の主張に科学的信ぴょう性などこれっぽっちもありません。結晶は本物ですが、それが言葉に反応するというのはまったくのでたらめ。

「科学的に立証されていない」のではなく、「科学的にありえない」のですから、そこを誤解されては困ります。この誤解は「科学的にはありえないが、私は信じる」という確信犯的な立場よりもずっと根の深い問題をはらんでいるように思えます。

この点を説明した返事も送りましたが、それに対する反応はいただいてないはずです。


2005/05/23 科学者の倫理

カテゴリー: ニセ科学

論文の捏造や盗用をしてはいけないというガイドラインを日本化学会が作ったとつい最近新聞で読んだ記憶があるのだけど、化学会のホームページを見ると、一年前に「行動規範」として決められていました。

http://www.chemistry.or.jp/news/kodokihan.html

論文の著者としては(1)データの捏造・盗用はあかん(2)先行研究をきちんと引用せなあかん、というのが最初に来るのですが、こういうことがもはや「不文律」では通らないわけね。

そのほか、論文誌以外の発表は、査読を通さないだけに注意が必要だとか、プロジェクト申請者は誇大宣伝するなだとか、書いてあります。化学者以外もこういうのに気をつけなあかんで。

また、「社会に対する責務」として "会員は、社会に対して科学・科学技術的なことがらについて発言する際に、誇張、歪 曲、一面的な表現を避け、正確で客観的であるよう努める" と書かれています。テレビに出て、でたらめな話をしたらあかんわけだよ。


2005/05/21 グリセリンの結晶

カテゴリー: ニセ科学,100匹目のサルなど

グリセリンの結晶にまつわるエピソードは「百匹目の猿」やら「形態形成場」やらの話に絡んでよくとりあげられるトンデモ系・ニューエイジ系ではもはや定番話のひとつだ。グリセリンはどう努力しても結晶化できなかったのに、いったん偶然に結晶ができると、その後は世界中でグリセリンが結晶化しはじめたのだという。これはなにかしら超自然的な力の存在を暗示するエピソードだというのだが・・・・

この話は事実なのだろうか。

実は僕はこの話をシェルドレイクの「生命のニューサイエンス」で見たと思いこんでいたのだけど、最近読み直してみたら、出てる例は別の物質で、グリセリンそのものの話は書かれていないのだった。

グリセリン話の出典を見つけてくれたのは、渋谷研究所Xの亀さん。実はライアル・ワトスンの「生命潮流」に文献情報つきで書かれているのだった。言われてみれば納得なのだけど、「生命潮流」ってあまりにメジャーなので、ちゃんと読んだことがないのでした。

というわけで、まずは「生命潮流」から該当部分を引用する。

....

(グリセリンはあらゆる努力にも拘わらず結晶化させることができなかったが、あるとき運搬中のグリセリンが何かの拍子に結晶化した、という話に続いて) 化学者たちは大喜び。その樽のグリセリンを少しずつ頂戴しては自前の試料作りにかかったが、それらは摂氏18度で同じように固体になった。いち早くこれを試した科学者のなかでもふたりの人物が熱力学に関心を抱いていて、以下のことを発見するに至った。ふたりが最初の結晶を郵便で受け取り、あるひとつのグリセリン試料を使った実験で結晶化に成功すると間もなく、実験室にあった他のすべてのグリセリンが自然発生的に結晶化し始めたのである。なかには密閉容器に入っていたものすらあったという。・・・

....

上の文章で言及されている「ふたりの人物」というのはカリフォルニア大学のGibsonとGiauqueで、引用されている論文がJ. Am. Chem. Soc. 45 (1923) pp. 93である。ここまでわかれば、話は簡単。原論文を読むだけだ。こちらも該当部分を引用すると

....

(どうやってもグリセリンは結晶化できなかった、という記述に続いて)

After the seed crystals had arrived it was found that crystallization practically always occurred when amounts of 100 g. of any laboratory sample were slowly warmed over a period of a day, after cooling to liquid-air temperatures. This occurred even when great precautions were taken to exclude the presence of seeds. However, it was found readily possible, by temperature manipulation alone, to produce crystalline or supercooled glycerol at will. The calorimeter was never opened, or altered in any way during the entire investigation.

....

実は原論文には超自然的な現象を思わせる記述は一切ない。上の引用部の最初に書かれているのは「種結晶が到着してからわかったことなのだが、実はグリセリンを液体空気温度まで冷やしてから一日以上かけてゆっくりと温度を上げてやれば、事実上いつでも(種結晶なしで)結晶化できるのである」ということ。つまり、グリセリンを結晶化するには温度コントロールの仕方にコツがあり、GibsonとGiauqueはそのコツを発見したと言っているのである。ただ、コツを発見する前に種結晶を注文していたので、種結晶の入手のほうが時間的には先になったというだけの話だ。「自然発生的に結晶化」などという話はどこにも書かれていない。むしろ、きちんと温度制御しないと結晶化しないのである。

"After the seed crystals had arrived it was found"の過去完了は「届いちゃったあとで、コツがわかったのよ」という一種の"なんだかくやしい感じ"を表現しているのだが、ここをワトスンが誤読したとは考えにくいので、むしろ話を面白くするために意図的に歪曲したのだろう。実際ワトスンは「百匹目の猿」のエピソードについても、"詳細を即興で創作する"と明言しているのである。

というわけで、積年の疑問が解けて、僕はすっきりだ。この話を含む「渋谷研究所X」は次の"日本版Popular Science"に掲載されるので、よろしく。

ところで、この原論文は「熱力学第三法則は不等式かどうか」を実験で検証するというもの。具体的には非晶質の残留エントロピーを測定することを試みていて、そのための試料として選ばれたのが"結晶化しにくい"グリセリンだったというわけ。実験が行われた1922年にはそのようなことが大問題だったのだ。


2005/05/20 捏造

カテゴリー: サイエンス

阪大医学部でデータ捏造ですか。

新聞には、捏造したのは六回生と書いてあったのですが、六回生ってことは僕らの感覚でいうと修士二年ですか。本当に修士二年相当だとすると、まだまだ研究の「訓練中」なので、あせってもしょうがないと思うのですが。なにをそんなにあせったのか、捏造に至った動機が気になります。研究グループの構造的な問題か・・


2005/05/17 Characteristic time scale

カテゴリー: 物理教育

またまた「力学」の話で、それも粘性抵抗と慣性抵抗の話なんですが、もう飽きましたか、そうですか。

粘性抵抗(速度に比例する抵抗力)だけが働く場合、運動方程式はcharacteristic time scaleを持ち、length scaleを持たない。time scaleのほうは速度の減衰時間なので、その数倍の時間が経てば停止したとみなせる。結果として、質点は有限距離しか進めない。方程式にlength scaleがないことを反映して、到達距離は初速度で決まる。

一方、慣性抵抗(速度の二乗に比例する抵抗力)だけが働く場合、運動方程式はcharacteristic time scaleを持たない。速度減衰の目安となる時間スケールが存在しないことを反映して、速度はだらだらと減衰し、結果として無限の時間をかけて質点は無限遠方まで到達できる。

これに重力(F=mg)が加わると、どちらの抵抗力の場合もcharacteristic time scaleとlength scaleの両方を持つようになる。time scaleは終端速度に達するまでの時間の目安で、length scaleをtime scaleで割ったものが終端速度の目安だ(というか、この場合は終端速度そのもの)。

すごく教育的な話だと思うんだけどなあ


2005/05/17 血液型(書きかけなので予告)

カテゴリー: ニセ科学,血液型性格判断

「血液型性格判断 (1) 批判派の誤謬」という刺激的な題の記事を書きかけてるんですが、時間がなくてなかなか書けないので、予告だけ(^^。

もちろん血液型性格判断は間違いなのですが、批判派の中にも論理のおかしい人が多いなあという話。以前テレビで大槻先生が「糖鎖の違いが性格の違いをもたらすなんてことは絶対にない」と力説してはりましたが、いや、そういう問題ではないでしょう。

すぐに脳内メカニズムの話に持っていきたがる人がいるのですが、それって問題設定がそもそも間違っています。もっとも、これは批判派に限らないですが。


2005/05/13 野尻さんは今度の月曜だよ

カテゴリー: イベント・告知

期日が迫ってきたので、再度告知。reminderね。

野尻さんの講演は5/16(月)の夕方です。来聴歓迎。

詳細は

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/kougi/SF/nojiri.html

また、同じ授業の一環として、5/30(月)には寺田努さん(阪大サイバー)による「ウェアラブル・コンピューティング(とサイバーパンク)」についての講演も予定しています。こちらもよろしく


2005/05/10 ふたたび名誉毀損について

カテゴリー: 日 記

今日は新しい記事を書いたわけでもないのにアクセス数が倍増している。理由ははっきりしていて、中西準子さんの「雑感」からリンクされたから。

中西さんはその中で、"火中の栗を拾う気持ちだろう。せめて、私のために嫌なことが起きないように祈るのみ" と書いておられるけど、正直な感想を書いただけで、別に "火中の栗を拾う" などと考えたわけではない。そんな怖いことはしない。

僕のホームページにはニセ科学の悪口を実名入りでたくさん書いてあるので、更に悪口がひとつくらい増えたって、危なさの面でたいした違いはないのである。いや(と、訴訟にならないようにあわてて付け加える)、もちろん別に松井氏がニセ科学をやっているという意味ではない(そもそも研究の詳細を知らない)。ただ、今回の訴訟で「科学者として踏み込んではいけない領域」に足を踏み入れられたのではないかとは思う。

こういうことを書くと「嫌なこと」が起こるのだろうか。

さて、アクセスが増えているので、いくつかコメント。

まず、訴訟のプレスリリースは↓のリンクが最も由緒正しいもののようだ。

http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/keijiban/keijiban_master.html

また、前回の記事中で、"中西氏が「環境ホルモン問題は終わった(リスクは無視できるほど小さい)」と主張している" と書いたが、リスク云々は僕が勝手に付け加えた注釈、また中西氏が「環境ホルモン問題は終わった」という言葉をどこかではっきり出しておられるのかどうか、僕は知らない。プレスリリースに "中西氏は、「環境ホルモン問題は終わった」と考えておられるようであるが" と書かれているのを引用しただけである。"ようであるが" なんていうプレスリリースでいいのかね。

中西氏がはっきり書いておられるものとしては↓

http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak181_185.html#zakkan184

の "今回の環境省発表は、事実上、SPEED’98が引き起こした環境ホルモン問題の終焉を意味するものだったのである。" という文章がある。微妙なニュアンスが問題になるかもしれないので、注意してください。


2005/05/06 GWだけど、やっぱり授業

カテゴリー: 物理教育

力学の演習

せっかく、特徴的な時間スケールを取り出したり、指数の肩はそのスケールを使って無次元化されると教えたりしたのに、いざ運動方程式を解く段になると元の定数のまま計算する学生続出で、しょぼーん。


2005/05/02 今日は授業

カテゴリー: 物理教育

GWの真ん中だけど、授業。

「力学」は粘性抵抗とか慣性抵抗とかの運動方程式を解いたのだけど、話の中心はむしろ、どこからcharacteristic time scaleやlength scaleが現れて、それはどういう意味があるかについて。物理を学ぶ以上、すごく重要な話なのに、力学あたりでは習った記憶がない・・・というより、習った記憶は全くない。なので、その話ばっかりしてみた。

運動方程式を見たら、解くより先にまずtime scaleやlength scaleの議論を始めるような学生を養成するのが目標。

「サイエンス・フィクション」は立派なプレゼンテーションをしてくれた学生がいて、充実した時間だった。レギュラー・ゲスト(なんのこっちゃ)の堺三保さんに加えて、今日は田中啓文さんがひょっこり遊びに来てくれたのだった。